上 下
115 / 127
北方の地へ

1

しおりを挟む
 ウィリエール様は国王のお子であるのと同時に、魔獣の系譜を引いていらっしゃる。
 ウィリエール様のお母様は王宮の空気に耐えられずに、魔獣が暮らすと聞く北方の地に逃げ帰ってしまったらしい。

 北方の地はケセラスルン国から向かえばすぐに樹海が広がり、迷宮の森と言われていた。その先に進むのは非常に困難を極めるために未開の地とされており、ケセラスルン国の者の多くはその実態を知らない。
 ウィリエール様ご自身もまた、何ご存知ないようだ。

「お母様は、物見遊山でケセラスルン国に遊びに出かけたところで、お父様に見初められたらしい。そのまま側室として迎え入れられたけれど、一年と経たずに逃げ出してしまっているんだよ」
 とウィリエール様はおっしゃる。

 ウィリエール様の身を案じ、お母様が残していった使い魔が世話係になっていたようだ。

 護衛の役目をする攻撃派のラドルの他に、白鳥のような姿をとるお世話係のシュラン、情報収集能力にたけどこにでも忍び込む軟体生物のようなスクウィーンなど、ウィリエール様の生活の助けになる使い魔がいるようだった。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

欲しいのは惚れ薬、私が飲むんです

恋愛 / 完結 24h.ポイント:1,540pt お気に入り:13

時代小説の愉しみ

歴史・時代 / 連載中 24h.ポイント:660pt お気に入り:3

オナニーしたら異世界転移して戦闘能力がチートな件

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:28

【R18】体に100の性器を持つ女

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:333pt お気に入り:2

処理中です...