🌟真理の扉

鏡子 (きょうこ)

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第98章 全ては偶然ではなく必然に起きること

勝者を守る為の情報撹乱

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ミステリー小説は、滅多に読まない。

ところで、ミステリー映画や、殺人事件を題材にしたテレビドラマは、視聴者の思考を撹乱させ、犯人が分からないよう様々な工夫をしている。


全ては、真犯人になかなか辿り着けないような仕掛けをする為だ。


これと、ほぼ同じような原理で、ルネッサンス芸術家列伝なる物語が存在し、wikipediaでは、レオ10世の死因を、下記のように伝える。



【1521年10月11日、ルターを非難したイングランド王ヘンリー8世に「信仰の擁護者」の称号を授けたが、後にヘンリー8世は離婚問題で教皇クレメンス7世と対立した果てにイングランド国教会を創設、皮肉にもプロテスタントの一派を形成していった。ただし、教義自体はカトリックとの共通点が多く、称号も後のイングランド王に代々受け継がれていった。

同年、45歳で急死。風邪をこじらせた、あるいはマラリアのためとされるが、毒殺説もある(1517年にも暗殺計画が発覚している)。また暴飲暴食が原因など様々な死因が伝えられているが、実際は病弱であった。】



他の人物の死因については、あまり追求されることが少ないのに、レオ10世に関しては、あれこれ書き過ぎることに違和感がある。



● 風邪をこじらせた?

● マラリアのため?

●  毒殺説もある

●  暴飲暴食が原因?

●  実際は病弱であった


〈結局、死因は分からない〉という、たったそれだけを言う為に、ここまで、のべつ幕なし死因を語るのは、かなり不自然だ。


犯人に繋がる何かを見つけられることを案じて、わざと色々な死因を書き立てているようにも感じる。


やはり、ミステリー映画さながらに、
情報撹乱の効果があることを
感じずにはいられない。



では、この件に関しても、事実を淡々と述べよう。


◎同盟軍は、フランスからミラノを奪い返した。

◎レオ10世は、戦いの勝利の報告を受けた翌日より、病床についた。


◎同盟軍、ミラノ奪還の2日後に、レオ10世は亡くなっている。



レオ10世の死は、イタリア戦争やフランスからのミラノ奪還に関連性があることを誰でも推理出来そうなものを…

歴史は勝者で作りあげられているから、勝者を守る記述になるのは致し方ないのである。



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