13 / 93
【短編 一万文字はない】廃棄聖女は里へと帰る 婚約も仕事もダメになりましたが私は幸せです
廃棄聖女は里へと帰る
しおりを挟む
「本気でおっしゃっているのですか? セルジオ第三王子殿下」
ルルアは銀色のまつ毛に縁取られた大きな目を見張って、目前の美丈夫に問う。
「ああ、そうだ。聖女ルルア。お前には聖女としての力が足りない。よって、婚約を破棄するっ!」
金髪碧眼の王子が嬉しそうに指さす先で、銀髪の少女は細い体を震わせた。そして叫ぶ。
「そんな! 言いがかりですわ! 力は十分にございます。それに、私たちの婚約は国王陛下が直々になされたことではありませんか。セルジオさまの一存で破棄できるわけがありません」
「そんなことはありませんわ、ルルアさま」
「ユリナさま。なにをおっしゃるの?」
ピンク色の髪をふわふわさせながらセルジオとの間に割って入った赤目の少女を、ルルアは銀の瞳で睨む。
「ふふっ。だって、聖女としてのお役目が果たせなかったのは本当のことではありませんか」
「それは……」
「ハハハッ! 見苦しいぞ、聖女ルルア。いや。聖女ですらない、ただのルルア! お前の化けの皮は剥がれたのだ。大人しく婚約破棄を受け入れて生まれた村に帰れ!」
金髪に緑の瞳をした体格のよい青年が、ルルアを守るように第三王子との間に割って入る。
「セルジオ殿下! それはあまりにも酷い言い草ではありませんか?」
「黙れっ、キリアン! 護衛騎士の分際で余計な口を出すなっ!」
「ですが……」
「そうですわ、キリアンさま。お優しいキリアンさまがルルアを庇う気持ちは分かりますけれど。彼女が聖女として力不足であることは確かではありませんか」
「そんなっ」
「言い訳するな、ルルアっ! お前が結界を張ったはずの森に魔物が出たんたぞっ!」
「それはっ」
「言い訳は見苦しいですわ、ルルアさま。ああ、もう『さま』付けもしなくて良くなるのね、ルルア。聖女であれば王族と同等の身分が与えられるけれど。アナタはもう、聖女ではなくなったのですものね」
「ユリナさま……」
「元々アナタは平民。私は伯爵令嬢。身分を考えたら、この先は接点などありませんわね。清々するわ」
「ユリナさま。ルルアさまは、正式に聖女の資格を失ったというわけではありません。無礼な言動は御控え下さい」
「あら、キリアンさま。お優しいこと。ですが、魔物が出たのは事実ですわ。キリアンさまのお仲間も怪我をなさったではありませんか」
「それはそうですが……」
「そうだ、キリアン。元々、ルルアには聖女たる資格など無かったのだ。気遣いは無用だ」
「セルジオ殿下。たとえそれが事実だとしても、無理を言って村から王都に連れてきたのは国王陛下です。ルルアさまに、もう少し、敬意を払ってもよいのではありませんか?」
「ふんっ。この女が父上を謀ったのだ。同情は無用。こんな女、さっさと村に戻してしまえ」
「殿下っ!」
「いいのです、キリアンさま。私は、神殿の自室に戻りますわ」
「ルルアさま……」
「ああ、さっさと荷物をまとめて村へ帰れ」
「ふふふ。王都の聖女は無理でも、村ならまだ使えるかもしれませんしね」
「そうだな。田舎の神殿は聖女が不足している。王都で使えないような廃棄物でも、田舎の村でなら少しは役に立つだろう」
「殿下ッ! ユリナさまッ!」
「いいのよ、キリアンさま」
「ルルアさま……」
「私は自室に戻ります……」
ルルアは二組の嬉々とした目と、一組の同情的な視線に見送られて部屋を後にした。
ここは王族の住まう王宮の一室。
そこを出た所で、ルルアの心休まる場所はない。
疲れた足を引きずって、彼女は神殿の自室を目指した。
贅を尽くした王宮を抜け、贅を尽くした神殿を抜けて、シンプルな部屋へと入る。
余計なモノなど何もない、休むための部屋だ。
簡素なベッドと着替えを収納する小さなクローゼット。
そのわずかなスペースしかないクローゼットもスカスカな、質素な部屋。
それがルルアの自室だった。
「疲れた……」
