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すったもんだあったが、半泣きの仕立屋は仕事をして帰って行った。
軽く昼食を済ませ、羞恥心について話しませんかと誘った。
「一般的に服で隠れているところを見られると羞恥心を感じます。相手が異性だと恥ずかしさは百倍です。また、見たほうも羞恥心を感じます」
「クロエは僕のペニスを見て恥ずかしかったのか……中年のペニスだから不快に感じたと思っていた」
どーしてそうなるの!まさか若いブツなら喜ぶと思ってないよね!?
それにブツを表す単語も禁止したいけど、羞恥心を理解してもらうためにはブツの事も話さねばならない。
「中年は関係ないし、話し合いたいのは不快感では無く羞恥心の話です。それに『ぺ』で始まるその単語も禁止です。他の言い方をして下さい」
「中年の……えーと、外性器?いや陰茎と陰嚢の方が良いか?」
「却下!」
なぜ陰コンビの方がマシだと思ったのよ。基準を教えて欲しいわ。
「男根?」
「ブー!!」
「ちんぽ?ちんこ?えーっと、ち、ちん、ちんちん?」
頭を振って拒否を表す。ちんシリーズも嫌です!
「イチモツ?」
だーーっ!!どれもダメ!
「もうアレにしましょう!中年のアレ!」
自分で提案しておいてなんだけど、中年のアレってどうよ?……まぁ仕方がない。
「アレか……微妙だな」
ニコラス様が言うなーー!
「とにかくアレを見て恥ずかしかったのです…………やっぱりアレって呼ぶの微妙ですね。アレも却下しますか?」
「くっ、くっ!君が言い出したんだろう?それにしても僕のアレを見ても不快に思わなかったなら良かったよ」
不快では無かったけど……んん?普通不快に思うよね?……私ってやっぱり痴女なのっ!?
羞恥心についての話し合いは、私の痴女疑惑が大きくなっただけで終了した。だって疲れ果てたんだもの……。
図書館に移動して読書を再開したが、本選びは私が担当した。
ニコラス様に任せると偏った内容になってしまうのが目に見えている。
登場人物の気持ちを詳しく読み取れるようになり、達成感を味わいながら会話に花を咲かせていると、あっという間に夕食の時間となってしまった。
ハンナさんの所に行こうとすると、使用人に止められる。
「お二人でお食事するよう指示が出ております。ニコラス様の部屋の隣にご用意しておりますので、そちらでお召し上がりください」
出来るなら今日は使用人たちと大食堂で食べたかった。
アレの話と痴女疑惑から離れたい。
「一緒に食事するなら、食事中の会話について教えてもらえるだろうか?」
嬉しそうなニコラス様を見たら、仕方ないなぁと微笑んでしまう。
これぞ魔性。
「綺麗なお料理ですね。そうだ!食事中はお料理を褒めてみましょう」
「綺麗?食べ物が綺麗とはどういう意味だ?」
えぇー綺麗でしょ。
「このテリーヌなんて、色合いが素晴らしいですよ。ピンクはサーモンで、緑はほうれん草かな?それに断面も野菜がお花みたいで可愛らしいと思いませんか?」
「サーモンの栄養素の中には、体内で作り出せないものがあるから積極的に摂取するといい。普段紫外線を浴びる人間には特におすすめだ。それに鮭の皮には――」
たくさんお話ししてくれるのは嬉しいが、食事の間中この調子だと、さすがに女性が逃げてしまう。
「食材の話もためになりますが、お料理を褒めてみましょう。このソースはどう思いますか?」
「ふむ、黄色いな。黄色いソースだ」
まだ言葉が続くかと待ってみたがこれで終わりのようだ。頭を抱えそうになったが気合で止める。
「お味はどうですか?好き嫌いだけじゃなくて、味にも言及をしてくださいね」
「好きな部類だな。まろやかで少し甘みがある」
よし、会話になって来たぞ。
「では、つなげてみましょうか?もう一度このソースを褒めて下さい。あと最後に相手はどう思うか尋ねるのが重要なポイントです」
「黄色いソースが好きだ。まろやかで甘みがあるからだ。君はどうだ?」
ぎこちないが、三歩は前進した気がする!
「はい。私もこのソースは美味しいと思います。それに私はほうれん草が苦手なのですが、このテリーヌのほうれん草は美味しいです。ニコラス様は苦手なお野菜はございますか?」
「なんでも食べるが、水耕栽培の研究をしていた時に、一か月間レタスしか食べなかった時は医者に叱られた。それ以降、栄養素に興味を持った。君は好きな栄養素はあるか?」
好みの栄養素って……いい感じだったのに……。
「ニコラス様、栄養素も重要ですが、そこは好きな食べ物を聞いてみたらどうでしょう?」
「失敗だったか……会話らしくなっていたと思ったんだがな」
「失敗ではないですが、私は好きな栄養素を瞬時に言えません。でも、好きな食べ物は子供でも言えるので、年齢関係なく会話が続きやすいです」
「良く分かった。やっぱりクロエの説明は分かりやすいな。栄養素ではなく食べ物を尋ねるように心がけよう」
次に出て来た鶏料理については、たいへんスムーズに会話出来た。
なんと、皮のパリパリ具合まで褒めたのだ!素晴らしい!
これなら結婚式でアリー様のご両親が隣に座っても大丈夫だろう。
「料理の話題が尽きたら話し相手のお召し物を褒めてもいいと思います」
結婚式に着て来る服は一張羅だから、褒められて怒る人はいない。
「しかしパンツの話はダメなんだろ?あのパンツは非常に可愛かったのに話題に出せないとは勿体ない。人に推薦すると喜ばれるかもしれないのに」
結婚式の席で侍女の穿いているパンツをお勧めする人物とはお友達になれないです。
「見えている所を褒めるんです!」
ここは一気に下半身の話題について認識を改めてもらおう。いざリベンジ!
「ニコラス様が女性の体を神秘的に思っているのは分かりましたが、卑猥な想像をされる人も多いのです。もちろん男性の体も卑猥な想像の対象になります。だからニコラス様もアレをむやみに人に見せてはいけません。たとえ同性でも!」
「男のアレなど大した違いはないではないか」
あなたのアレは仕立屋が泣くほど違ったんですよ。
私にだって、あなたの持ち物が人並外れて大きいってわかりましたよ。
「同性でも服を着て過ごす場所では隠してください。それに卑猥な妄想を助長させると犯罪に繋がる事もあります。よって下半身の話も特別なお相手としかしてはダメです!」
「クロエは特別だからアレの話をしていいんだな」
特別だと言われてフォークを落としそうになってしまった。でも、ニコラス様の特別は友達という意味だわ。
「この場合の特別なお相手と言うのは愛し愛されている関係です……私たちの関係性とは違いますが、今は会話について学んでいるのでアレの話も可としているだけです」
ニコラス様にとっては話し相手で、姉の侍女だ。
「うむ、分かった。この関係でいる間はアレの話も織り交ぜて会話しよう」
えぇ!?わざわざ入れなくっていいんですってば―!
【マーガレット様、「アレを下さい」が卑猥に聞こえてしまいそうです】
軽く昼食を済ませ、羞恥心について話しませんかと誘った。
「一般的に服で隠れているところを見られると羞恥心を感じます。相手が異性だと恥ずかしさは百倍です。また、見たほうも羞恥心を感じます」
「クロエは僕のペニスを見て恥ずかしかったのか……中年のペニスだから不快に感じたと思っていた」
どーしてそうなるの!まさか若いブツなら喜ぶと思ってないよね!?
それにブツを表す単語も禁止したいけど、羞恥心を理解してもらうためにはブツの事も話さねばならない。
「中年は関係ないし、話し合いたいのは不快感では無く羞恥心の話です。それに『ぺ』で始まるその単語も禁止です。他の言い方をして下さい」
「中年の……えーと、外性器?いや陰茎と陰嚢の方が良いか?」
「却下!」
なぜ陰コンビの方がマシだと思ったのよ。基準を教えて欲しいわ。
「男根?」
「ブー!!」
「ちんぽ?ちんこ?えーっと、ち、ちん、ちんちん?」
頭を振って拒否を表す。ちんシリーズも嫌です!
「イチモツ?」
だーーっ!!どれもダメ!
「もうアレにしましょう!中年のアレ!」
自分で提案しておいてなんだけど、中年のアレってどうよ?……まぁ仕方がない。
「アレか……微妙だな」
ニコラス様が言うなーー!
「とにかくアレを見て恥ずかしかったのです…………やっぱりアレって呼ぶの微妙ですね。アレも却下しますか?」
「くっ、くっ!君が言い出したんだろう?それにしても僕のアレを見ても不快に思わなかったなら良かったよ」
不快では無かったけど……んん?普通不快に思うよね?……私ってやっぱり痴女なのっ!?
羞恥心についての話し合いは、私の痴女疑惑が大きくなっただけで終了した。だって疲れ果てたんだもの……。
図書館に移動して読書を再開したが、本選びは私が担当した。
ニコラス様に任せると偏った内容になってしまうのが目に見えている。
登場人物の気持ちを詳しく読み取れるようになり、達成感を味わいながら会話に花を咲かせていると、あっという間に夕食の時間となってしまった。
ハンナさんの所に行こうとすると、使用人に止められる。
「お二人でお食事するよう指示が出ております。ニコラス様の部屋の隣にご用意しておりますので、そちらでお召し上がりください」
出来るなら今日は使用人たちと大食堂で食べたかった。
アレの話と痴女疑惑から離れたい。
「一緒に食事するなら、食事中の会話について教えてもらえるだろうか?」
嬉しそうなニコラス様を見たら、仕方ないなぁと微笑んでしまう。
これぞ魔性。
「綺麗なお料理ですね。そうだ!食事中はお料理を褒めてみましょう」
「綺麗?食べ物が綺麗とはどういう意味だ?」
えぇー綺麗でしょ。
「このテリーヌなんて、色合いが素晴らしいですよ。ピンクはサーモンで、緑はほうれん草かな?それに断面も野菜がお花みたいで可愛らしいと思いませんか?」
「サーモンの栄養素の中には、体内で作り出せないものがあるから積極的に摂取するといい。普段紫外線を浴びる人間には特におすすめだ。それに鮭の皮には――」
たくさんお話ししてくれるのは嬉しいが、食事の間中この調子だと、さすがに女性が逃げてしまう。
「食材の話もためになりますが、お料理を褒めてみましょう。このソースはどう思いますか?」
「ふむ、黄色いな。黄色いソースだ」
まだ言葉が続くかと待ってみたがこれで終わりのようだ。頭を抱えそうになったが気合で止める。
「お味はどうですか?好き嫌いだけじゃなくて、味にも言及をしてくださいね」
「好きな部類だな。まろやかで少し甘みがある」
よし、会話になって来たぞ。
「では、つなげてみましょうか?もう一度このソースを褒めて下さい。あと最後に相手はどう思うか尋ねるのが重要なポイントです」
「黄色いソースが好きだ。まろやかで甘みがあるからだ。君はどうだ?」
ぎこちないが、三歩は前進した気がする!
「はい。私もこのソースは美味しいと思います。それに私はほうれん草が苦手なのですが、このテリーヌのほうれん草は美味しいです。ニコラス様は苦手なお野菜はございますか?」
「なんでも食べるが、水耕栽培の研究をしていた時に、一か月間レタスしか食べなかった時は医者に叱られた。それ以降、栄養素に興味を持った。君は好きな栄養素はあるか?」
好みの栄養素って……いい感じだったのに……。
「ニコラス様、栄養素も重要ですが、そこは好きな食べ物を聞いてみたらどうでしょう?」
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「失敗ではないですが、私は好きな栄養素を瞬時に言えません。でも、好きな食べ物は子供でも言えるので、年齢関係なく会話が続きやすいです」
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次に出て来た鶏料理については、たいへんスムーズに会話出来た。
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これなら結婚式でアリー様のご両親が隣に座っても大丈夫だろう。
「料理の話題が尽きたら話し相手のお召し物を褒めてもいいと思います」
結婚式に着て来る服は一張羅だから、褒められて怒る人はいない。
「しかしパンツの話はダメなんだろ?あのパンツは非常に可愛かったのに話題に出せないとは勿体ない。人に推薦すると喜ばれるかもしれないのに」
結婚式の席で侍女の穿いているパンツをお勧めする人物とはお友達になれないです。
「見えている所を褒めるんです!」
ここは一気に下半身の話題について認識を改めてもらおう。いざリベンジ!
「ニコラス様が女性の体を神秘的に思っているのは分かりましたが、卑猥な想像をされる人も多いのです。もちろん男性の体も卑猥な想像の対象になります。だからニコラス様もアレをむやみに人に見せてはいけません。たとえ同性でも!」
「男のアレなど大した違いはないではないか」
あなたのアレは仕立屋が泣くほど違ったんですよ。
私にだって、あなたの持ち物が人並外れて大きいってわかりましたよ。
「同性でも服を着て過ごす場所では隠してください。それに卑猥な妄想を助長させると犯罪に繋がる事もあります。よって下半身の話も特別なお相手としかしてはダメです!」
「クロエは特別だからアレの話をしていいんだな」
特別だと言われてフォークを落としそうになってしまった。でも、ニコラス様の特別は友達という意味だわ。
「この場合の特別なお相手と言うのは愛し愛されている関係です……私たちの関係性とは違いますが、今は会話について学んでいるのでアレの話も可としているだけです」
ニコラス様にとっては話し相手で、姉の侍女だ。
「うむ、分かった。この関係でいる間はアレの話も織り交ぜて会話しよう」
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