1,304 / 4,110
第110章 全ては、一つ
差別用語含む動植物名、見直し進む。
しおりを挟むアホウドリは、奥が深い。
こんな情報も見つけた。
※ 情報入手先
アホウドリ――優雅に飛んで長生き…なぜ「阿呆」? - ことばマガジン:朝日新聞デジタル
http://www.asahi.com/special/kotoba/
◇差別語含む動植物名、見直し進む
人間からの一方的な感覚で差別的な意味を含む名前が動植物につけられている例は多いです。「メクラ」「オシ」「イザリ」などが、魚類の標準和名に多く使用されてきました。
標準和名は、その種を示す日本語の統一的な名称で教科書や博物館などの展示にも使われます。日本魚類学会は「命名時に差別的な意図はなかったとしても、和名の利用者に対し、精神的に傷つけたり不快感をもたらしたりすることがある」として15年ほど前から、差別的な名前が含まれる標準和名の言い換えに取り組んできました。
イザリウオ
拡大ダイバーにも人気のカエルアンコウ=インドネシア
「名前を変えても差別はなくならない」「博物館など展示の現場で混乱する」などの反対意見も出ましたが、同学会は2007年2月、「バカ」「セムシ」なども含む九つの差別的な言葉を含む標準和名を言い換えようと提唱しました。
たとえばメクラウナギはホソヌタウナギ、オシザメはチヒロザメ、イザリウオはカエルアンコウになりました。
イザリウオは、足の不自由な人が手を使って歩く様子を例えたとされます。岩などに擬態し一見して魚に見えず、胸びれの変化した手(足?)で海底をちょこまか動く様子がダイバーに人気で、「イザリー」というあだ名で親しまれてきました。形態がカエルを連想させ、アンコウ目に属するなどの理由でカエルアンコウになったそうです。最近の雑誌やダイビングに関するホームページを見ても、カエルアンコウの名が広く定着しているようです。
◇個体増えれば改名の機運も?
アホウドリの名前はどうなるのでしょうか。日本鳥学会は一昨年、日本鳥類目録改訂第7版を出しましたが、アホウドリの和名は変わりませんでした。鳥類目録は標準和名ではなく、より広い意味の和名を掲載しています。
日本鳥類保護連盟元理事で目録編集委員会委員長の柳沢紀夫さん(73)は「今回は変えたほうが良いという意見はなかった。変更するとなればさまざまな法律名などにも影響が及ぶ。10年をめどに次の改訂の努力をするが、改称について論文が発表されるなど提案があれば検討するかもしれない」としています。
繁殖地のひとつ鳥島は火山で営巣地に被害が及ぶ危険があるため、環境省や山階鳥類研究所(千葉県)などによって小笠原諸島・聟島(むこじま)にヒナを移動させ繁殖させる試みも始まっています。将来、さらに個体数が増えて、人々が目にする機会が多くなり生態への理解も深まれば、アホウドリという名前を変えようという機運が高まるのではないでしょうか。
(菅野尚)
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
56
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる