逃げた先で見つけた幸せはずっと一緒に。

しゃーりん

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ローレンスはオリオールから逃げた理由を辺境伯たちに話した。


初夜に強い酒と睡眠薬を飲ませて眠らせておいて、初夜はあったと妻に嘘をつかれたこと。

一人で寝たいから寝室は別で、妊娠しやすい時期だけ閨事をすると言った妻が弟レナウンと毎晩一緒に過ごしていると知ったこと。
 
弟の子を妊娠してローレンスの子だと偽るつもりであったこと。

妻が妊娠すれば、事故にみせかけてローレンスを始末するつもりでいたこと。

その時点で妻が妊娠しているかどうかはわからなかったが、妊娠していれば始末されるのは近いと思ってその日のうちに逃げたこと。

 
「物心ついた頃から父から殴られたり蹴られてりしていました。義母からは暴言を。弟も父の真似をしてよく暴力を振るってきました。祖父母は外面のいい父と義母を信用しきっていて、僕が何度か父たちの所業を訴えた時もお前は嘘つきだと信じてくれませんでした。」

「君はオリオールの唯一の跡継ぎだろう?君がいなければ奴らはオリオールの恩恵にはあずかれない。君は食事も満足に与えられていなかったのか?」

「スープとパンだけでした。わずかな栄養が全て身長に持っていかれて気味悪がられていました。それでも学園に入ってからは食堂があったので昼だけはまともに食べられました。」
 

食堂での昼食はタダだった。学費に組み込まれていたのだ。
それで少しはマシになった。


「卒業すれば、オリオール侯爵になれたはずだ。なのに継承しなかったのは?」

「僕が侯爵になるにはまだ半人前だからと父が国王陛下に上申したようです。一人前になるまで自分が代理を務めると。卒業半年後に結婚しても父は一人前と認めませんでした。12歳から執務の大半は僕がしていたのですが。」

「半人前でも自分が侯爵だと押し切らなかったのか?」

「どこにどう訴えればいいのかわかりませんでした。卒業後は屋敷からも出れなくなって。
学生時代にも虐待を訴えるべきだと言ってくれた同級生がいましたが、卒業すればどうにかなると思っていました。でも、そうはならなかった。しかも、相談するにも連絡を取れる友人もいなかった。
卒業すれば、結婚すれば、子供ができれば、と希望を持ちながら暮らしていましたが、弟の子にオリオールを継がせて乗っ取る気だと知ったとき、どうでもよくなったんです。
でも、アイツらの希望通りに死ぬのはごめんで逃げました。」 

「なるほどな。君が危機感が薄かったのはオリオールは自分が継ぐものだと自覚していたからだな。殺されることはないとわかっていたからだ。だから、救いの手を求めようとは考えられなかったんだな。
そして父親たちが鬼畜だったのと、前侯爵夫妻の怠慢、周りの大人たちの無関心さが原因で引き起こされた事態なのだと私は思う。」


辺境伯様はローレンスが逃げたことは父親たちだけのせいではないと思っているらしい。 
 
 

 
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