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平凡吸血鬼のおれがアレを授かりまして
1-1-吸血鬼もどき
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※前章との繋がりはありません
また別の世界の比良くんと柚木のお話になっています
柚木は吸血鬼だ。
とは言っても、その血は大分薄れてきていて、ほぼほぼ人間に近い。
いやもうほぼほぼド人間と言っても過言じゃなかった。
おじいちゃんのおじいちゃんのそのまたおじいちゃんが吸血鬼だったんだっけ。
でも別に太陽苦手じゃないし、ふつーにニンニク料理食べれるし。
まず生き血ってやつに興味がない。
そんなわけで普通のド人間……いや、普通レベルよりもやや劣りがちな平凡男子の柚木は吸血鬼の子孫という理由で特に何ら不自由を覚えるでもなく、極々平和な日々を送っていた。
彼に会うまでは。
「やった~、比良クンと同じクラスだっ」
「きっと前世の私が徳を積んだおかげ……」
高校二年生になって柚木は彼と同じクラスになった。
比良柊一朗。
弓道部のエースであり、文武両道、劇的に男前ルックスで性格良しというパーフェクト男子。
違うクラスだった一年生のときも彼のことは当然知っていて、同じ教室になって改めて比良の人気ぶりに圧倒され、周囲と同じく惚れ惚れとした柚木であったが……。
かっこいいなぁ、比良くん。
背、高くて、頭ちっさくて、落ち着いてて、分け隔てなくて。
古典の音読、あの読みづらい難解文章をすらすら読んじゃうとこ、非凡オーラぷんぷんでやばい。
体育のときはどんなスポーツもそつなくこなすし、いつもみんなに囲まれてて、リーダー的存在で。
ほんとかっこいいなぁ。
どんな味がするのかなぁ……。
「……は……?」
柚木自身、驚かされた。
今まで一度だって思ったことがなかった。
誰かの血の味が気になるなんて……。
「――溝口さん。黒板消すの、手伝うよ」
……はぁ、今日の比良くんも男前だぁ、そばでふわふわ浮いてるホコリまでキラキラして見える~。
……どんな味なんだろなぁ。
「いやいや、やばいってば」
休み時間、柚木は机の上でひっそり青ざめた。
「ゆずくん、最近独り言多くない?」
「どした、思春期か、悩み聞こか?」
「し……思春期……あ~……なるほど……」
いわゆる思春期の迷いってやつなのかもしれない。
日直でもない比良が身長の低い日直女子の代わりに黒板上部を消しているのをチラリと見、柚木はため息を押し殺す。
「うおお、ごめん比良クン、オレやるから、日直オレだから」
後から来て恐縮している日直男子に「一番前の席だから何となく」と笑顔で告げた比良にほとんどのクラスメートは「はわわ……」と見惚れた、深刻モードになりかけた柚木も例外ではなかった。
ただふと比良と目が合うと慌てて俯いた。
ちょっとした罪悪感。
彼の血の味が気になる吸血鬼の性(さが)に困り果てた。
ほんと今までこんなことなかったのに。
こんなにも吸血鬼っぽい悩みを持つことになるなんて思いもしなかった……。
また別の世界の比良くんと柚木のお話になっています
柚木は吸血鬼だ。
とは言っても、その血は大分薄れてきていて、ほぼほぼ人間に近い。
いやもうほぼほぼド人間と言っても過言じゃなかった。
おじいちゃんのおじいちゃんのそのまたおじいちゃんが吸血鬼だったんだっけ。
でも別に太陽苦手じゃないし、ふつーにニンニク料理食べれるし。
まず生き血ってやつに興味がない。
そんなわけで普通のド人間……いや、普通レベルよりもやや劣りがちな平凡男子の柚木は吸血鬼の子孫という理由で特に何ら不自由を覚えるでもなく、極々平和な日々を送っていた。
彼に会うまでは。
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かっこいいなぁ、比良くん。
背、高くて、頭ちっさくて、落ち着いてて、分け隔てなくて。
古典の音読、あの読みづらい難解文章をすらすら読んじゃうとこ、非凡オーラぷんぷんでやばい。
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ほんとかっこいいなぁ。
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「……は……?」
柚木自身、驚かされた。
今まで一度だって思ったことがなかった。
誰かの血の味が気になるなんて……。
「――溝口さん。黒板消すの、手伝うよ」
……はぁ、今日の比良くんも男前だぁ、そばでふわふわ浮いてるホコリまでキラキラして見える~。
……どんな味なんだろなぁ。
「いやいや、やばいってば」
休み時間、柚木は机の上でひっそり青ざめた。
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いわゆる思春期の迷いってやつなのかもしれない。
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「うおお、ごめん比良クン、オレやるから、日直オレだから」
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ただふと比良と目が合うと慌てて俯いた。
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