やる気が出る3つの DADA

ダチュラの秘密⇔秘密のダチュラ⇔冗談は顔だけにして

「冗談は顔だけにして」
　倉橋は怒鳴った。
　このまま、アクションスターのように、梯子で吊るされながら、中国大陸の上空を移動しろとでもいうのだろうか？
（俺は、弾道ミサイルではない）
（俺は、弾道ミサイルではない）
（俺は、弾道ミサイルではない）
　倉橋は、首を何度も振った。

（いい加減してくれ）
　防護服の男に文句を言おうとする。
　だが、ヘリコプターの騒音のせいで、もはや何も聞こえない。
　聞こえないのを承知で、
「ふざけんな。俺にジャッキーチェンか、ブルースリーになれとでも言うのかっ」　
　さらに
「だから、中国人は‥‥‥‥」
　倉橋は、言葉を飲み込んだ。
　飲み込んで正解である。
　すぐに
「全て、聴こえていますよ」あの男の声がした。
「どういうこと？」
　倉橋が驚く。
　仕組みが分かる。なんと、梯子の先端に、小型マイクとスピーカーが取り付けられていた。
　倉橋は
「なぜ、こんなことするんだ？」マイクに向かって声を荒げる。
「‥‥‥」
「答えろよ」倉橋が食い下がる。
　そのうち
「わかりました。答えは、1つ‥‥‥」
「―――」
「つまり、ダチュラを撒いたのが‥‥‥」
　
「‥‥‥ダチュラを撒いたのが、アナタのお兄さんだからです」