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第12章 強奪の地にて
第383話 光の中から粘液まみれの女神が現れて
オレが放ったのは久方ぶりの【陽光】だ。
投じた魔力からして以前にラマーリア王国で使った時よりもかなり威力は増しているはずだ。
もちろんあくまでも光を放つだけなので、光に弱いアンデッド系のモンスター以外には目つぶしにしかならない――そもそもオレは通常のダメージ系魔法は全く使えない――それでも相当広い範囲で見ていた者の視界を奪うだけの威力はあるだろう。
《うわあ。これはまぶしいよ》
ドラゴンもかなり困った様子だ。
つい先ほどオレが頼んだ通り目をつぶっていたが、目蓋越しでもかなり効いているのは間違いない。
至近距離で『陽光』を直視していたら、失明したかもしれないな。
さすがに生まれたばかりで、なおかつオレを信じている相手の目を潰すわけにはいかない。
仮に失明しても魔法で回復はさせられるけど、やっぱり『後で治したのだからいいだろう』とは言えない。
「すみません。そのまま少しだけ動かないで下さい!」
オレは『蜘蛛のぼり』の魔法をかけ、急いでドラゴンの身体を駆け下りる。
包囲していた連中も『陽光』で目がくらんでいるはずだし、ドラゴンの巨体もかなり見えにくくなっているはずだから、すぐに攻撃は出来ないはずだ。
いまはこの貴重な時間にとにかくダンギムの所に行って、どうにか説得して、この場を穏便にすませねばならないのだ。
術者であるオレは『陽光』の中でも普通に見る事が出来るが、さすがに周囲の連中の多くは目を奪われて動きを止めている。
中には慌てて逃げ出す奴もいるようで、士気はあんまり高く無いようだが、さすがに一気に総崩れになっているわけでもない。
まあただ眩しいと言うだけで、みんな逃げてくれるとまでは思っていなかったけど、これならアジっていたダンギムを説得すればどうにかなるだろう。
そう思ってダンギムの方に視線を向けると、さすがに賢者系だけあって目を逸らしつつ、どうにか状況を把握して何事か指示を下しているらしい。
今のうちに駆け寄って、とにかく話を通さねばなるまい。
「ダンギムさん! 聞こえていますか!」
「おお! アルタシャ様! ご無事でしたか!」
さすがのダンギムもまばゆい光に覆われたオレは直視出来ていないが、それでも嬉しげな様子が分かる。
ちょっと会話しただけなのに、そこまで必死になってくれるのはありがたい事だけど、物事には程度というものがあるのです。
「この光はあなた様がドラゴンの目をくらませるために放ったものでございましょう。さすが『輝ける者』の御名にふさわしい魔力でございます」
「それなんですが――」
「分かっておりますとも。この光が収まったところで、あのドラゴンに一斉攻撃をかけて倒せと仰るのでしょう」
まったく分かってねえよ!
しかしダンギムの視点だと、これも決しておかしくないのだから困ったものだ。
「離れていた我らでも直視出来ない程の光です。あのドラゴンはしばらく何も見えないでしょうから、その隙に倒さねばなりませんな」
だから賢者のくせになんで、そんなに発想が物騒なんだよ。マッドな学者なら『貴重なサンプル』なんだから、確保する事を優先して考えろよ。
ここは時間も無いし、ちょっと話をはしょっても攻撃をやめさせねばなるまい。
何というか昔の特撮でたまにあった『悪くない怪獣を防衛軍が攻撃するのを必死で止める』という役どころの気がしてくるな。
まさかその苦労をこんなところで知る事になるとは思いもしなかったよ。
「あのドラゴンを攻撃するのは辞めて下さい!」
「え? どういうことです?」
「それを今から説明しますけど、その前に皆さんに攻撃しないよう指示して下さい! お願いします!」
このオレの叫びを聞いて、さすがにダンギムも顔色を変える。
「あなた様はドラゴンに襲われていたのではないのですか?」
「それが……違うのですよ」
うう。確かに今のオレは十八禁な作品に出てくるような、粘液まみれな事後ヒロイン的ないろいろと誤解を招きそうな格好をしているが、あのドラゴンはあくまでもペロペロしていただけで、セクハラはしていたが襲っていたわけではないのだ。
「とにかく今はわたしを信じて下さい。あのドラゴンは人を襲うつもりはないのです」
「分かりました……お言葉に従いましょう」
ダンギムはやや混乱しているようだが、どうにかオレの言葉を聞いてくれたようで、ひとまず周囲を制止するように指示を飛ばす。
「これでよろしいでしょうか」
「分かりました」
オレは『陽光』の魔法を切る。正直に言えば今の姿を衆目に晒すのはかなり恥ずかしいが、そこは我慢するしかない。
「そ……そのお姿は……」
ダンギムだけでなく周囲の男連中も揃って息を呑んでいる。
まあ何も知らない人間だったら、ドラゴンと一緒にいた相手が閃光を放って視界を奪い、それが終わったかと思ったら、いきなり目の前に粘液まみれで服が着崩れたエロい姿で現れたら何が何だか分からなくて当然だ。
ただ幸いにも今度はオレの姿に目に見とれているらしい。
ええい。もうこうなったら戦いを止めるためだ。
粘液まみれだろうが、全裸だろうが喜んで晒してやるよ!
