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東京編

たび重なる偶然 ―― 2 (少し長文です)

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 あぁ! 
 彼女を助手席に乗せて車を走らせるなんて、
 *ヶ月ぶりだ。

 ささやかな幸せにうち震える。
 

「どこに行く?」

「……何処か、静かな所」

「了解」




 竜二は再び車を走らせる。
 絢音は車が揺れるせいにして、
 竜二がシフトレバーを握っている左手へ
 自分の右手をそうっと重ねた。
 

 車は街外れの高台をひたすら上った。

 民家もなくただ木と草しかないような寂しい道を
 走る。


「―― 着いたぜ」


 竜二はそう言って先に降り立ち、
 助手席へ回って、絢音も降りるよう促した。


「……ここ?」


 (何にもないけど)
 

「こっちだ」


 絢音は竜二の方へ歩いて行った。


「わぁ ――」


 高台から見下ろす街の夜景。

 特に今日は空気が澄んでいるせいかキラキラ光って
 とても綺麗だった。


「綺麗だろ?」

「うん。こんなとこに、
 こんないい場所があったなんて……」

 
 絢音は夜空を仰ぐように見上げる。


「空もお星さまもすっごく綺麗。
 なんだか手が届きそう」


 そう言って星空に手を伸ばす。 
 
 そうして2人そこからの眺めにしばし
 言葉を失い、魅入っていた。


 ヒュルルル ――――

 吹き抜けていく風に思わず体を縮こまらせ、
  ”クシュン!”2人同時に大きなくしゃみ。

 顔を見合わせ、思わず吹き出す。

 ひとしきり笑った効果か?

 それまで2人の間に漂っていた何とも言えぬ
 気まずさが一気に消えた。

 少し震える絢音の体をそうっと抱き寄せる。


「……逢いたかった……ずっと……」

「……も」


 抱きしめる力を徐々に強める竜二の背中に
 絢音がおずおずと腕を回した。


「……わたし、も……逢いたかった……」


 絢音が自分の背中を離してしまわないうちに、
 竜二は絢音に口付けた。

 抑えていた感情を一気に互いにぶつけるように
 何度も口付けを交わす。

 やっと……触れることが出来た。

 もう、どうなっても良かった。
 どんなに責められようと ――
 批判されようと ――
 絢音と一緒に居たい。
 彼女とこれからの人生を歩いていきたい。

 2人は飽きることなく口付けを交わし合った。



***** ***** *****




 車に戻り ――  

 後部座席に押し倒されて、
 私の上に乗った竜二がドアを閉めた。


「スモークが張ってあるから外からは見えない」

「別に見られても……良かったけど?」


 ちょっとは、余裕のふりをする。


「じゃあ、外でするか?」


 竜二が笑う。


「寒いからイヤ」


 2人で笑いながら身体を重ねた。

 竜二が自分のズボンのベルトを外した音だけで
 身体が粟立つのが分かった。

 自分でストッキングを脱ごうとした手を竜二が
 止める。


「俺にヤラせろ」


 笑いながらショーツも一緒に脱がして
 ブラウスも脱がし始めた。

 
「ちょっ ―― 私ばっかズルいよ」

「ほな、俺のは絢が脱がして」

「……い、いいよ」


 竜二のは、まず、ネクタイを取ってYシャツから
 脱がせた。

 わぉ……相変わらずの鍛えられたシックスパックが
 お目見えして、思わず”ホォ”っと吐息が漏れる。

 続いては、禁断の……。

 スラックスを下ろせば、
 露わになったボクサーブリーフのてっぺん辺りに
 小さなシミが出来ていた。


「すごぉい、もうこんな……」

「ん、しゃーねぇだろ、ここんとこ年度末の
 追い込みで忙しくて……どころじゃなかったんだ」


 顔を耳まで真っ赤にして、
 そんな風に拗ねる竜二がとっても可愛くて、
 私はシミの出来ているその部分へゆっくり頬ずり
 しながら、ボクサーブリーフを下へずらしていく


「お、お前、何時の間にそんなテク……」

「ふふふ……」


 ピョコン、と、現れた、下っ腹にへばり付きそうな
 くらいいきり勃っている竜二の分身を即座に
 口の中へ ――
  
 ”うわっ”っと小さく呻いた竜二の分身が、
 私の口の中でさらにその容量を増した。


「ま ―― 待て、ヤバい……うっ ――」


 それだけで竜二は吐精した。


「えっと……すっきりした?」

「こ、こいつ……」


 笑いながら、さらに竜二のモノへ舌を這わせる。


「ふ……っあ……!」


 また吐精した。
 こんな短時間で立て続けに2回なんて、
 初めてだ。


「竜二センセ、感じまくりー?」


 笑う私に「うるさい!」と怒る竜二を見て
 また笑った。


「そんな可愛い顔して、も、限界だ ――」


 私の両足を持ち上げて、
 竜二がいきなり自分のモノをねじ込んできた。


「ふ、あぁっ!……っく……」


 久しぶりに挿れられた身体が悲鳴を上げる。


「!……お前も、久しぶりなん?」

「ん……だから、少しは優しくね?」

「おぉ、ほな、出来るだけゆっくりヤるから」


 私にキスをしながら竜二がゆっくりと腰を動かす。
 自分の身体の奥に入ってくる感覚が身体を
 濡らしていく。


「は…っう…、ん…っ」


 身体の中に完全に入ったモノが
 痙攣したことで、私の腰がうずく。


「や ―― っ、こ、こわ……い」


 腰のうずきが全身を駆け巡り、震え始めた。


「しがみついてろ」


 言われた通り竜二にしがみついた。
  
 それを合図に、そのまま私を抱えるようにして
 対面座位に。


「あ、はんっ ―― これあかん、深かすぎ……」


 キスをしながら腰を動かし始めた。


「あ……っあ……」

「あや……オレの名前を呼べ」

「あ……、り……りゅ……うじ……」


 必死にしがみついて名前を呼ぶ。


「絢……」


 竜二の腰の動きが徐々にスピードを増す。

 顔中にキスを落とされて、
 私はいつ終わるとも知れぬ快感の波に翻弄され
 続ける。


「ん……っ、……くっ……りゅう、じ……」

「なんだ?」


 そう聞き返しながら、
 私の肩を掴んで腰を突き上げた。


「うわっ ―― すご……きもち、いい……」

「あぁ、オレも凄くいい」


 車が激しく揺れるくらいに竜二が私の身体を
 突き上げる。


「りゅじぃ……っ」


 私はただ竜二の身体にしがみつくだけしか
 出来ない。


「あや……絢音……愛してる……」

「わ、私も……愛してる……竜二」


 私の言葉に動きを一瞬止めた竜二は
 私を見て微笑んだ。


「ずっと前から知っていた」


 舌を絡めあいながら身体を強く突き始めた。

 竜二に突かれる度に腰が何度も痙攣して、
 私は小さい絶頂を繰り返す。


「ふぁ……も、だ……んっ……」

「何度でもイかせてやる」
 

 竜二が内壁が破れるかのように強く突き上げ、
 痙攣する。


「あ ―― あぁぁっ!」


 その感覚が腰を大きく痙攣させて背中をのけ反らせ
 達した私は竜二と座席に沈み込んだ。

 ヒーターもかけていない晩春の車内なのに、
 2人ともフルマラソンをした後みたいに、
 息が乱れ汗だくだ。


 行為が終わるのを待っていたかのような
 タイミングで、お互いのお腹が悲鳴を上げた。

 顔を見合わせ、また、大爆笑。


「……途中でなんか食って行こう」

「ううん。……食べ物買う時間も、もったいない。
 もっとあなたと……ね?」
 
 
 (”ね?”なんて、潤みきった眼差しで言われたら
  また、わがままムスコが騒ぎ出すじゃん。
  そこんとこ、分かってんのかねぇ~こいつは……)
  
  
「じゃ、ルームサービスで済ませるか」

「うん……」

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