ハルの海へ
桐谷春陽は新卒の編集者。父は地元の老舗町中華を営んでいる。海のそばで生まれ育ちながらも、亡くなった母のことを思い出す海に近寄れない。かつて栄えた地元商店街は、高齢化と老朽化によって、閑古鳥が鳴いていた。そんな廃れかけた町に大手企業の再開発計画が進行中だと知る春陽。時を同じくして、地元の海にイルカの母子は住みつき、にわかに観光客で賑わっていく。遠き昔にも家のすぐそばの海にイルカの母子が住んでいた。春陽は幼少期を思い出しつつ、仕事に恋にと社会人の新生活に頑張りながら、いつしか地元の町と父の中華料理店を守りたいという想いが芽生える。幼なじみや地元の仲間に支えられ、失われた過去を取り戻そうと奮闘する春陽は、新しい季節を迎えるなか――。
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