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戦い方
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俺と晴臣さんは庭に出てお互いに木刀を持つ。
晴臣さんが提案したのは手合わせだった。都の外にいた俺の実力を知りたいというものである。子供だったあのときとは違い、力も身長もあるので前よりは晴臣さんと打ち合いが出来るだろう。
「大分前の話ですが、覚えてますか? 若君が暴走したときに訓練しようって話」
「あ、はい」
結局、色々あって訓練はそれっきり。今は、久遠も自分の力を制御できているし、俺もそれなりに力を得たのでその心配はない、と思う。
あの話で印象に残ったのは、俺が多少の傷はすぐに治るからと片腕を捨てようとしたことだ。あの後に、叢雲さんたちと出会って自分が傷つくことで大事な人が心配するということを学んだ。
やり直しの前で、俺を心配するような人はあまりいなかったからついつい自分の少しの犠牲で誰かが助かるならという考えが強かった。
今では、あのとき晴臣さんが言って心配していたのがよく分かる。
「もう、大丈夫です」
「それは良かった。結局、貴方には何も教えられず……」
「そんなことありませんよ! 俺は晴臣さんにそう言われて自分の戦い方を省みる事が出来ました」
「そう言っていただけると心が晴れますね」
そう言って晴臣さんが構える。俺も足を軽く広げて木刀を両手でしっかり持って構えた。
「それじゃあ、二人とも無理すんなよ」
審判は九郎だ。久遠たちは見学である。
九郎には、俺が黒狗として指名されたときの軽い打ち合いでも審判をして貰った記憶がある。こういう立ち会いに慣れているのだろう。多分。
「―――始め!」
九郎の声が聞こえるや否やお互いすぐに地面を蹴る。読み合いだの、牽制だので相手の攻撃を待つ事はない。晴臣さんの実力を分かっているのだから、後手に回る方が不利になる。その考えは恐らく彼も同じだ。だから瞬時に近寄りがんっと重い音が響き渡る。交じり合った木刀を晴臣さんの方に押し返そうと力を込めるとすぐに晴臣さんが弾いた。子供の頃だったらまだしも、大人になった俺と力比べをするのは不利だと瞬時に悟ったようだ。流石である。
―――と、足首に衝撃が走り視界が回った。
足払い!
ぐらりと体勢を崩してしまう。
「そこ!」
「―――っ!!」
晴臣さんの鋭い突き攻撃が繰り出される。持っている木刀でそれを弾き、地面に手をついて一回転。そして一度大きく後ろに下がった後に地面を蹴って跳んだ。そして上から下に木刀を素早く下ろす。晴臣さんがそれを受け止めた。それを予想していたので、ぐっと力をかけた。晴臣さんが踏ん張ってもう一つの手を木刀にかけて押し返そうとし、はっとした。しかし、もう遅い。
「ふっ!」
「くっ!」
ぐるんっと身体を軽くひねって晴臣さんの横っ面に蹴りを入れる。両手が使えず、よけられないので晴臣さんはその攻撃をもろに食らう。俺は追撃を繰り出すために地面を踏み出した。
それを予想して、晴臣さんが衝撃を受けながらも切っ先をこちらに向ける。顔をそらしてその切っ先をよけ、怯むことなく攻撃を仕掛けようとしたが……。
「―――そこまで!!」
九郎の声が響き渡った。ぴたりとお互い動きを止める。晴臣さんの木刀が俺の首元に、同じく俺の木刀も晴臣さんの首にかかっていた。
「いや、蹴りすごすぎ。切り返しもやばいし……。というか、晴兄、若くないんだから無茶すんなよな~」
「ふふ、しーちゃんが本気で挑んでくれたということですよ」
「晴臣さんも、本気で挑んでくれたようで……」
お互いに真剣だったら確実に血を見ていただろう。少しの打撲で済んで良かった。
緊張感があって、少しでも油断したらやられていた。ふうっと息を吐いて緊張を緩めるとふわりと晴臣さんが笑みを浮かべる。
「足は大丈夫ですか?」
「あ、だ、大丈夫です!」
「それなら良かった。でも一応見て貰ってくださいね」
「はい!」
晴臣さんのすごいところはこの切り替えの早さだ。
いつでもどこでも刀を抜き、相手をすぐに制圧出来るのは並大抵の人間には出来ないだろう。切り替えの早さは、ここぞと言うときに勝敗を分ける。
例えば、親しい人が敵になってしまったとき。その場合に素早く相手に斬りかかれるかどうか。俺は仮に俺の友達が敵になってしまったら動揺してしまう。
「あ、晴臣さんも、顔は……」
「平気ですよ」
「んなわけあるか! 誰か! 冷やした手ぬぐい持ってきて!」
「大丈夫ですよ~」
「晴兄の大丈夫は当てにならないから!」
そう言って晴臣さんは九郎に引っ張られていった。俺はそれを見送りつつ、軽く足首を回す。もう違和感は何もないので治ったようだ。最近になってまた回復の速度が上がったようですぐに動ける。
この傷は雫さんの法術に頼らなくても治るようだ。
それにしても、この力をただ便利な能力だと思っていた俺なのだが、俺以外にも傷の治りが異常に早い人がいるのだろうか。法術が使えないということが条件だったら、この都に住んでいるほとんどの人がそうだ。それとも七宝の血筋だから?
もし、俺のような力を持った人物がいて、それが敵だったらと考えるとぞっとする。
しかし、そんな事態になったら殺さなければいけないだろう。ためらったらこっちがやられる。
「静紀」
「あ、くお、ん!?」
その場で立ったままでいた俺に観戦していた久遠が駆け寄ってきた。なんだか、少し怒っているようで俺を軽々と抱えると足早に縁側の方に移動する。
俺の傷を心配しているのだと思って慌ててこういった。
「俺は平気だから、ほら、すぐに治ったし!」
「そうかもしれないけど、ちゃんと見ないと僕は心配」
久遠がそう言って跪いて俺の足首を確認する。彼の触診がくすぐったくて少し笑うとむすっとした表情で久遠が俺を見上げた。
「静紀は自分の力を少し過信しすぎ」
「そんなことないよ。晴臣さんにも言われてちゃぁんと自重してます」
「嘘だ」
「ほんとだって。ね? なんともないでしょ?」
「確かにそうだけど……」
俺がそう言うと、久遠が唇をとがらせてそう答える。それに俺は再び笑ってしまうと久遠がこてんと俺の膝に頭を置いた。
「どんな相手でも、やっぱり静紀を傷つける人は許せないし、怪我したら心配しちゃうんだもん。ただの手合わせだって分かってるけど……」
「うん、心配してくれてありがとう」
久遠の柔らかい髪を撫でる。暫く撫でられていると久遠は満足したのかうんっと一度頷いて顔を上げた。そして俺の隣に座る。
「ところで、戦い方変えた?」
「? そんなことないよ?」
最後の上から下に振り下ろす奴は黒狗としてお披露目されたときに恵比寿の当主と打ち合いしたときも使った。大して戦い方を変えたわけではないが、何か昔とは違う何かがあったのだろうか。
彼の言葉に昔のことを思い出すと久遠は困ったように「ん~っ」と声を出す。
「まあ、木刀だったからかもしれないけど、その、片手で持つことの方が多くなかった……?」
「……ああ」
久遠にそう言われて確かに、両手で構えていた事を思い出す。大太刀なので長さもあるし、重みもあるので必然と上から下に振り下ろしてたたっ切る事が多かった。本来は両手で構えるところを俺は持ち前の馬鹿力で片手だけで持っていた事が多かった。というより、ほとんどがそうだったかもしれない。どうにも片手を空けてもしもの時に横っ面をぶん殴ろうという気持ちがあったからだ。何度も言うが力はあるので軽い殴りも相手にとっては重い攻撃になるのである。少しでも生存率を上げようと俺は必死だったのだ。それが戦い方に現れていたのだろう。意識は全くしていなかったので言われて気づいた。
「確かにそうかも!」
「誰かに教わったとか?」
「え? そんなことはしてない、けど……」
「けど?」
自分の手を軽く握ってみたり開いてみたりとしてじっと見つめる。そこで、そういえば刀を握って戦っていたような夢を思い出して変な切り方になる。するとそれに久遠が食いついて少し身体を寄せて近づいてきた。思わず引け腰になる。
「い、いや、夢で刀を握ったような気がしただけだよ。ただの夢の話だから関係ないと思う」
「……その夢って、どれくらいの頻度で見る?」
「え……? ど、どうだろ? あんまり意識してないし、覚えていないことも多いから……」
「……そっか! 変なこと聞いてごめんね?」
「ううん。それよりも、俺の戦い方の違いについて気づいてくれてありがとう。鍛錬の時に参考にするよ」
久遠に見て貰わなかったら気づかなかった。
でも変だな。そうだったら、今まで何で気づかなかったんだろ。叢雲さんと雫さんと一緒にいたんだから二人のうち、少なくとも叢雲さんは気づいたのではないだろうか。
あまり気づかない変化だった?久遠が鋭いだけ?
とりあえず、後で叢雲さんに聞いてみよう。もしかしたら、気づいていて言わなかっただけかもしれないし!
「どういたしまして。静紀のことなら何でも気づきたいからね、僕は」
「ありがとう。俺も久遠のこといっぱい気づけるように頑張るね!」
「うん!」
そう言って俺たちはお互いに笑い合ったのだった。
晴臣さんが提案したのは手合わせだった。都の外にいた俺の実力を知りたいというものである。子供だったあのときとは違い、力も身長もあるので前よりは晴臣さんと打ち合いが出来るだろう。
「大分前の話ですが、覚えてますか? 若君が暴走したときに訓練しようって話」
「あ、はい」
結局、色々あって訓練はそれっきり。今は、久遠も自分の力を制御できているし、俺もそれなりに力を得たのでその心配はない、と思う。
あの話で印象に残ったのは、俺が多少の傷はすぐに治るからと片腕を捨てようとしたことだ。あの後に、叢雲さんたちと出会って自分が傷つくことで大事な人が心配するということを学んだ。
やり直しの前で、俺を心配するような人はあまりいなかったからついつい自分の少しの犠牲で誰かが助かるならという考えが強かった。
今では、あのとき晴臣さんが言って心配していたのがよく分かる。
「もう、大丈夫です」
「それは良かった。結局、貴方には何も教えられず……」
「そんなことありませんよ! 俺は晴臣さんにそう言われて自分の戦い方を省みる事が出来ました」
「そう言っていただけると心が晴れますね」
そう言って晴臣さんが構える。俺も足を軽く広げて木刀を両手でしっかり持って構えた。
「それじゃあ、二人とも無理すんなよ」
審判は九郎だ。久遠たちは見学である。
九郎には、俺が黒狗として指名されたときの軽い打ち合いでも審判をして貰った記憶がある。こういう立ち会いに慣れているのだろう。多分。
「―――始め!」
九郎の声が聞こえるや否やお互いすぐに地面を蹴る。読み合いだの、牽制だので相手の攻撃を待つ事はない。晴臣さんの実力を分かっているのだから、後手に回る方が不利になる。その考えは恐らく彼も同じだ。だから瞬時に近寄りがんっと重い音が響き渡る。交じり合った木刀を晴臣さんの方に押し返そうと力を込めるとすぐに晴臣さんが弾いた。子供の頃だったらまだしも、大人になった俺と力比べをするのは不利だと瞬時に悟ったようだ。流石である。
―――と、足首に衝撃が走り視界が回った。
足払い!
ぐらりと体勢を崩してしまう。
「そこ!」
「―――っ!!」
晴臣さんの鋭い突き攻撃が繰り出される。持っている木刀でそれを弾き、地面に手をついて一回転。そして一度大きく後ろに下がった後に地面を蹴って跳んだ。そして上から下に木刀を素早く下ろす。晴臣さんがそれを受け止めた。それを予想していたので、ぐっと力をかけた。晴臣さんが踏ん張ってもう一つの手を木刀にかけて押し返そうとし、はっとした。しかし、もう遅い。
「ふっ!」
「くっ!」
ぐるんっと身体を軽くひねって晴臣さんの横っ面に蹴りを入れる。両手が使えず、よけられないので晴臣さんはその攻撃をもろに食らう。俺は追撃を繰り出すために地面を踏み出した。
それを予想して、晴臣さんが衝撃を受けながらも切っ先をこちらに向ける。顔をそらしてその切っ先をよけ、怯むことなく攻撃を仕掛けようとしたが……。
「―――そこまで!!」
九郎の声が響き渡った。ぴたりとお互い動きを止める。晴臣さんの木刀が俺の首元に、同じく俺の木刀も晴臣さんの首にかかっていた。
「いや、蹴りすごすぎ。切り返しもやばいし……。というか、晴兄、若くないんだから無茶すんなよな~」
「ふふ、しーちゃんが本気で挑んでくれたということですよ」
「晴臣さんも、本気で挑んでくれたようで……」
お互いに真剣だったら確実に血を見ていただろう。少しの打撲で済んで良かった。
緊張感があって、少しでも油断したらやられていた。ふうっと息を吐いて緊張を緩めるとふわりと晴臣さんが笑みを浮かべる。
「足は大丈夫ですか?」
「あ、だ、大丈夫です!」
「それなら良かった。でも一応見て貰ってくださいね」
「はい!」
晴臣さんのすごいところはこの切り替えの早さだ。
いつでもどこでも刀を抜き、相手をすぐに制圧出来るのは並大抵の人間には出来ないだろう。切り替えの早さは、ここぞと言うときに勝敗を分ける。
例えば、親しい人が敵になってしまったとき。その場合に素早く相手に斬りかかれるかどうか。俺は仮に俺の友達が敵になってしまったら動揺してしまう。
「あ、晴臣さんも、顔は……」
「平気ですよ」
「んなわけあるか! 誰か! 冷やした手ぬぐい持ってきて!」
「大丈夫ですよ~」
「晴兄の大丈夫は当てにならないから!」
そう言って晴臣さんは九郎に引っ張られていった。俺はそれを見送りつつ、軽く足首を回す。もう違和感は何もないので治ったようだ。最近になってまた回復の速度が上がったようですぐに動ける。
この傷は雫さんの法術に頼らなくても治るようだ。
それにしても、この力をただ便利な能力だと思っていた俺なのだが、俺以外にも傷の治りが異常に早い人がいるのだろうか。法術が使えないということが条件だったら、この都に住んでいるほとんどの人がそうだ。それとも七宝の血筋だから?
もし、俺のような力を持った人物がいて、それが敵だったらと考えるとぞっとする。
しかし、そんな事態になったら殺さなければいけないだろう。ためらったらこっちがやられる。
「静紀」
「あ、くお、ん!?」
その場で立ったままでいた俺に観戦していた久遠が駆け寄ってきた。なんだか、少し怒っているようで俺を軽々と抱えると足早に縁側の方に移動する。
俺の傷を心配しているのだと思って慌ててこういった。
「俺は平気だから、ほら、すぐに治ったし!」
「そうかもしれないけど、ちゃんと見ないと僕は心配」
久遠がそう言って跪いて俺の足首を確認する。彼の触診がくすぐったくて少し笑うとむすっとした表情で久遠が俺を見上げた。
「静紀は自分の力を少し過信しすぎ」
「そんなことないよ。晴臣さんにも言われてちゃぁんと自重してます」
「嘘だ」
「ほんとだって。ね? なんともないでしょ?」
「確かにそうだけど……」
俺がそう言うと、久遠が唇をとがらせてそう答える。それに俺は再び笑ってしまうと久遠がこてんと俺の膝に頭を置いた。
「どんな相手でも、やっぱり静紀を傷つける人は許せないし、怪我したら心配しちゃうんだもん。ただの手合わせだって分かってるけど……」
「うん、心配してくれてありがとう」
久遠の柔らかい髪を撫でる。暫く撫でられていると久遠は満足したのかうんっと一度頷いて顔を上げた。そして俺の隣に座る。
「ところで、戦い方変えた?」
「? そんなことないよ?」
最後の上から下に振り下ろす奴は黒狗としてお披露目されたときに恵比寿の当主と打ち合いしたときも使った。大して戦い方を変えたわけではないが、何か昔とは違う何かがあったのだろうか。
彼の言葉に昔のことを思い出すと久遠は困ったように「ん~っ」と声を出す。
「まあ、木刀だったからかもしれないけど、その、片手で持つことの方が多くなかった……?」
「……ああ」
久遠にそう言われて確かに、両手で構えていた事を思い出す。大太刀なので長さもあるし、重みもあるので必然と上から下に振り下ろしてたたっ切る事が多かった。本来は両手で構えるところを俺は持ち前の馬鹿力で片手だけで持っていた事が多かった。というより、ほとんどがそうだったかもしれない。どうにも片手を空けてもしもの時に横っ面をぶん殴ろうという気持ちがあったからだ。何度も言うが力はあるので軽い殴りも相手にとっては重い攻撃になるのである。少しでも生存率を上げようと俺は必死だったのだ。それが戦い方に現れていたのだろう。意識は全くしていなかったので言われて気づいた。
「確かにそうかも!」
「誰かに教わったとか?」
「え? そんなことはしてない、けど……」
「けど?」
自分の手を軽く握ってみたり開いてみたりとしてじっと見つめる。そこで、そういえば刀を握って戦っていたような夢を思い出して変な切り方になる。するとそれに久遠が食いついて少し身体を寄せて近づいてきた。思わず引け腰になる。
「い、いや、夢で刀を握ったような気がしただけだよ。ただの夢の話だから関係ないと思う」
「……その夢って、どれくらいの頻度で見る?」
「え……? ど、どうだろ? あんまり意識してないし、覚えていないことも多いから……」
「……そっか! 変なこと聞いてごめんね?」
「ううん。それよりも、俺の戦い方の違いについて気づいてくれてありがとう。鍛錬の時に参考にするよ」
久遠に見て貰わなかったら気づかなかった。
でも変だな。そうだったら、今まで何で気づかなかったんだろ。叢雲さんと雫さんと一緒にいたんだから二人のうち、少なくとも叢雲さんは気づいたのではないだろうか。
あまり気づかない変化だった?久遠が鋭いだけ?
とりあえず、後で叢雲さんに聞いてみよう。もしかしたら、気づいていて言わなかっただけかもしれないし!
「どういたしまして。静紀のことなら何でも気づきたいからね、僕は」
「ありがとう。俺も久遠のこといっぱい気づけるように頑張るね!」
「うん!」
そう言って俺たちはお互いに笑い合ったのだった。
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