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奈央くんと瑞希さんのその後
奈央くんと瑞希さんのその後③※
しおりを挟む──運転する瑞希の横顔に奈央がポーッと見惚れながら、瑞希の家に到着したあと。
なだれ込むように玄関に入るや否や二人は熱い口づけを交わし、寝室まで点々と続く脱ぎ散らかした服を残しては、ベッドの上で互いの体を貪っていた。
「ああっ、あっ、あんっ、みずきさ、あっ」
「っ、は、なお……、ん、」
「あぁっ!? や、や、だめぇ、そんなとこ、きたなっ、い、」
「……奈央は全部綺麗だよ」
裸で横たわる奈央の体を愛撫していた瑞希が頭を下げ、奈央の小振りで可愛らしい桃色の陰茎を握り、滴る透明な雫を舐めとる。
その直接的な刺激に奈央は目を見開き、喘ぎ声を散らしては太股をぶるぶると震わせた。
そのまま奈央の開かれた足の間に顔を埋め、瑞希が奈央の陰茎をぱくりと口に含む。
温かくぬるついた咥内の感触は腰が溶けてしまいそうなほど気持ち良く、奈央は目尻に涙を滲ませ、足の指先を丸めてはシーツに波を立たせた。
「あっ、あぁ、あっ」
「ん、……ん、」
奈央の先走りを吸っては舐める瑞希の口から、ぐちゅぐちゅと漏れ出る音。
それがひどく恥ずかしいのに、それにですら興奮した奈央が無意識に快感を追おうと腰をかくかくと動かせば、瑞希はもっと深く咥えこみながら口を窄めた。
「あっ! あ、は、ぁっ、だ、め、みずきさっ、も、いっちゃうよぉっ」
堪らず、太股で瑞希の頭をぎゅううと締め付ける奈央が、もうだめ。と叫ぶ。
その艶やかな声に瑞希の腰もズクンと重くなりながら、イッて良いよ。と言うようにぐぷぷっと喉奥まで咥えてはじゅぷじゅぷと唾液を含ませ吸い上げれば、奈央は全身をビクビクと震わせながら呆気なく精液を溢した。
「ひっ、ぅっ、ぁ──……」
か細く、しかし悲鳴のような声をあげた奈央が顎を上げながら絶頂し、目の前で星を見る。
突き抜ける快感に口の端から少しだけ唾液をたらりと垂らした奈央だったが、瑞希が全て吸い出そうとじゅうじゅうと先端を吸う刺激に目を見開き、やだやだと頭を振った。
「みずき、さっ、や、すっちゃやぁっ……!」
イッたばかりの陰茎を尚も口で扱かれる強すぎる刺激に、奈央が足をぶるぶると痙攣させる。
そんな奈央に瑞希は最後の最後まで綺麗に吸いとったあと、ゴクンと喉を鳴らし飲み込んでは眉を下げ笑った。
「……ごめんね、可愛くてつい……」
だなんて言いながら、薄ピンク色の唇に残った精液を親指の腹で拭い舐め、はぁ……。と熱い息を漏らす瑞希。
その仕草があまりにも魅惑的で、奈央は精液を飲まれてしまった恥ずかしさと瑞希の格好良さどちらともにも顔を真っ赤にしつつ、はぁはぁと未だ少しだけ上がる息のまま、口を開いた。
「うぅ~ッ……、みずきさん、すきぃ……」
「俺も大好きだよ」
シーツにくたりと沈んでいた奈央の上に瑞希がのそりと乗り上げれば、すかさずすぐに首に腕を回した奈央が、ちゅうしたいです。と唇を突き出す。
そのふっくらと膨らんだ赤く艶々と輝く奈央の豪華な唇に誘われるよう、瑞希は微笑んだまま奈央の唇を塞いだ。
「んっ、……んっ、」
瑞希の口の中は先程出してしまった精液の味がして恥ずかしかったが、それでも大好きな瑞希の舌とぐちゅぐちゅと絡まる感覚が気持ち良く、ゾクゾクと背筋を走る快感に奈央はとろんとした表情のまま、瑞希の舌を一生懸命ちうちうと吸った。
