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歯車が狂うとき②
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「よし、じゃあ私たちの永遠の友情に乾杯しよう!」
「うん!智美の結婚と私の新しい生活にも。」
その日は、智美もいつも以上にお酒を飲んでいて、途中から気持ちが悪いと言って、背中をさすったり薬を飲んだりして…まるで学生時代のころを思い出すねと笑いあった。
特に何を話したかなんて覚えていないけど、ただただ智美と飲んでいた時は楽しかったことだけは覚えている。だから、初めて二日酔いで会社に行くのは、最初は恥ずかしいと思ったが、思い出作りとして間違っていないと自分を信じることにした。
幸いにも、服もメイク道具も買っていたし、漫画喫茶のシャワールームで汗も流せたのがよかった。
「おはようございます。」
「おはようございます。今日も引き継ぎよろしくお願いします。ん……?あれ?」
「ど、どうしたの?神盛さん。」
もしかしてお酒臭い?と焦って自分の息を確認してみる。
「メイク変えました?」
「え……?あぁ、うん。友達に教えてもらって……。」
「なるほど~。」
「え?なるほどって…?」
「女の人がメイクを変えるときって、好きな人ができた時か好きな人と別れた時なんですよね~。」
「そ、そんなことないんじゃない?ほら、季節とか年齢とか流行とか……」
「お酒の臭いもするんで、別れたんですね。」
「ほ、ほら、お仕事しよ、お仕事。」
女の子って本当に鋭い。私が逆に鈍感すぎるだけなのだろうか。
福田さんと目が合って、どういう反応をすればいいのかわからず、急いで視線を逸らした。映画を観に行こうと言っていたけど……そういえばいつ行くのだろう。
少し、楽しみにしている自分がいるのは事実だった。
「宮園さん、あの、お昼一緒に食べませんか?」
「え…?」
でも、まさか仕事場でこんな風に話しかけられるとは思っていなかった。隣に座っている神盛さんもあまりの突然にぽかんと口を開けている。
「あ、えっと……お弁当があるので……」
「私がそのお弁当食べちゃうんで、2人は外で食べてきてください。」
「え?神盛さん、ちょっと……」
周りの人の視線を見るのも怖くて、福田さんの手を引っ張って外へ出ることにした。後ろで「どういうことなんだ?」と噂話をするような声が聞こえてきて、足早に会社から去りたかった。
「うん!智美の結婚と私の新しい生活にも。」
その日は、智美もいつも以上にお酒を飲んでいて、途中から気持ちが悪いと言って、背中をさすったり薬を飲んだりして…まるで学生時代のころを思い出すねと笑いあった。
特に何を話したかなんて覚えていないけど、ただただ智美と飲んでいた時は楽しかったことだけは覚えている。だから、初めて二日酔いで会社に行くのは、最初は恥ずかしいと思ったが、思い出作りとして間違っていないと自分を信じることにした。
幸いにも、服もメイク道具も買っていたし、漫画喫茶のシャワールームで汗も流せたのがよかった。
「おはようございます。」
「おはようございます。今日も引き継ぎよろしくお願いします。ん……?あれ?」
「ど、どうしたの?神盛さん。」
もしかしてお酒臭い?と焦って自分の息を確認してみる。
「メイク変えました?」
「え……?あぁ、うん。友達に教えてもらって……。」
「なるほど~。」
「え?なるほどって…?」
「女の人がメイクを変えるときって、好きな人ができた時か好きな人と別れた時なんですよね~。」
「そ、そんなことないんじゃない?ほら、季節とか年齢とか流行とか……」
「お酒の臭いもするんで、別れたんですね。」
「ほ、ほら、お仕事しよ、お仕事。」
女の子って本当に鋭い。私が逆に鈍感すぎるだけなのだろうか。
福田さんと目が合って、どういう反応をすればいいのかわからず、急いで視線を逸らした。映画を観に行こうと言っていたけど……そういえばいつ行くのだろう。
少し、楽しみにしている自分がいるのは事実だった。
「宮園さん、あの、お昼一緒に食べませんか?」
「え…?」
でも、まさか仕事場でこんな風に話しかけられるとは思っていなかった。隣に座っている神盛さんもあまりの突然にぽかんと口を開けている。
「あ、えっと……お弁当があるので……」
「私がそのお弁当食べちゃうんで、2人は外で食べてきてください。」
「え?神盛さん、ちょっと……」
周りの人の視線を見るのも怖くて、福田さんの手を引っ張って外へ出ることにした。後ろで「どういうことなんだ?」と噂話をするような声が聞こえてきて、足早に会社から去りたかった。
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