着替えもせずにルルアはベッドに倒れ込む。
ルルアは17歳。聖女だ。
平民である彼女は、王都から東にある小さな村の出身である。
「聖女になりたくてなったわけじゃない……」
そもそも、聖女とはなりたくてなるモノでもない。
神に与えられた力を持つ女性。それを聖女という。
力といっても出来ることは様々あり、主に結界を張る守りの力と癒しを与える治癒の力の二種類がある。
ルルアが持っているのは、結界を張る守りの力だ。
力の程度は様々で、王都だけでなく地方の神殿でも働いている聖女はいる。
「王都にだって、来たくて来たわけじゃないし……」
ルルアが王都に来たのは十年前。七歳の時だ。
村に国王陛下が立ち寄った際に魔物が出た。
国王一行を付けてきたらしく、狙いは国王。
子供たちを視察していた時に現れた魔物を、ルルアが撃退してしまったのだ。
ルルア自身も力を持っていることに気付いていなかった時期の事だった。
聖女の力が発動しなかったら、ルルア自身も命を落としていた事だろう。
平和な村であったため、魔物退治に長けた兵士たちも油断していて近くにはいなかったのだ。
護衛は居たが、彼らが守るのは国王陛下であり、子供たちではない。
あの時、力が発動してくれたことにはルルアも感謝している。
だが、そのせいで王都まで連れて来られてしまったのだ。
ルルアにとっては不運な出来事だった。
不運は更に続く。
神殿での鑑定により、ルルアの力が国内最大である事が判明。
その場で第三王子との婚約が決められた。
ルルアの力を国のモノにするための婚約だ。
そこからルルアは里には戻っていない。
「お父さんとお母さんの所へ戻れる……」
それはルルアにとって朗報である。喜ばしい。
「でも……セルジオさまの独断だもの。また話が変わることだって……」
ルルアにしても、セルジオとの結婚は受け入れがたい。
愛してくれる人、ルルアを大切にしてくれる人との結婚であれば、まだ検討の余地がある。
セルジオは、どちらもルルアに捧げるつもりはないのだ。
最初に会った時から、セルジオとルルアは合わなかった。
どちらかと言えば真面目なルルアと、いい加減な所のあるセルジオは水と油。
自分中心で思いやりに欠ける第三王子のことが、ルルアはぶっちゃけ嫌いだ。
村に戻れるのなら、その方がいい。
「そもそも、私、歓迎されてないもん。王都で」
国王陛下が連れ帰った聖女のことは、王都でたちまち話題になった。
第三王子の婚約者になった事も、あっという間に知れ渡り、ルルアに向けられたのは醜い嫉妬だ。
「意地悪もいっぱいされた……」
田舎の村から連れて来られた平民の子が聖女になることが気に入らない人たちは沢山いた。
娘を聖女にしたい貴族たちや聖女になりたい令嬢たち。
娘を聖女にしたい平民たちや聖女になりたい平民の少女たち。
ルルアの味方を見つける方が、はるかに難しかった。
聖女が王族と同等の身分を与えられている、といっても、収入や後ろ盾には違いがある。
聖女の仕事に報酬はない。
生活の面倒をみて貰えるだけだ。
その生活の程度には違いがあり。
ルルアには平民並だったり、平民以下のものがあてられた。
王都に来たばかりの頃は、それでも国王陛下の目があった。
命の恩人ということで、多少の優遇はされていたのだ。
七歳の子供ということもあり、気にかけて貰えた。
それが一年経ち、二年経ちしていくうちに変わっていく。
ルルアがココにいることが当たり前になったからだ。
七歳と十歳では気の使われ方は違う。
十歳と十二歳でも、だいぶ変わってしまう。
成人年齢が十五歳の国だから、その頃には扱いだけは一人前だ。
大人の聖女を気にかける者などいない。
ルルアは銀色のまつ毛に縁取られた大きな目を見張って、目前の美丈夫に問う。
「ああ、そうだ。聖女ルルア。お前には聖女としての力が足りない。よって、婚約を破棄するっ!」
金髪碧眼の王子が嬉しそうに指さす先で、銀髪の少女は細い体を震わせた。そして叫ぶ。
