ざまぁ対象の悪役令嬢は穏やかな日常を所望します

たぬきち25番

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第四章 お飾りの王太子妃、郷愁の地にて

30 ベルンに届け!!

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 クローディアの手紙が、ベルン国の王都に到着した。
 大公家の使いは、アンドリュー王子にクローディアからの手紙を渡し、宰相のジルベルトにはブラッドからの手紙を渡した。

 謁見の間で国王やアンドリュー、ジルベルトと三人が揃った状態で手紙を受け取り、その場で手紙を見たアンドリューが驚愕した。

「あの方は本当に……」

 そしてそのままその手紙を国王に見せた。
 国王が読み終わると、目を大きく開けて驚いた後に目を細めて微笑んだ。

「あの方は……どこに行ってもお忙しいな……」

 そして、ジルベルトはブラッドからの手紙から顔を上げて困ったような顔をして、そのままブラッドからの手紙も国王とアンドリューに見せた。

「ふふふ、どうやら我が国は大変な人物に借りを作ってしまいましたね。陛下、アンドリュー殿下。私は数日、この依頼に集中いたします。何がなんでも成功させて、恩人クローディア殿をお助けいたします」

 ジルベルトの言葉に、アンドリューも嬉しそうに声を上げた。

「ああ!! ジルベルト、もちろんこの件私も動くぞ。急ぎ承知した旨をクローディア様に伝えよう」

 アンドリューの言葉に、国王もジルベルトも大きく頷いたのだった。
 クローディアは無事に今回の作戦の要でもあるアンドリューたちの協力を取り付けることが出来たのだった。
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