最初はタイプじゃなかった君と、明日結婚する

明日結婚する人のことを、昔の私は「タイプじゃない」と思っていた。

転職したばかりの春。
人間関係にも恋愛にも少し疲れていた美帆は、新しい職場の歓迎会で田辺悠斗と出会う。

穏やかで、地味で、少し不器用。
話しやすいけれど、恋をする相手ではない。
美帆はそう思っていた。

けれど、雨の日に落ち込んだ美帆へアイスを半分くれたこと。
無理をして「大丈夫」と笑う美帆を、本気で叱ってくれたこと。
何でもない帰り道を、少しだけ優しい時間に変えてくれたこと。

悠斗の優しさは、少しずつ美帆の心に積もっていく。

最初から運命だとわかる恋じゃなかった。
でも、だからこそ時間をかけて気づいた。

この人は、私が私のままでいられる場所をくれる人だった。

結婚式前夜、プロフィール文を書きながら、美帆は悠斗との五年間を思い出す。
「タイプじゃなかった人」が、人生でいちばん大切な人になるまでの、やさしい恋の物語。
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