「そんな! 言いがかりですわ! 力は十分にございます。それに、私たちの婚約は国王陛下が直々になされたことではありませんか。セルジオさまの一存で破棄できるわけがありません」
「そんなことはありませんわ、ルルアさま」
「ユリナさま。なにをおっしゃるの?」
ピンク色の髪をふわふわさせながらセルジオとの間に割って入った赤目の少女を、ルルアは銀の瞳で睨む。
「ふふっ。だって、聖女としてのお役目が果たせなかったのは本当のことではありませんか」
「それは……」
「ハハハッ! 見苦しいぞ、聖女ルルア。いや。聖女ですらない、ただのルルア! お前の化けの皮は剥がれたのだ。大人しく婚約破棄を受け入れて生まれた村に帰れ!」
金髪に緑の瞳をした体格のよい青年が、ルルアを守るように第三王子との間に割って入る。
「セルジオ殿下! それはあまりにも酷い言い草ではありませんか?」
「黙れっ、キリアン! 護衛騎士の分際で余計な口を出すなっ!」
「ですが……」
「そうですわ、キリアンさま。お優しいキリアンさまがルルアを庇う気持ちは分かりますけれど。彼女が聖女として力不足であることは確かではありませんか」
「そんなっ」
「言い訳するな、ルルアっ! お前が結界を張ったはずの森に魔物が出たんたぞっ!」
「それはっ」
「言い訳は見苦しいですわ、ルルアさま。ああ、もう『さま』付けもしなくて良くなるのね、ルルア。聖女であれば王族と同等の身分が与えられるけれど。アナタはもう、聖女ではなくなったのですものね」
「ユリナさま……」
「元々アナタは平民。私は伯爵令嬢。身分を考えたら、この先は接点などありませんわね。清々するわ」
「ユリナさま。ルルアさまは、正式に聖女の資格を失ったというわけではありません。無礼な言動は御控え下さい」
「あら、キリアンさま。お優しいこと。ですが、魔物が出たのは事実ですわ。キリアンさまのお仲間も怪我をなさったではありませんか」
「それはそうですが……」
「そうだ、キリアン。元々、ルルアには聖女たる資格など無かったのだ。気遣いは無用だ」
「セルジオ殿下。たとえそれが事実だとしても、無理を言って村から王都に連れてきたのは国王陛下です。ルルアさまに、もう少し、敬意を払ってもよいのではありませんか?」
「ふんっ。この女が父上を謀ったのだ。同情は無用。こんな女、さっさと村に戻してしまえ」
「殿下っ!」
「いいのです、キリアンさま。私は、神殿の自室に戻りますわ」
「ルルアさま……」
「ああ、さっさと荷物をまとめて村へ帰れ」
「ふふふ。王都の聖女は無理でも、村ならまだ使えるかもしれませんしね」
「そうだな。田舎の神殿は聖女が不足している。王都で使えないような廃棄物でも、田舎の村でなら少しは役に立つだろう」
「殿下ッ! ユリナさまッ!」
「いいのよ、キリアンさま」
「ルルアさま……」
「私は自室に戻ります……」
ルルアは二組の嬉々とした目と、一組の同情的な視線に見送られて部屋を後にした。
ここは王族の住まう王宮の一室。
そこを出た所で、ルルアの心休まる場所はない。
疲れた足を引きずって、彼女は神殿の自室を目指した。
贅を尽くした王宮を抜け、贅を尽くした神殿を抜けて、シンプルな部屋へと入る。
余計なモノなど何もない、休むための部屋だ。
簡素なベッドと着替えを収納する小さなクローゼット。
そのわずかなスペースしかないクローゼットもスカスカな、質素な部屋。
それがルルアの自室だった。
「疲れた……」
着替えもせずにルルアはベッドに倒れ込む。
ルルアは17歳。聖女だ。
平民である彼女は、王都から東にある小さな村の出身である。
「聖女になりたくてなったわけじゃない……」
そもそも、聖女とはなりたくてなるモノでもない。
神に与えられた力を持つ女性。それを聖女という。
力といっても出来ることは様々あり、主に結界を張る守りの力と癒しを与える治癒の力の二種類がある。
ルルアが持っているのは、結界を張る守りの力だ。
力の程度は様々で、王都だけでなく地方の神殿でも働いている聖女はいる。
「王都にだって、来たくて来たわけじゃないし……」
ルルアが王都に来たのは十年前。七歳の時だ。
村に国王陛下が立ち寄った際に魔物が出た。
国王一行を付けてきたらしく、狙いは国王。
子供たちを視察していた時に現れた魔物を、ルルアが撃退してしまったのだ。
ルルア自身も力を持っていることに気付いていなかった時期の事だった。
聖女の力が発動しなかったら、ルルア自身も命を落としていた事だろう。
平和な村であったため、魔物退治に長けた兵士たちも油断していて近くにはいなかったのだ。
護衛は居たが、彼らが守るのは国王陛下であり、子供たちではない。
あの時、力が発動してくれたことにはルルアも感謝している。
だが、そのせいで王都まで連れて来られてしまったのだ。
ルルアにとっては不運な出来事だった。
不運は更に続く。
神殿での鑑定により、ルルアの力が国内最大である事が判明。
その場で第三王子との婚約が決められた。
ルルアの力を国のモノにするための婚約だ。
そこからルルアは里には戻っていない。
「お父さんとお母さんの所へ戻れる……」
それはルルアにとって朗報である。喜ばしい。
「でも……セルジオさまの独断だもの。また話が変わることだって……」
ルルアにしても、セルジオとの結婚は受け入れがたい。
愛してくれる人、ルルアを大切にしてくれる人との結婚であれば、まだ検討の余地がある。
セルジオは、どちらもルルアに捧げるつもりはないのだ。
最初に会った時から、セルジオとルルアは合わなかった。
どちらかと言えば真面目なルルアと、いい加減な所のあるセルジオは水と油。
自分中心で思いやりに欠ける第三王子のことが、ルルアはぶっちゃけ嫌いだ。
村に戻れるのなら、その方がいい。
「そもそも、私、歓迎されてないもん。王都で」
国王陛下が連れ帰った聖女のことは、王都でたちまち話題になった。
第三王子の婚約者になった事も、あっという間に知れ渡り、ルルアに向けられたのは醜い嫉妬だ。
「意地悪もいっぱいされた……」
田舎の村から連れて来られた平民の子が聖女になることが気に入らない人たちは沢山いた。
娘を聖女にしたい貴族たちや聖女になりたい令嬢たち。
娘を聖女にしたい平民たちや聖女になりたい平民の少女たち。
ルルアの味方を見つける方が、はるかに難しかった。
聖女が王族と同等の身分を与えられている、といっても、収入や後ろ盾には違いがある。
聖女の仕事に報酬はない。
生活の面倒をみて貰えるだけだ。
その生活の程度には違いがあり。
ルルアには平民並だったり、平民以下のものがあてられた。
王都に来たばかりの頃は、それでも国王陛下の目があった。
命の恩人ということで、多少の優遇はされていたのだ。
七歳の子供ということもあり、気にかけて貰えた。
それが一年経ち、二年経ちしていくうちに変わっていく。
ルルアがココにいることが当たり前になったからだ。
七歳と十歳では気の使われ方は違う。
十歳と十二歳でも、だいぶ変わってしまう。
成人年齢が十五歳の国だから、その頃には扱いだけは一人前だ。
大人の聖女を気にかける者などいない。
29
あなたにおすすめの小説
【長編版】この戦いが終わったら一緒になろうと約束していた勇者は、私の目の前で皇女様との結婚を選んだ
・めぐめぐ・
恋愛
神官アウラは、勇者で幼馴染であるダグと将来を誓い合った仲だったが、彼は魔王討伐の褒美としてイリス皇女との結婚を打診され、それをアウラの目の前で快諾する。
アウラと交わした結婚の約束は、神聖魔法の使い手である彼女を魔王討伐パーティーに引き入れるためにダグがついた嘘だったのだ。
『お前みたいな、ヤれば魔法を使えなくなる女となんて、誰が結婚するんだよ。神聖魔法を使うことしか取り柄のない役立たずのくせに』
そう書かれた手紙によって捨てらたアウラ。
傷心する彼女に、同じパーティー仲間の盾役マーヴィが、自分の故郷にやってこないかと声をかける。
アウラは心の傷を癒すため、マーヴィとともに彼の故郷へと向かうのだった。
捨てられた主人公がパーティー仲間の盾役と幸せになる、ちょいざまぁありの恋愛ファンタジー長編版。
--注意--
こちらは、以前アップした同タイトル短編作品の長編版です。
一部設定が変更になっていますが、短編版の文章を流用してる部分が多分にあります。
二人の関わりを短編版よりも増しましたので(当社比)、ご興味あれば是非♪
※色々とガバガバです。頭空っぽにしてお読みください。
※力があれば平民が皇帝になれるような世界観です。
偽聖女として私を処刑したこの世界を救おうと思うはずがなくて
奏千歌
恋愛
【とある大陸の話①:月と星の大陸】
※ヒロインがアンハッピーエンドです。
痛めつけられた足がもつれて、前には進まない。
爪を剥がされた足に、力など入るはずもなく、その足取りは重い。
執行官は、苛立たしげに私の首に繋がれた縄を引いた。
だから前のめりに倒れても、後ろ手に拘束されているから、手で庇うこともできずに、処刑台の床板に顔を打ち付けるだけだ。
ドッと、群衆が笑い声を上げ、それが地鳴りのように響いていた。
広場を埋め尽くす、人。
ギラギラとした視線をこちらに向けて、惨たらしく殺される私を待ち望んでいる。
この中には、誰も、私の死を嘆く者はいない。
そして、高みの見物を決め込むかのような、貴族達。
わずかに視線を上に向けると、城のテラスから私を見下ろす王太子。
国王夫妻もいるけど、王太子の隣には、王太子妃となったあの人はいない。
今日は、二人の婚姻の日だったはず。
婚姻の禍を祓う為に、私の処刑が今日になったと聞かされた。
王太子と彼女の最も幸せな日が、私が死ぬ日であり、この大陸に破滅が決定づけられる日だ。
『ごめんなさい』
歓声をあげたはずの群衆の声が掻き消え、誰かの声が聞こえた気がした。
無機質で無感情な斧が無慈悲に振り下ろされ、私の首が落とされた時、大きく地面が揺れた。
【完結】次期聖女として育てられてきましたが、異父妹の出現で全てが終わりました。史上最高の聖女を追放した代償は高くつきます!
林 真帆
恋愛
マリアは聖女の血を受け継ぐ家系に生まれ、次期聖女として大切に育てられてきた。
マリア自身も、自分が聖女になり、全てを国と民に捧げるものと信じて疑わなかった。
そんなマリアの前に、異父妹のカタリナが突然現れる。
そして、カタリナが現れたことで、マリアの生活は一変する。
どうやら現聖女である母親のエリザベートが、マリアを追い出し、カタリナを次期聖女にしようと企んでいるようで……。
2022.6.22 第一章完結しました。
2022.7.5 第二章完結しました。
第一章は、主人公が理不尽な目に遭い、追放されるまでのお話です。
第二章は、主人公が国を追放された後の生活。まだまだ不幸は続きます。
第三章から徐々に主人公が報われる展開となる予定です。
【完結】姉は聖女? ええ、でも私は白魔導士なので支援するぐらいしか取り柄がありません。
猫屋敷 むぎ
ファンタジー
誰もが憧れる勇者と最強の騎士が恋したのは聖女。それは私ではなく、姉でした。
復活した魔王に侯爵領を奪われ没落した私たち姉妹。そして、誰からも愛される姉アリシアは神の祝福を受け聖女となり、私セレナは支援魔法しか取り柄のない白魔導士のまま。
やがてヴァルミエール国王の王命により結成された勇者パーティは、
勇者、騎士、聖女、エルフの弓使い――そして“おまけ”の私。
過去の恋、未来の恋、政略婚に揺れ動く姉を見つめながら、ようやく私の役割を自覚し始めた頃――。
魔王城へと北上する魔王討伐軍と共に歩む勇者パーティは、
四人の魔将との邂逅、秘められた真実、そしてそれぞれの試練を迎え――。
輝く三人の恋と友情を“すぐ隣で見つめるだけ”の「聖女の妹」でしかなかった私。
けれど魔王討伐の旅路の中で、“仲間を支えるとは何か”に気付き、
やがて――“本当の自分”を見つけていく――。
そんな、ちょっぴり切ない恋と友情と姉妹愛、そして私の成長の物語です。
