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30、あのかの有名なあの人ですか!?
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げほっと思いっきり咳き込んだ。げほげほと咳をすると水が口から吐き出される。
「大丈夫か!?」
誰かに声をかけられる。どうにか意識を保とうとするが、体が異常に重い。
「聞こえてたら手を握ってくれ!」
温かい手が俺の手に触れるので力の限り握るが、少ししか動かなかった。しかし、俺に意識があるのが分かったのかぐるぐると何かに包み込んで体を持ち上げる。
「隊長!その子は……!?」
「意識が戻った。俥は!?」
「は、はい!俥の手配が出来てます!あの、隊長!俺も……!」
「触るな!瘴気が移る!」
「でも、隊長!」
「いい!」
複数の男の声がする。このまま連れていかれていいのだろうかと思いながらもうまく体が動けずに再び意識を手放した。
***
はっと唐突に目が覚めた。布団の中に俺は寝かされており、服は青い布のものになっていた。
渡り!……は大丈夫か。不死身だし。
それから髪につけていたかんざしがない。流されてしまったのだろうか。折角御館様から貰ったものなのに……。はあっとため息をついて起き上がろうとしたが、体が重くて布団から出るのも一苦労だ。ぜーぜ―言いながらふらふらと立ち上がり襖に手をかけるとひとりでにそれが開いた。
体が言うことを聞かないのでぐんっと開いた襖の方向に傾いて転びそうになった。すると、ぐいっと腰を掴まれ危うく転倒しそうなところを免れる。驚いて顔をあげると目つきの悪い緑色瞳に、黒髪のポニーテールの男がいる。ぎろっと睨みつけるような目で俺を見た。
こ、この男は!
妖魔課の攻略者、安倍双熾!
あの有名な安倍晴明の血筋を引く男である。式よりも剣術が得意でそういうところは確かに清明とそっくりだ。
……え?いや、俺安倍晴明と会ったことあるっけ?ん?
「何処に行くんだ」
はっと彼に声をかけられてその違和感は放置した。
今そんな事を考えている場合ではない。俺の目の前には妖が大っ嫌いな妖魔課がいるのだから。
離れたいのはやまやまだが、腰を掴まれている以上妙な真似は出来ない。何か話さなくては、と声を出そうとした。
「ぁ……っ、げほ、ごほっ!!」
「……座れ」
声を出そうとしたら鋭い痛みを感じて思わず喉を抑えて咳き込む。それを見た彼は俺にそう言ってくるので俺はぺたんとその場に座り込む。見れば片手にお盆を持っており、水差しと薬包紙に包まれた何かが乗っている。それを畳に置いて襖を開けたまま、俺に薬包紙を渡す。
「これを飲め」
「……」
「まだお前の中に瘴気がたまっているからそれを出すための薬だ」
「……!!」
瘴気!?俺善良な狐だからそんなのたまってないはずなんだけど!?し、失礼な人だなぁ!!
ふいっとそっぽを向いて這って布団の中に潜り込もうとするとぐいっと襟首を掴まれた。
「薬を飲め」
「……」
またしてもぷいっとそっぽを向くと双熾は、はあっとため息をついた。俺のことは放っておいて欲しい。そういう意味で黙っているとぐいっと顎を掴まれた。
それから顔が近づいて口を塞がれた。
「っ!!」
薬を混ぜた水が口の中に流れ込んで思わず飲み込むが、変なところに入ってまたしても咳き込んだ。
まさか二次創作だと思ってた口移しを自分が受けるとは思わなかった。
そんな事を思えたが、次の瞬間びりっと電撃が走った。
「あ、がっ!?」
吐き気と体中を駆け巡る痛みにのたうち回る。
なんだこれ!妖の俺にはやばい代物では!?
びくびくと陸に打ち付けられた魚のように体が跳ねあがり、くらくらと視界が回って気持ち悪い。
そしてまたしても簡単に意識を手放した。
「大丈夫か!?」
誰かに声をかけられる。どうにか意識を保とうとするが、体が異常に重い。
「聞こえてたら手を握ってくれ!」
温かい手が俺の手に触れるので力の限り握るが、少ししか動かなかった。しかし、俺に意識があるのが分かったのかぐるぐると何かに包み込んで体を持ち上げる。
「隊長!その子は……!?」
「意識が戻った。俥は!?」
「は、はい!俥の手配が出来てます!あの、隊長!俺も……!」
「触るな!瘴気が移る!」
「でも、隊長!」
「いい!」
複数の男の声がする。このまま連れていかれていいのだろうかと思いながらもうまく体が動けずに再び意識を手放した。
***
はっと唐突に目が覚めた。布団の中に俺は寝かされており、服は青い布のものになっていた。
渡り!……は大丈夫か。不死身だし。
それから髪につけていたかんざしがない。流されてしまったのだろうか。折角御館様から貰ったものなのに……。はあっとため息をついて起き上がろうとしたが、体が重くて布団から出るのも一苦労だ。ぜーぜ―言いながらふらふらと立ち上がり襖に手をかけるとひとりでにそれが開いた。
体が言うことを聞かないのでぐんっと開いた襖の方向に傾いて転びそうになった。すると、ぐいっと腰を掴まれ危うく転倒しそうなところを免れる。驚いて顔をあげると目つきの悪い緑色瞳に、黒髪のポニーテールの男がいる。ぎろっと睨みつけるような目で俺を見た。
こ、この男は!
妖魔課の攻略者、安倍双熾!
あの有名な安倍晴明の血筋を引く男である。式よりも剣術が得意でそういうところは確かに清明とそっくりだ。
……え?いや、俺安倍晴明と会ったことあるっけ?ん?
「何処に行くんだ」
はっと彼に声をかけられてその違和感は放置した。
今そんな事を考えている場合ではない。俺の目の前には妖が大っ嫌いな妖魔課がいるのだから。
離れたいのはやまやまだが、腰を掴まれている以上妙な真似は出来ない。何か話さなくては、と声を出そうとした。
「ぁ……っ、げほ、ごほっ!!」
「……座れ」
声を出そうとしたら鋭い痛みを感じて思わず喉を抑えて咳き込む。それを見た彼は俺にそう言ってくるので俺はぺたんとその場に座り込む。見れば片手にお盆を持っており、水差しと薬包紙に包まれた何かが乗っている。それを畳に置いて襖を開けたまま、俺に薬包紙を渡す。
「これを飲め」
「……」
「まだお前の中に瘴気がたまっているからそれを出すための薬だ」
「……!!」
瘴気!?俺善良な狐だからそんなのたまってないはずなんだけど!?し、失礼な人だなぁ!!
ふいっとそっぽを向いて這って布団の中に潜り込もうとするとぐいっと襟首を掴まれた。
「薬を飲め」
「……」
またしてもぷいっとそっぽを向くと双熾は、はあっとため息をついた。俺のことは放っておいて欲しい。そういう意味で黙っているとぐいっと顎を掴まれた。
それから顔が近づいて口を塞がれた。
「っ!!」
薬を混ぜた水が口の中に流れ込んで思わず飲み込むが、変なところに入ってまたしても咳き込んだ。
まさか二次創作だと思ってた口移しを自分が受けるとは思わなかった。
そんな事を思えたが、次の瞬間びりっと電撃が走った。
「あ、がっ!?」
吐き気と体中を駆け巡る痛みにのたうち回る。
なんだこれ!妖の俺にはやばい代物では!?
びくびくと陸に打ち付けられた魚のように体が跳ねあがり、くらくらと視界が回って気持ち悪い。
そしてまたしても簡単に意識を手放した。
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