「んっ、む、みずきさ、すきぃ、は、ん、」
唇の隙間から漏れる奈央の声はまたしてもすっかり熱を帯び、瑞希の大きな掌が体の線をなぞり撫でる度、チリチリと快楽に火が付いてゆく。
開かれた奈央の柔らかく真っ白な太股の間に瑞希の手が入り込み、未だ一度も触れられていない奈央の蕾はしかしもうしとどに濡れシーツに染みを作っていて。
浅ましくきゅうきゅうと蕾が収縮しては瑞希を欲しがり、奈央は堪らず腰をモゾモゾと動かしたが、その時瑞希の硬く熱く猛った陰茎が太股に当たる感触がし、息を飲んだ。
「ふぁ、ん、……ぁ、みずきさ、ん、ま……、まって、」
「……ん、どうしたの?」
キスを中断し、息を乱しながら待ってと呟く奈央に、ちゅっと名残惜しげに唇を離した瑞希が首を傾げる。
しかしそれから奈央の頬やこめかみに口付けながら、微笑んだ。
「疲れた? 終わりにしようか」
愛しげに奈央の髪の毛にキスをした瑞希が終わりにしようかと微笑むが、奈央はそうじゃなくてと慌てて首を振った。
「ちがっ、えっちしたいです!」
「俺は奈央が気持ち良くなってくれたり満足してくれたら嬉しいし、何も気にしなくて良いんだよ」
奈央が申し訳ないからそう言っていると思ったのか、途端に顔を引き締め、そんな事気にしないで欲しい。と瑞希が真剣な表情をする。
それはきっと、オメガがアルファに気持ち良くしてもらうのはその後セックスする為であり、そしてオメガはアルファを喜ばせる為にセックスをする。等と世間一般のアルファが考えている事を、瑞希も知っているからだろう。
だからこそ、そんなのは間違ってるしそんな考えは反吐が出る。と言わんばかりに顔を歪ませている瑞希に、奈央は胸を締め付けられるほどの愛を感じながら、微笑んだ。
「……瑞希さん、愛してます」
「俺も愛してるよ」
「あのね、瑞希さん、俺はしたくない事はしないしやりたくない事はやらないって事、知ってて欲しいんですけど、俺は本当に瑞希さんといつだってえっちしたいです。それと、待ってって言ったのは俺も瑞希さんを気持ち良くしたいからですけど、それも本当に瑞希さんだから心からしたいと思って言ってるだけです」
だから瑞希さんの方こそ変に気遣わないで。と奈央がふわりと微笑めば、瑞希が一度瞬きをしたあと、それからふにゃりと頬を弛める。
その笑顔が可愛らしく、奈央はキュンキュンと胸をときめかせ、瑞希に抱きついた。
「瑞希さん、可愛い! 大好き!!」
ぎゅううぅ。と腕に力を込め、どうしてこんなに可愛いんだ! と言わんばかりに奈央が叫ぶ。
その声に瑞希が更に笑い、しかし奈央をぎゅっと優しく抱き締め返した。
「奈央、大好きだよ」
「ふふ、俺も大好きです。瑞希さん、今度は俺にさせてください」
ぎゅぎゅむと抱き合い、微笑み合う二人。
それから奈央が瑞希の頬にちゅっちゅっとキスをしながら言えば、瑞希は少しだけ気恥ずかしそうにしながらも口を開いた。
「……無理はしないでね?」
「はい!」
キラキラとした笑顔を浮かべた奈央が、勢い良く頷く。
それがひどく愛らしく、今からしようとしている行為にそぐわぬその笑顔に瑞希はやはり気恥ずかしそうにしながらも、微笑み返した。
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