849 / 1,316
第20章 とある国と聖なる乙女
第849話 口説かれた後で
しおりを挟む
オレが応じる気などさらさらないにも関わらず、アイウーズは少しずつこちらににじり寄ってくる。
青春学園ものでも、初対面で早々に口説くのは失敗フラグそのものだぞ。いや。待てよ。
その場合は腐れ縁フラグでもありうるのだな。
「とにかくあなたの立場からすれば、わたしごときにうつつを抜かしている場合ではないでしょう。留学先で女や酒におぼれて身を持ち崩す人もいると聞いたことがありますよ」
「君が僕の心配をしてくれたのは嬉しいよ」
またどこまでも都合よく解釈しているな。
もちろんオレがお付き合いを断っているのを分かっていないはずがないが、そんな事など気にもとめない鉄面皮ということだ。
「だけどそんな杓子定規に正論ばかり振りかざしていると、折角の美人がもったいないと思わないかい?」
「それこそあなたに心配されるいわれはありません」
ああいえばこういうしたたかなところは、これまでの知り合いでいえばウァリウス皇帝あたりに近いかな。
そんなオレにとっては不毛な――たぶんアイウーズにとってはまるで別の――やり取りをしていると授業終了の鐘が鳴った。
どうやら一安心というところだろうか。
「それでは失礼しますよ」
オレはさっさと蒼穹女学院側の扉を開ける。そこから先は男子禁制なので、いくらアイウーズでも入ってはこれまい。
「名残惜しいなあ……だけどまた会えるよね」
アイウーズは開いた戸口からオレに声をかけてきたが、こっちはあえて聞こえないふりをしてさっさと立ち去った。
ひとまず授業の終了後、オレはネアラと一緒に帰ることとなる。
もちろん無駄に周囲の注目――それも好意的とはいいがたいもの――を集めているのはいつもの事だが、ここでネアラがオレに問うて来る。
「あなたが魔術の授業時間の時、アイウーズ様と一緒にいたと言うのは本当なの?」
どうしてそれをネアラが知っているんだ? 仮にアイウーズが広めたとしても、まだ蒼穹女学院にまで伝わっているとは思えない。
そうするとサーシェルがこの噂の出どころか?
いや。幾ら何でもそれはないだろう。
「アイウーズ様がサーシェル先生のところから出てきたあなたに呼びかけていたのを見た人がいるのよ」
そう言うことか。
ここまでくるとオレの動向は常に見張られていると考えた方がいいだろう。
有名人はつらいよ――言葉通りで本当につらい。
「アイウーズ様の妻の座は大勢が狙っているのよ。それにいきなりあなたが授業を休んでまで売り込みを図ったら、気分を害する人も多いでしょう」
「ちょっと待って下さい。わたしは何も――」
「もちろんあたしだって、あなたがアイウーズ様と会ったのは偶然だって事ぐらいは分かっているわよ。だけどその機会に取り入ろうとしたのではないの?」
逆だよ逆!
アイウーズの方がオレにすり寄って来たんだっつうの。
「違います。その時には少しばかりお話をさせてもらっただけです」
「それは本当なの?」
明らかに疑っているな。ネアラはオレを『兄に取り入って養女にさせた魔性の女』扱いしていたのだから、すぐにもっと地位の高い他の男に取り入ろうとしていると不快になっているのか?
「当たり前です。だいたいわたしはアイウーズ様の名前すら、名乗りを受けるまで全く知らなかったのですよ」
「まあ数日の付き合いだけど、あなたがそこまで無節操とは思わないわ」
おお。ネアラも少しはオレの事を分かってくれていたのか。
「だからもうお兄様には近寄らないでよ」
やっぱりそっちの話になるか。
しかしあのアイウーズがそれほど人気だったとはな。
以前の後宮の経験から、てっきり大貴族は王妃の座を狙うものとか思い込んでいたが、考えてみると王妃の座は一つだけで、なおかつ虎視眈々と有力貴族が狙っている。
それに外交の都合で近隣国から王妃を迎える場合もあるだろう。
どんな大貴族がバックにいても、その地位を得られる保証はない。
側室だったら十分に見込みはあるかもしれないが、そっちは何人もいるはずなので、よほどの寵愛を受けないと『側室の一人』で終わってしまう――それでも一般人なら眩いばかりの出世だろうけどな。
もっとも今の王妃はもともと王位に就くはずの無かった今の国王をその地位につける原動力になったという噂だが、真相は未だに藪の中だ。
それはともかく現国王には今の所、子供がいないそうだ。
これから生まれるとしてしても、いまこの蒼穹女学院にいる女子とは十五才やそこらは歳が離れているわけで、常識的には輿入れは非常に厳しいだろう。
子供が出来ないまま現国王が亡くなれば、次の国王は継承権の順番に選ばれるわけだが、さすがに成人の王族にはほとんどの場合、配偶者がいるはずだ。
要するに現王妃を暗殺するとか、とんでもない事を考えない限り、この国の王妃になれる見込みは極めて低い。
そうするとこの蒼穹女学院に通っていて婚約者がいない女生徒の場合、留学してきたばかりで相手がまだ決まっていないアイウーズは『優良物件』ということか。
属国とは言えど一国のトップに立つ可能性のある男ならば、人生をかける価値はあるだろう。
縁者もいない遠方の国に輿入れするわけだが、貴族の娘だったら政略結婚で充分にありうる事だと最初から分かっているはず。
あと国同士の関係が断絶した時も危ういが、一応は『外交使節』のような存在なので危害を加えず送り返されるのが大半で、さすがに殺されることは滅多になかったようだ。
中には政略結婚でも本当に愛し合っていたのか、妻が自分の祖国と断絶した結果、滅びゆく夫と最後まで運命を共にした例もあったらしい。
何にせよそういう事が嫌な女子はそもそもアイウーズに近寄りはすまい。
普通に考えれば『人質』であるアイウーズの結婚が自由になるとは思えないが、相手がフラネス王国の貴族でありさえすれば、本人の意向が全く反映されないわけでもないだろう。
アイウーズが結婚を熱望しているのなら、それを受け入れてやれば当然、フラネス王国に感謝するはずだ。
その妻を通じてアイウーズが帰国した後のグラフト公国に影響を及ぼしやすくもなる。
いくら政略結婚でも、折り合いの悪い相手と結婚させて夫婦仲が冷え切った、と言うのではお互いにとってマイナスなのだ。
もちろんアイウーズもそれを分かっているので、相手が既婚者だとか非常識な要求でもない限り、自分が妻に欲しいと言えばほぼそれが通ると考えているに違いない。
そこまでは他人事だと思えば、別になんでもない話だが、ターゲットになっているのがオレなのだから何とも困る。
青春学園ものでも、初対面で早々に口説くのは失敗フラグそのものだぞ。いや。待てよ。
その場合は腐れ縁フラグでもありうるのだな。
「とにかくあなたの立場からすれば、わたしごときにうつつを抜かしている場合ではないでしょう。留学先で女や酒におぼれて身を持ち崩す人もいると聞いたことがありますよ」
「君が僕の心配をしてくれたのは嬉しいよ」
またどこまでも都合よく解釈しているな。
もちろんオレがお付き合いを断っているのを分かっていないはずがないが、そんな事など気にもとめない鉄面皮ということだ。
「だけどそんな杓子定規に正論ばかり振りかざしていると、折角の美人がもったいないと思わないかい?」
「それこそあなたに心配されるいわれはありません」
ああいえばこういうしたたかなところは、これまでの知り合いでいえばウァリウス皇帝あたりに近いかな。
そんなオレにとっては不毛な――たぶんアイウーズにとってはまるで別の――やり取りをしていると授業終了の鐘が鳴った。
どうやら一安心というところだろうか。
「それでは失礼しますよ」
オレはさっさと蒼穹女学院側の扉を開ける。そこから先は男子禁制なので、いくらアイウーズでも入ってはこれまい。
「名残惜しいなあ……だけどまた会えるよね」
アイウーズは開いた戸口からオレに声をかけてきたが、こっちはあえて聞こえないふりをしてさっさと立ち去った。
ひとまず授業の終了後、オレはネアラと一緒に帰ることとなる。
もちろん無駄に周囲の注目――それも好意的とはいいがたいもの――を集めているのはいつもの事だが、ここでネアラがオレに問うて来る。
「あなたが魔術の授業時間の時、アイウーズ様と一緒にいたと言うのは本当なの?」
どうしてそれをネアラが知っているんだ? 仮にアイウーズが広めたとしても、まだ蒼穹女学院にまで伝わっているとは思えない。
そうするとサーシェルがこの噂の出どころか?
いや。幾ら何でもそれはないだろう。
「アイウーズ様がサーシェル先生のところから出てきたあなたに呼びかけていたのを見た人がいるのよ」
そう言うことか。
ここまでくるとオレの動向は常に見張られていると考えた方がいいだろう。
有名人はつらいよ――言葉通りで本当につらい。
「アイウーズ様の妻の座は大勢が狙っているのよ。それにいきなりあなたが授業を休んでまで売り込みを図ったら、気分を害する人も多いでしょう」
「ちょっと待って下さい。わたしは何も――」
「もちろんあたしだって、あなたがアイウーズ様と会ったのは偶然だって事ぐらいは分かっているわよ。だけどその機会に取り入ろうとしたのではないの?」
逆だよ逆!
アイウーズの方がオレにすり寄って来たんだっつうの。
「違います。その時には少しばかりお話をさせてもらっただけです」
「それは本当なの?」
明らかに疑っているな。ネアラはオレを『兄に取り入って養女にさせた魔性の女』扱いしていたのだから、すぐにもっと地位の高い他の男に取り入ろうとしていると不快になっているのか?
「当たり前です。だいたいわたしはアイウーズ様の名前すら、名乗りを受けるまで全く知らなかったのですよ」
「まあ数日の付き合いだけど、あなたがそこまで無節操とは思わないわ」
おお。ネアラも少しはオレの事を分かってくれていたのか。
「だからもうお兄様には近寄らないでよ」
やっぱりそっちの話になるか。
しかしあのアイウーズがそれほど人気だったとはな。
以前の後宮の経験から、てっきり大貴族は王妃の座を狙うものとか思い込んでいたが、考えてみると王妃の座は一つだけで、なおかつ虎視眈々と有力貴族が狙っている。
それに外交の都合で近隣国から王妃を迎える場合もあるだろう。
どんな大貴族がバックにいても、その地位を得られる保証はない。
側室だったら十分に見込みはあるかもしれないが、そっちは何人もいるはずなので、よほどの寵愛を受けないと『側室の一人』で終わってしまう――それでも一般人なら眩いばかりの出世だろうけどな。
もっとも今の王妃はもともと王位に就くはずの無かった今の国王をその地位につける原動力になったという噂だが、真相は未だに藪の中だ。
それはともかく現国王には今の所、子供がいないそうだ。
これから生まれるとしてしても、いまこの蒼穹女学院にいる女子とは十五才やそこらは歳が離れているわけで、常識的には輿入れは非常に厳しいだろう。
子供が出来ないまま現国王が亡くなれば、次の国王は継承権の順番に選ばれるわけだが、さすがに成人の王族にはほとんどの場合、配偶者がいるはずだ。
要するに現王妃を暗殺するとか、とんでもない事を考えない限り、この国の王妃になれる見込みは極めて低い。
そうするとこの蒼穹女学院に通っていて婚約者がいない女生徒の場合、留学してきたばかりで相手がまだ決まっていないアイウーズは『優良物件』ということか。
属国とは言えど一国のトップに立つ可能性のある男ならば、人生をかける価値はあるだろう。
縁者もいない遠方の国に輿入れするわけだが、貴族の娘だったら政略結婚で充分にありうる事だと最初から分かっているはず。
あと国同士の関係が断絶した時も危ういが、一応は『外交使節』のような存在なので危害を加えず送り返されるのが大半で、さすがに殺されることは滅多になかったようだ。
中には政略結婚でも本当に愛し合っていたのか、妻が自分の祖国と断絶した結果、滅びゆく夫と最後まで運命を共にした例もあったらしい。
何にせよそういう事が嫌な女子はそもそもアイウーズに近寄りはすまい。
普通に考えれば『人質』であるアイウーズの結婚が自由になるとは思えないが、相手がフラネス王国の貴族でありさえすれば、本人の意向が全く反映されないわけでもないだろう。
アイウーズが結婚を熱望しているのなら、それを受け入れてやれば当然、フラネス王国に感謝するはずだ。
その妻を通じてアイウーズが帰国した後のグラフト公国に影響を及ぼしやすくもなる。
いくら政略結婚でも、折り合いの悪い相手と結婚させて夫婦仲が冷え切った、と言うのではお互いにとってマイナスなのだ。
もちろんアイウーズもそれを分かっているので、相手が既婚者だとか非常識な要求でもない限り、自分が妻に欲しいと言えばほぼそれが通ると考えているに違いない。
そこまでは他人事だと思えば、別になんでもない話だが、ターゲットになっているのがオレなのだから何とも困る。
2
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに
千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」
「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」
許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。
許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。
上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。
言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。
絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、
「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」
何故か求婚されることに。
困りながらも巻き込まれる騒動を通じて
ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。
こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
連載時、HOT 1位ありがとうございました!
その他、多数投稿しています。
こちらもよろしくお願いします!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
無能扱いされ、パーティーを追放されたおっさん、実はチートスキル持ちでした。戻ってきてくれ、と言ってももう遅い。田舎でゆったりスローライフ。
さくら
ファンタジー
かつて勇者パーティーに所属していたジル。
だが「無能」と嘲られ、役立たずと追放されてしまう。
行くあてもなく田舎の村へ流れ着いた彼は、鍬を振るい畑を耕し、のんびり暮らすつもりだった。
――だが、誰も知らなかった。
ジルには“世界を覆すほどのチートスキル”が隠されていたのだ。
襲いかかる魔物を一撃で粉砕し、村を脅かす街の圧力をはねのけ、いつしか彼は「英雄」と呼ばれる存在に。
「戻ってきてくれ」と泣きつく元仲間? もう遅い。
俺はこの村で、仲間と共に、気ままにスローライフを楽しむ――そう決めたんだ。
無能扱いされたおっさんが、実は最強チートで世界を揺るがす!?
のんびり田舎暮らし×無双ファンタジー、ここに開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる