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百七十九話

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最近異世界に召喚されたお兄さんは魔法使いの適正があったナイトである私はそいつと一緒に旅をする
百七十九話
最近異世界に召喚されたお兄さんは魔法使いの適正があったナイトである私はそいつと一緒に旅をする
百七十九話
あらすじ 魔王サタンの城に来た勇者一行、彼等はある人物に出会う為この場所にやってきたのであった。
そしてその人物の前に辿り着いたとき二人は驚きの声を上げるのだった。
勇者の告白によって明かされた真実
「なるほど……やはりそういう事であったか……まさか人間がこちらの世界に来られるとはな。……さて、私はこれからそなたの問い掛けに応えようと思う。答えてほしいのだろう?」
それを聞いて勇者ははいと答えると、彼はこう述べた。
「私が知っていることは限られている。それでも構わないのか?」
それに続けて勇者は尋ねる。
「えぇ構いません、どんな些細な情報でも得ておきたかったので」
それに対してサタンは了承の意を示したのであった。
「承知した。では最初に言っておくぞ、我等悪魔は天使から堕ちたものたちの末裔であり忌み嫌われてきた種族である」
「……ッ!?」
その発言に対して衝撃を受けたような顔をしていた。そしてそんな様子の彼を気にも止めずにサタンの話を続ける。
「次に我等は魔王サタンの下に集まっているわけではない。あくまで協力関係であり対等な立場なのだ。……最後に、これが最も重要な事柄であり、我等の願いでもある。」
「それは?」
サタンは一瞬の躊躇を見せた後にこう告げるのであった。
「魔族・魔物・魔獣、これらは本来全て同じものなのだ。これらを創り出したのは我らの同胞であり悪魔達である。」
それを聞いて勇者達は信じられないといった顔をしていた。
「おい、今なんて言ったんだよ!」と声を荒らげながらサタンに問う勇者だったが……サタンはそれを無視して勇者に近付くと耳打ちをした。
「我等と共に来るのだ勇者……これは忠告だがこの先は地獄よりも酷い有様であろう。……もしお前がその先に行くと言うならば心して聞くがよい。」
そう言われた勇者は戸惑いつつも覚悟を決めた表情になっていた。それを見てサタンは彼の目をじっと見つめた後で一言だけ呟く。
「いい目だ。それではそなたについて行こう」と口にすると指を鳴らす。
すると足元が光り出し、眩しさを感じた瞬間に視界が真っ白に染まったかと思った直後、そこは見慣れた自分の部屋へと変わっていた。
ベッドに横になった状態で目覚めたジャック(偽名)は起き上がるとすぐに状況を確認する。そこにはいつも通りの兄弟がいて、外は暗くなり始めていた。
(戻ってきたのか?……しかし何故あんな夢を見たんだろうか?)
と不思議そうに考えていると扉が開かれて弟が現れた。
「大丈夫かい?なんかうなされてたけど」と心配そうに聞いてきたので俺は「大丈夫だよ」と答えたのだった。
「そういえば他の皆は?」と聞いたところ既に出掛けたようだ。俺が寝ていた間に兄弟で何処かに行っていたらしく、そこでの話を聞いていたのだが……何故か途中から内容が入ってこなかった。多分あの夢のせいだと思う。……一体何者なんだろうな。まぁ考えていてもしょうがない。あいつの言葉を信じてみるか。
とりあえず今日もバイトがあるし準備しようか。
◆ 翌日、再び魔王城へ転移した。
相変わらず空は赤く、辺りには人骨が転がっている。それを見た俺は嫌悪感をあらわにした顔つきになりながら、魔王城に向かって歩いていった。
しばらく歩いているとサタン達が立っていたのを発見したので駆け寄って話しかける。
「待っててくれてありがとうございます。それで早速なんですが教えてもらえますか?」と質問するとサタンが口を開いた。
「分かった、何でも答えると約束したからな。私に分かる範囲の事であれば答えよう。……そうだなまずはこの世界について説明させてもらうとするよ。」とサタンに言われ、その内容を聞いた。……要約すればこんな感じになる。
ここは元々は普通の世界だったらしい。普通といっても地球とは違う次元にあるとかいう話で、それがどうして変わったかというとサタンが元凶みたいで、なんでも人間の負の感情とやらをエネルギー源にしているらしく、どうやらそいつを利用して戦争を起こしているみたいだ。……要するに人間を殺すのが趣味なサイコ野郎な訳か。マジクソすぎてぶん殴りたい。
更に奴の目的だが、どうやら神と呼ばれる存在の復活らしい。そいつは別次元から現れるみたいなんだけど、それを起こすために負の力が必要とのこと。そのためにわざわざ人を呼び寄せたり殺して溜め込んでいたらしい。そしてそれが終わった暁にそいつを復活させようとしているとの事だった。
それを聞いて怒りが爆発しそうになったもののなんとか堪えると、話を続けた。
百七十九話完
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