君が私を忘れたことを、私はよかったと笑いたい

「解離性健忘愛症候群」――通称、片思い病。

それは、発症したら最後。
愛している人に関する全ての記憶を失ってしまい、その人の全てに嫌悪を抱き、拒絶するようになる病。

「もし、愛する人の記憶が消えてしまったら――どうする?」

幸せな日々を過ごしていた高校生二年生の奈子と、恋人の恭介。
しかしある日、恭介は奇病によって奈子を忘れ、拒絶するようになる。
それでも、「二人の思い出」である第三金曜日だけは、二人の想いが確かに交わる瞬間があった。

けれどそれも、長くは続かなかった。

最期の時、彼女は泣き笑う。

「私を忘れてくれてよかったって、そう思っていたのに」
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