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2nd-contact
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不安と心配で押しつぶされそうになりながら、僕は帰路に就いていた。
あの日のことを覚えてくれていたのが、うれしかった。
なのに、今はそれと同じ程に、大きな怒りが、僕の心を渦巻く。
「クソッ、クソッ!」
吐き慣れない暴言を吐き、焦りで早くなる足で、家へ帰る。
右手が痛む。
開くと、食い込んだ爪で手の平が赤く染まっていた。
とにかく、気が気では無かった。
まともに食べ物が喉を通らなかったし、眠りにつくこともままならなかった。
結果、
「うぅ、のどがいだい……」
こうなった。
昔から体が弱く、よく体調を崩しては家族に心配されていたのを思い出す。
今でも3日に1度くらいのペースで熱が出るものの、生活習慣を乱さなければ幸い症状は軽いので、本来なら生活に支障はないのだ。
それが、食事や睡眠を怠れば当然こうなるだろう。
「あぁ、お見舞い、行きたかったなぁ……」
✲✲✲
ズキズキ痛む頭と、起こった出来事の大きさに混乱しながら、目を覚ますと、そこには……!
「お、起きたか。すまねぇな、篠田じゃなくて」
りっくんとは違う人がいた。
──「そうだったんですか。だから代わりにあなたが」
「あの病弱さは異常だろ。ってか、小堀さんあいつのこと知ってんだな。篠田のあの慌てようといい、さては幼馴染か何かか?」
「…………」
私は話さなかった。
話したくなかった。
何故か、私はそう思ってしまった。
「ま、それはいいとして……。ここに来る前に篠田の家に寄ったんだがあいつ、だいぶ悔しそうだったぜ。一応あいつから伝言も預かってるんだが、聞くか?」
「……はい」
聞きたい。
何を伝えたかったのか。
不思議と、怖さはなかった。
「『怪我が治ったら、連絡してください。海堂くんに連絡先を預けました。僕も風邪が治ったら、お見舞いに向かいます。』だとよ」
彼からというだけで、とても嬉しかった。
泣き出しそうなくらいに、どうしようも無く。
「ありがとうございます。伝言」
「いいってことよ。今度なんかあったら言ってくれ。まぁ、俺を頼ることはないだろうけどな」
そう言ってニカッと笑う彼を見て、私は少し、違和感を感じたのだった。
あの日のことを覚えてくれていたのが、うれしかった。
なのに、今はそれと同じ程に、大きな怒りが、僕の心を渦巻く。
「クソッ、クソッ!」
吐き慣れない暴言を吐き、焦りで早くなる足で、家へ帰る。
右手が痛む。
開くと、食い込んだ爪で手の平が赤く染まっていた。
とにかく、気が気では無かった。
まともに食べ物が喉を通らなかったし、眠りにつくこともままならなかった。
結果、
「うぅ、のどがいだい……」
こうなった。
昔から体が弱く、よく体調を崩しては家族に心配されていたのを思い出す。
今でも3日に1度くらいのペースで熱が出るものの、生活習慣を乱さなければ幸い症状は軽いので、本来なら生活に支障はないのだ。
それが、食事や睡眠を怠れば当然こうなるだろう。
「あぁ、お見舞い、行きたかったなぁ……」
✲✲✲
ズキズキ痛む頭と、起こった出来事の大きさに混乱しながら、目を覚ますと、そこには……!
「お、起きたか。すまねぇな、篠田じゃなくて」
りっくんとは違う人がいた。
──「そうだったんですか。だから代わりにあなたが」
「あの病弱さは異常だろ。ってか、小堀さんあいつのこと知ってんだな。篠田のあの慌てようといい、さては幼馴染か何かか?」
「…………」
私は話さなかった。
話したくなかった。
何故か、私はそう思ってしまった。
「ま、それはいいとして……。ここに来る前に篠田の家に寄ったんだがあいつ、だいぶ悔しそうだったぜ。一応あいつから伝言も預かってるんだが、聞くか?」
「……はい」
聞きたい。
何を伝えたかったのか。
不思議と、怖さはなかった。
「『怪我が治ったら、連絡してください。海堂くんに連絡先を預けました。僕も風邪が治ったら、お見舞いに向かいます。』だとよ」
彼からというだけで、とても嬉しかった。
泣き出しそうなくらいに、どうしようも無く。
「ありがとうございます。伝言」
「いいってことよ。今度なんかあったら言ってくれ。まぁ、俺を頼ることはないだろうけどな」
そう言ってニカッと笑う彼を見て、私は少し、違和感を感じたのだった。
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