兄に魔界から追い出されたら祓魔師に食われた

紫鶴

文字の大きさ
5 / 10

5 *

しおりを挟む
――――と、そう思ってたのが数時間前。仕事が終わり宿で休んでいると突然召喚陣が足元に現れたのだ。
だから俺はその先を碌に確認もせずに飛び込んだ。お家に帰られるならもう何でもする!という心持だった。
そして、目の前にその祓魔師様がいるのである。

終わった。お兄様、俺死んでそっち帰るわ。
ぺたりと血で描かれたその魔方陣に座り込む。ガクガク震えて見上げるとゆっくりと一歩一歩近づいてきた。

「……っ!!」

恐怖で腰が抜けてずるずるとどうにか距離をとろうと下がるが、次の瞬間足首を捕まれて乱暴に引きずられた。

「い―――っ!!」
「へえ? 上位となると俺の願望通りの姿で現れるんだ」
「!?」

ど、どういうこと!?何言ってるのこの人!?
一瞬そんなことを考えたが、それよりも先に逃げなければと拘束を解こうとしてずどんっと一発俺の頭上に穴が開いた。

「よかったなぁ、その顔で。じゃなけりゃ手元が狂うところだった」
「……っ、ぅ、う……っ」

怖くて勝手に涙があふれる。
こんな、こんなはずじゃ。今頃おうちに帰れていたはずが……っ。
嗚咽が漏れないように必死で口を押さえると男が銃を投げた。それからばさりとコートを脱いで、装備を遠くの方に捨て置く。

え、え?もしかして、逃げるチャンス……?

彼が無防備になっていく姿を見ながら、この部屋からどうにかして逃げなければと出入り口を探そうとして気がついた。

窓がない!

そして唯一の出入り口は目の前の男の背後である。

う、うそ、うそ……。

この男を倒して逃げられるだろうか?
否。
最強の兄二人の加護を持って生まれた悪魔に人を殺す術など持っているはずがない!

し、しぬ、しんだ、しんだ、に、にいさま、にいさまぁ……。

これから起こることに絶望して、ひたすらに兄様に助けを求める。しかし、脳内の兄様はどちらも多分、死んだ方が早いなら自害しろとでもいいそうだ。そんな恐ろしいこと俺にはできませんが!!!

かちゃ、と金具がこすれる音がしてぐいっと顎を捕まれる。

そして目の前に、凶悪なものがあった。

「舐めろ」
「え……?」

男の性器が眼前にある。

なめろ、なめ、え?
一瞬呆けたが、はっとする。これ見たことある!あれだ、フェラ!!
そう確信したが、残念なことに経験がない俺はどうすればいいのかわからない。かといって、無理だといえる立場でもない。

と、とりあえず、口の中に入れればいいのか……?歯を立てないように慎重に口を開きながらそれを口に含む。質量のあるそれはすぐに俺の口の中をいっぱいにした。舌を使ってちゅうちゅう舐めるが自分でこれじゃないという感じがある。なんか、小説でももっとすごかった気が……。先を舐めた方がいいの?手を使う?でも勝手にそんなことしていいのかな……?

そろっと伺うように視線を上に向けるとじっとこちらを見ていたらしい彼と目が合ってしまった。驚いて思いっきりかんでしまうと眉根を寄せる。

や、やば、殺される!!

「ぐ、ぅ……っ!!!!」

しかし次の瞬間、俺の角を捕まれ、乱暴に前後に動かされる。ぐぐっと思いっきり喉奥に入っておえっとえずき、だらだらと飲み込めない唾液がこぼれる。

「ぅ、ん、んんっ!!」

苦しくて頭がぼーっとしてきた。体の中心に何か熱のようなものがたまってくる。それに伴って動きが性急になっていった。何が何だわからず与えられるまま流れに身を任せているとずるっと口からそれが離れ、顔に何かがかかる。

「……っ!」
「これは、やばい……」
「……?」

顔にかかったのは白い粘性のある液体。
愛と欲望シリーズを読んでいる俺にはわかる。これは精液!!いわゆる顔射!

わかった。この人、あまりの性欲に町の人に手を出すことができなくて悪魔を呼んだんだな?ならば俺はどうにかそれに応える!そしておうちに帰るんだ!
小説の中身を思い出しながら、俺は顔にかかった精液を指で拭って舐めてみる。どうだ、こういうのがいいんだろ!ほら!!

そんなことをした次の瞬間、マジで何も考えないで行動するのはいけないことだと学んだ。

ぎらっと男の瞳が光ったと思ったら衣服を剥ぎ取られた。その手腕は目を見張る。そして素早く俺の体をひっくり返したと思ったらべろっと俺のお尻を舐めた。

さすがに血の気が引いたので思いっきり抵抗した。

「ひ、い、いや! いやあっ!!!」
「黙れ」
「……っ!!!」

ぐっと俺の性器が握りつぶされるんじゃないかというぐらい強く力を込められた。びくっと体を震わせて、今更ながらに恐ろしいことをしてしまったと後悔する。

「あ、う、や、あ、ぁ……っ」

待って。確かに交尾にはそこが必要だという話を見た。でも、舐めるとか知らない。
ぐち、ぐちと後ろを舐められる音と、性器をさすられてぐちゃぐちゃにされている音が響く。自分のみにとてつもないことが起こっていると言うことはわかっているが、拒否できる立場ではないのも重々承知。

「ぁ―――っ!?」

舌ではなく、違うものが入ってくる。指だ。何が入ってきたのかこんなにもわかるものなのかとどうにか息を吐きながらそれを受け入れていると、衝撃が走った。

「あ、ひ、ぃ、や、あっあっ!!」
「へー、悪魔にもあるんだ。いいところ」
「っ、ぅ、ああっ!」

勝手に声が漏れる。びくんびくんと体を震わせながらそれをどうにか受け入れていると笑い声が響いた。心底、俺がこんな風に乱れている姿がおかしいとでもいうようだ。鬼畜の所業。祓魔師なんてろくなもんじゃない。

「イ、あ~~~~~っ!!」

情けなく、男の手の中で精液を吐き出した。それでもまだ、このぞわぞわした感じは収まらない。

「どろどろ。悪魔なのにこういうことしないの? ふうん?」

べろっと男が掌に出した俺の精液を舐める。ひえっと思わず声が漏れた。

は、破壊力!確かにこれは興奮する!!
この男と恋人同士でも何でもないのに思わずドキッとしてしまった自分を軽く殴りながら、命大事に!と心の中で繰り返す。無謀なことはしない。この男が満足するまで付き合う。死にたくない。

「そろそろ、いいよな?」

そうですね……。

そしてにこりと笑顔を見せた男はその凶悪な性器を俺に当てる。
だ、大丈夫大丈夫。これが出し入れするだけ。落ち着いて、どうにかこの男の望むことをすればいい。
俺はそろそろと体勢を変えて、自ら膝を持って広げる。
すると男はすぐに俺に襲いかかってきた。
***

しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

支配者に囚われる

藍沢真啓/庚あき
BL
大学で講師を勤める総は、長年飲んでいた強い抑制剤をやめ、初めて訪れたヒートを解消する為に、ヒートオメガ専用のデリヘルを利用する。 そこのキャストである龍蘭に次第に惹かれた総は、一年後のヒートの時、今回限りで契約を終了しようと彼に告げたが── ※オメガバースシリーズですが、こちらだけでも楽しめると思い

転生したけど双子で兄弟!?ークロシロ兄弟は離れられないー

ユーリ
BL
何度も一緒に転生する二人は今世、なんと双子で兄弟! 「俺のもんにならねえんなら意味ねえだろ」俺様な兄×頑なに兄の愛を受け入れられない弟「そんなだから前世の僕にも嫌われるんだよ!」でも弟は本当は兄のことをーーだからクロシロ兄弟は離れられない!

嫌われた暴虐な僕と喧嘩をしに来たはずの王子は、僕を甘くみているようだ。手を握って迫ってくるし、聞いてることもやってることもおかしいだろ!

迷路を跳ぶ狐
BL
 悪逆の限りを尽くした公爵令息を断罪しろ! そんな貴族たちの声が高まった頃、僕の元に、冷酷と恐れられる王子がやって来た。  その男は、かつて貴族たちに疎まれ、王城から遠ざけられた王子だ。昔はよく城の雑用を言いつけられては、魔法使いの僕の元を度々訪れていた。  ひどく無愛想な王子で、僕が挨拶した時も最初は睨むだけだったのに、今は優しく微笑んで、まるで別人だ。  出会ったばかりの頃は、僕の従者まで怯えるような残酷ぶりで、鞭を振り回したこともあったじゃないか。それでも度々僕のところを訪れるたびに、少しずつ、打ち解けたような気がしていた。彼が民を思い、この国を守ろうとしていることは分かっていたし、応援したいと思ったこともある。  しかし、あいつはすでに王位を継がないことが決まっていて、次第に僕の元に来るのはあいつの従者になった。  あいつが僕のもとを訪れなくなってから、貴族たちの噂で聞いた。殿下は、王城で兄たちと協力し、立派に治世に携わっていると。  嬉しかったが、王都の貴族は僕を遠ざけたクズばかり。無事にやっているのかと、少し心配だった。  そんなある日、知らせが来た。僕の屋敷はすでに取り壊されることが決まっていて、僕がしていた結界の魔法の管理は、他の貴族が受け継ぐのだと。  は? 一方的にも程がある。  その直後、あの王子は僕の前に現れた。何と思えば、僕を王城に連れて行くと言う。王族の会議で決まったらしい。  舐めるな。そんな話、勝手に進めるな。  貴族たちの間では、みくびられたら終わりだ。  腕を組んでその男を睨みつける僕は、近づいてくる王子のことが憎らしい反面、見違えるほど楽しそうで、従者からも敬われていて、こんな時だと言うのに、嬉しかった。  だが、それとこれとは話が別だ! 僕を甘く見るなよ。僕にはこれから、やりたいことがたくさんある。  僕は、屋敷で働いてくれていたみんなを知り合いの魔法使いに預け、王族と、それに纏わり付いて甘い汁を吸う貴族たちと戦うことを決意した。  手始めに……  王族など、僕が追い返してやろう!  そう思って対峙したはずなのに、僕を連れ出した王子は、なんだか様子がおかしい。「この馬車は気に入ってもらえなかったか?」だの、「酒は何が好きだ?」だの……それは今、関係ないだろう……それに、少し距離が近すぎるぞ。そうか、喧嘩がしたいのか。おい、待て。なぜ手を握るんだ? あまり近づくな!! 僕は距離を詰められるのがどうしようもなく嫌いなんだぞ!

気絶したと思ったら闇落ち神様にお持ち帰りされていた

ミクリ21 (新)
BL
闇落ち神様に攫われた主人公の話。

魔王に転生したら幼馴染が勇者になって僕を倒しに来ました。

なつか
BL
ある日、目を開けると魔王になっていた。 この世界の魔王は必ずいつか勇者に倒されるらしい。でも、争いごとは嫌いだし、平和に暮らしたい! そう思って魔界作りをがんばっていたのに、突然やってきた勇者にあっさりと敗北。 死ぬ直前に過去を思い出して、勇者が大好きだった幼馴染だったことに気が付いたけど、もうどうしようもない。 次、生まれ変わるとしたらもう魔王は嫌だな、と思いながら再び目を覚ますと、なぜかベッドにつながれていた――。 6話完結の短編です。前半は受けの魔王視点。後半は攻めの勇者視点。 性描写は最終話のみに入ります。 ※注意 ・攻めは過去に女性と関係を持っていますが、詳細な描写はありません。 ・多少の流血表現があるため、「残酷な描写あり」タグを保険としてつけています。

いつも役立たずで迷惑だと言われてきた僕、ちょっとヤンデレな魔法使いに執着された。嫉妬? 独占? そんなことより二人で気ままに過ごしたいです!

迷路を跳ぶ狐
BL
 貴族の落ちこぼれの魔法使いの僕は、精霊族の魔法使いとして領主様の城で働いてきた。  だけど、僕はもともと魔力なんてあんまりないし、魔法も苦手で失敗ばかり。そんな僕は、どうも人をイラつかせるらしい。わざとやってるのか! と、怒鳴られることも多かった。  ある日僕は使用人に命じられて働く最中、魔力が大好きらしい魔法使いに出会った。たまに驚くようなこともするけど、僕は彼と話すのは楽しかった。  そんな毎日を過ごしていたら、城に別の魔法使いが迎えられることになり、領主様は僕のことはもういらなくなったらしい。売ろうとしたようだが、無能と噂の僕に金を出す貴族はいなくて、処刑しようなんて考えていたようだ。なんだよそれ!! そんなの絶対に嫌だぞ!!  だけど、僕に拒否する権利なんてないし、命じられたら死ぬしかない……  怯える僕を助けてくれたのが、あの魔法使いだった。領主様の前で金を積み上げ、「魔法なら、俺がうまく使えるようにしてあげる。他にも条件があるなら飲むから、それ、ちょうだい」って言ったらしい。よく分からないが、精霊族の魔力が欲しかったのか??  そんなわけで、僕は、その魔法使いの屋敷に連れてこられた。「これからたくさん弄ぶね」って言われたけど、どういう意味なんだろう……それに僕、もしかしてこの人のこと、好き……なんじゃないかな……

側仕えに選ばれた少年は、伴侶として愛される

すいかちゃん
BL
家紋を持たず生まれたため、家族に疎まれて育った真人(まなと)。そんな真人の元に、貴梨家から側仕えの話がくる。自分を必要としてくれる存在に、真人は躊躇いながらも了承する。 貴梨家に着いた真人は、当主である貴梨隆成から思いがけない事実を知らされる。最初は隆成を拒む真人。だが、「愛している」と真摯に告白されその身を委ねた。 第一話 「望まれる喜び」では、家族に冷たくされている真人が側仕えに選ばれるまでが描かれています。 第二話 「すれ違う心と身体」 抱かれる事に不安を覚える真人。そんな真人に焦れた隆成は、強引に…。 第三話 「重なる心と身体」 花火大会の夜。隆成と真人は、伴侶として1つになる。 第四話 「譲れない想い」 除籍のために梅咲家へ戻った真人。が、父親によって桐野と共に囚われてしまい…。 第五話 「愛を誓う夜」 王宮に挨拶に行く真人。 その夜。隆成から改めてプロポーズされる。 第6話 「生真面目な秘書は、苦手だった男の腕に甘く抱かれる」 隆成の秘書である桐野と、普段はお調子者の拓磨の話となっています。

干された小説家の俺、人気作家のハウスキーパーになり、頭を抱えさせる。恋愛的な意味で。

猫宮乾
BL
 小説家として干された俺(砂原)は、編集の紹介で、人気作家の行永の家でハウスキーパーの仕事をすることに。なし崩しで体の関係になったのだが、行永の亡くなった妻の息子である青真が「父さんはよく愛人を連れ込むから」という。そうか、俺は愛人だったのか、と、納得する。※若干ゲスクズチャラ男よりの攻めが、流されやすいけれど肝心なところでは流されない真面目な受けに、愛情を信じてもらえず頭を抱えるお話です。

処理中です...