投じた魔力からして以前にラマーリア王国で使った時よりもかなり威力は増しているはずだ。
もちろんあくまでも光を放つだけなので、光に弱いアンデッド系のモンスター以外には目つぶしにしかならない――そもそもオレは通常のダメージ系魔法は全く使えない――それでも相当広い範囲で見ていた者の視界を奪うだけの威力はあるだろう。
《うわあ。これはまぶしいよ》
ドラゴンもかなり困った様子だ。
つい先ほどオレが頼んだ通り目をつぶっていたが、目蓋越しでもかなり効いているのは間違いない。
至近距離で『陽光』を直視していたら、失明したかもしれないな。
さすがに生まれたばかりで、なおかつオレを信じている相手の目を潰すわけにはいかない。
仮に失明しても魔法で回復はさせられるけど、やっぱり『後で治したのだからいいだろう』とは言えない。
「すみません。そのまま少しだけ動かないで下さい!」
オレは『蜘蛛のぼり』の魔法をかけ、急いでドラゴンの身体を駆け下りる。
包囲していた連中も『陽光』で目がくらんでいるはずだし、ドラゴンの巨体もかなり見えにくくなっているはずだから、すぐに攻撃は出来ないはずだ。
いまはこの貴重な時間にとにかくダンギムの所に行って、どうにか説得して、この場を穏便にすませねばならないのだ。
術者であるオレは『陽光』の中でも普通に見る事が出来るが、さすがに周囲の連中の多くは目を奪われて動きを止めている。
中には慌てて逃げ出す奴もいるようで、士気はあんまり高く無いようだが、さすがに一気に総崩れになっているわけでもない。
まあただ眩しいと言うだけで、みんな逃げてくれるとまでは思っていなかったけど、これならアジっていたダンギムを説得すればどうにかなるだろう。
そう思ってダンギムの方に視線を向けると、さすがに賢者系だけあって目を逸らしつつ、どうにか状況を把握して何事か指示を下しているらしい。
今のうちに駆け寄って、とにかく話を通さねばなるまい。
「ダンギムさん! 聞こえていますか!」
「おお! アルタシャ様! ご無事でしたか!」
さすがのダンギムもまばゆい光に覆われたオレは直視出来ていないが、それでも嬉しげな様子が分かる。
ちょっと会話しただけなのに、そこまで必死になってくれるのはありがたい事だけど、物事には程度というものがあるのです。
「この光はあなた様がドラゴンの目をくらませるために放ったものでございましょう。さすが『輝ける者』の御名にふさわしい魔力でございます」
「それなんですが――」
「分かっておりますとも。この光が収まったところで、あのドラゴンに一斉攻撃をかけて倒せと仰るのでしょう」
まったく分かってねえよ!
しかしダンギムの視点だと、これも決しておかしくないのだから困ったものだ。
「離れていた我らでも直視出来ない程の光です。あのドラゴンはしばらく何も見えないでしょうから、その隙に倒さねばなりませんな」
だから賢者のくせになんで、そんなに発想が物騒なんだよ。マッドな学者なら『貴重なサンプル』なんだから、確保する事を優先して考えろよ。
ここは時間も無いし、ちょっと話をはしょっても攻撃をやめさせねばなるまい。
何というか昔の特撮でたまにあった『悪くない怪獣を防衛軍が攻撃するのを必死で止める』という役どころの気がしてくるな。
まさかその苦労をこんなところで知る事になるとは思いもしなかったよ。
「あのドラゴンを攻撃するのは辞めて下さい!」
「え? どういうことです?」
「それを今から説明しますけど、その前に皆さんに攻撃しないよう指示して下さい! お願いします!」
このオレの叫びを聞いて、さすがにダンギムも顔色を変える。
「あなた様はドラゴンに襲われていたのではないのですか?」
「それが……違うのですよ」
うう。確かに今のオレは十八禁な作品に出てくるような、粘液まみれな事後ヒロイン的ないろいろと誤解を招きそうな格好をしているが、あのドラゴンはあくまでもペロペロしていただけで、セクハラはしていたが襲っていたわけではないのだ。
「とにかく今はわたしを信じて下さい。あのドラゴンは人を襲うつもりはないのです」
「分かりました……お言葉に従いましょう」
ダンギムはやや混乱しているようだが、どうにかオレの言葉を聞いてくれたようで、ひとまず周囲を制止するように指示を飛ばす。
「これでよろしいでしょうか」
「分かりました」
オレは『陽光』の魔法を切る。正直に言えば今の姿を衆目に晒すのはかなり恥ずかしいが、そこは我慢するしかない。
「そ……そのお姿は……」
ダンギムだけでなく周囲の男連中も揃って息を呑んでいる。
まあ何も知らない人間だったら、ドラゴンと一緒にいた相手が閃光を放って視界を奪い、それが終わったかと思ったら、いきなり目の前に粘液まみれで服が着崩れたエロい姿で現れたら何が何だか分からなくて当然だ。
ただ幸いにも今度はオレの姿に目に見とれているらしい。
ええい。もうこうなったら戦いを止めるためだ。
粘液まみれだろうが、全裸だろうが喜んで晒してやるよ!
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