【完結】end roll.〜あなたの最期に、俺はいましたか〜

みやの

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第7章

#1

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 カオリさんからメッセージが入っていたのに気がついたのは、バイトが終わってエプロンを脱ぎ上着を羽織った時だった。
 
 スマホを片手で開き、チャットを見れば『次の要くんの休みの日、買い物手伝ってくれない?』とのことだった。

 どうやら周藤は工期に追われて、育休を取るまで休みがなかなか取れない状況らしかった。
 
 俺は自分の休みをシフトで確認して、すぐカオリさんに返信をして、2日後に会うことになった。

(ってかなんなら……)

 俺は一度会話を終わらせたカオリさんとのチャットを開き直し、送り直した。

『買い物リスト送ってくれたら、カオリさんの家に行くまでに買ってから行きますよ』

 そう送れば、カオリさんからすぐ既読がつき、『え、ほんと!めっちゃ助かる~!』と素直な反応が返ってきて笑ってしまった。

 マスターが「なになに?彼氏?」と邪推してくるが「友人ですっ」と返して逃げるように「お疲れ様でした!」と裏口から退勤した。


 *


 怒涛の買い物リストをこなして両手が荷物でいっぱいになった時、ようやくカオリさんのミッションを全てこなせたことに気づく。

(お、終わったぁ……)

 まさかこんなに買い物が必要だとは。
 
 これはカオリさん一人じゃ無理だろうな、と思いながら荷物を持ち直して周藤家に向けて歩き出す。

 労働で体力をつけておいてよかった。

 カオリさんは予定日まであと一週間らしい。
 
 経過も良好のため、陣痛が来るまでとりあえず家で待機するという。

 周藤からもメッセージが来て『ごめん!カオリのこと頼む!』と言われたので『了解』と返して、今度は俺が二人に恩返しする番だ、と意気込んだ。

 荷物がいっぱいなので歩いていくよりタクシーの方が良いかと思い、タクシーを呼んで俺は再び周藤家に来ていた。

 

「カオリさーん、買い出し行ってきましたよー」

 周藤から預かっていた合鍵で玄関に入れば、カオリさんが大きいお腹を重そうに支えながら来た。

「あ、いいよ俺が運ぶから」
「ごめんねぇ、重かったでしょう」
「これくらい大丈夫だよ」

 そう笑って言えば、カオリさんはなんだか我が子を見るような慈愛の眼差しでこちらを見る。

「要くんが元気で私嬉しいな~」

 素直にそんなことを言われた照れる。
 俺は「その節は……」と耳が熱くなるのを感じて、慌てて荷物を持ち直し「これしまいましょう!」と誤魔化した。

 カオリさんにはバレているだろうけど、「ふふ、うん」と返事をしてくれた。
 
 二人で買ったものを仕分けして片していると、カオリさんが「あ」と言った。

「ごめん、要くん。買い物リストに入れ忘れた……」
「なんです?」

 カオリさんが持つスマホを一緒に覗き込めばそこには、薬局で買える使い捨てショーツの画像があった。

(これ俺に見せて平気なのかカオリさん……)

 俺も一応男だけど、と思いつつでもまあ、俺もオメガだし産める体だったら使ってたはずのものだよな、と思い直す。

「これ、薬局で買えるしもっかい行ってきますよ」
「え、でもさっき行ってくれたし流石に……」

 申し訳ないのかカオリさんは眉尻を下げて、どうしようかという顔をする。

 俺は「おっこらせ」と立ち上がって「それだけで大丈夫ですか?俺に買われるのが嫌だったら行かないけど……平気なら買ってきちゃうよ」と言えば、カオリさんはパッと顔を明るくして「ごめんねぇ、ありがとう~!」と笑顔で言った。

「じゃあ、私帰ってきたらすぐ食べられるように夕飯用意しておくね!」
 
「そんな、別に大丈夫ですよ」

 カオリさんは「いや作る!」と腕まくりしてやる気満々でいうので、笑って「期待してます」と返して再び玄関を出た。
 
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