※本作の章構成:
第一章:アカデミー&聖女覚醒編
第二章:勇者パーティ結成&魔王討伐軍北上編
第三章:帰郷&魔将・魔王決戦編
※「小説家になろう」にも掲載(異世界転生・恋愛12位)
※ アルファポリス完結ファンタジー8位。応援ありがとうございます。
【完結】濡れ衣聖女はもう戻らない 〜ホワイトな宮廷ギルドで努力の成果が実りました
冬月光輝
恋愛
代々魔術師の名家であるローエルシュタイン侯爵家は二人の聖女を輩出した。
一人は幼き頃より神童と呼ばれた天才で、史上最年少で聖女の称号を得たエキドナ。
もう一人はエキドナの姉で、妹に遅れをとること五年目にしてようやく聖女になれた努力家、ルシリア。
ルシリアは魔力の量も生まれつき、妹のエキドナの十分の一以下でローエルシュタインの落ちこぼれだと蔑まれていた。
しかし彼女は努力を惜しまず、魔力不足を補う方法をいくつも生み出し、教会から聖女だと認められるに至ったのである。
エキドナは目立ちたがりで、国に一人しかいなかった聖女に姉がなることを良しとしなかった。
そこで、自らの家宝の杖を壊し、その罪を姉になすりつけ、彼女を実家から追放させた。
「無駄な努力」だと勝ち誇った顔のエキドナに嘲り笑われたルシリアは失意のまま隣国へと足を運ぶ。
エキドナは知らなかった。魔物が増えた昨今、彼女の働きだけでは不足だと教会にみなされて、姉が聖女になったことを。
ルシリアは隣国で偶然再会した王太子、アークハルトにその力を認められ、宮廷ギルド入りを勧められ、宮仕えとしての第二の人生を送ることとなる。
※旧タイトル『妹が神童だと呼ばれていた聖女、「無駄な努力」だと言われ追放される〜「努力は才能を凌駕する」と隣国の宮廷ギルドで証明したので、もう戻りません』
(完結)お荷物聖女と言われ追放されましたが、真のお荷物は追放した王太子達だったようです
しまうま弁当
恋愛
伯爵令嬢のアニア・パルシスは婚約者であるバイル王太子に突然婚約破棄を宣言されてしまうのでした。
さらにはアニアの心の拠り所である、聖女の地位まで奪われてしまうのでした。
訳が分からないアニアはバイルに婚約破棄の理由を尋ねましたが、ひどい言葉を浴びせつけられるのでした。
「アニア!お前が聖女だから仕方なく婚約してただけだ。そうでなけりゃ誰がお前みたいな年増女と婚約なんかするか!!」と。
アニアの弁明を一切聞かずに、バイル王太子はアニアをお荷物聖女と決めつけて婚約破棄と追放をさっさと決めてしまうのでした。
挙句の果てにリゼラとのイチャイチャぶりをアニアに見せつけるのでした。
アニアは妹のリゼラに助けを求めましたが、リゼラからはとんでもない言葉が返ってきたのでした。
リゼラこそがアニアの追放を企てた首謀者だったのでした。
アニアはリゼラの自分への悪意を目の当たりにして愕然しますが、リゼラは大喜びでアニアの追放を見送るのでした。
信じていた人達に裏切られたアニアは、絶望して当てもなく宿屋生活を始めるのでした。
そんな時運命を変える人物に再会するのでした。
それはかつて同じクラスで一緒に学んでいた学友のクライン・ユーゲントでした。
一方のバイル王太子達はアニアの追放を喜んでいましたが、すぐにアニアがどれほどの貢献をしていたかを目の当たりにして自分達こそがお荷物であることを思い知らされるのでした。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
全25話執筆済み 完結しました
【完結】たぶん私本物の聖女じゃないと思うので王子もこの座もお任せしますね聖女様!
貝瀬汀
恋愛
ここ最近。教会に毎日のようにやってくる公爵令嬢に、いちゃもんをつけられて参っている聖女、フレイ・シャハレル。ついに彼女の我慢は限界に達し、それならばと一計を案じる……。ショートショート。※題名を少し変更いたしました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる