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もう一度、あなたに恋をする。
さらに悪化…
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「はぁ…」
「巧…どうしたの?ため息なんてらしくないじゃん…」
「うん…」
巧は美優と距離を置こうと海で言った日から仕事があまりうまくいかなくなっていた。
「美優のご飯食べてぇ~」
「…私のご飯で我慢してよ!ほら、そのおかげでこの写真とかカッコいいよ!」
沙織が巧が写っている雑誌を見せてきた。
「こういうの見ているとさ、違う人みたいなんだよな…大体目の色が違うし…」
「だったらコンタクトとればいいじゃない。」
「…それは無理だな。あの日記者会見の日だけって決めてたし、ほとんどの人は片目がブルーなんて受け付けられないはずだ。それに…」
「それに…?」
「…コンタクトを外した素の自分は美優の前だけがいい。」
「…」
「二人は…距離とってるって本当?」
「あぁ…」
「私の…せい?」
「いや、それは違う。俺のせいだから気にするな。」
「…」
あんな写真を撮られたら誰だって誤解をすると沙織は思った。
兄とそういう関係なんて知られたくない――
だけど大好きな人が元気もなくしょんぼりしている姿を見たくないという気持ちもあった。
「私…美優ちゃんに本当のことを――」
「これは俺たちの問題だから、心配すんな。俺が美優を好きにさせることができなかった、それだけだ。」
「日向!さっきの演技は何!?どうしちゃったのよ最近!」
橘が怒りながら休憩している巧に近寄ってきた。
「…ごめん。」
「謝るなんて本当どうしたのよ!?演技に関しては何言われても信念もってるからって謝らなかったのに…」
「演技がわかんなくなってきた…」
「え…ちょっと今日はもう休みましょう。上手く話するから。あ、真田さんに相談してみたら?」
「母さんに?」
「大女優なんだし、相談にのってくれるわよ。」
「…わかった。」
「お母さんだもの。喜んできいてくれるわよ。」
巧は楓に電話をかけてみた。
「母さん?うん…ちょっと話したいことあるんだ。今日いい?うん…え?」
巧は沙織のほうをチラッとみる。
「沙織。」
「何?」
「今日このあと時間あるか?」
「あるけど…」
「母さんがお前から俺の施設時代の話聞きたいって…」
「…うん、行く。」
「ちょっと待った!」
橘が二人の会話に割って入ってきた。
「二人きりになるなって言ったでしょ!私も行く!」
結局、巧、沙織、橘の三人で実家に行くことになった。
「巧…!」
楓は引退したとはいえ、もともとが美しいからか現役と変わらず美しかった。
楓は巧をぎゅっと抱きしめた。
「おかえりなさい。」
「…ただいま。」
巧はまだ楓を母親として受け入れることができなく、ぎこちなかった。
「巧のマネージャーの橘さんですよね?お母様にも大変お世話になってります。」
「やめてください、頭上げてください。こちらこそいつもご子息にはお世話になっております。」
橘と楓はお互いに深々と頭を下げた。
「あなたが沙織さんね…」
「はい!今巧さんのスタイリストも担当しています!沙織です。」
「沙織さん…施設時代はお世話になりました。」
楓はまた深々と頭を下げた。
「いえ、そんな…私のほうがいつも巧さんを頼って…お世話になりました。」
沙織も深々と頭を下げた。
「やだ、玄関先で…さ、中に入ってください。食事の用意をしてもらったので…」
テーブルにはホテルのような食事がたくさん並べてあった。
“カチャ…”
みんなで食卓を囲み食事を始めた。
「沙織さん、ルイ…巧の話をぜひ聞かせて。どんな子だったのかしら?」
「えっと…すごく近づきにくいオーラがあったんですけど、話せばすごく優しくて…私が男の人怖かったんですけど、優しい巧だけ大丈夫だったんで、いつもそばにいてくれました。」
「そう…」
楓は嬉しそうに巧を見つめる。
「巧…?調子悪いの?食べてないじゃない…」
「…」
「何か食べたいものあるの?作ってもらいましょうか?」
「巧…どうしたの?ため息なんてらしくないじゃん…」
「うん…」
巧は美優と距離を置こうと海で言った日から仕事があまりうまくいかなくなっていた。
「美優のご飯食べてぇ~」
「…私のご飯で我慢してよ!ほら、そのおかげでこの写真とかカッコいいよ!」
沙織が巧が写っている雑誌を見せてきた。
「こういうの見ているとさ、違う人みたいなんだよな…大体目の色が違うし…」
「だったらコンタクトとればいいじゃない。」
「…それは無理だな。あの日記者会見の日だけって決めてたし、ほとんどの人は片目がブルーなんて受け付けられないはずだ。それに…」
「それに…?」
「…コンタクトを外した素の自分は美優の前だけがいい。」
「…」
「二人は…距離とってるって本当?」
「あぁ…」
「私の…せい?」
「いや、それは違う。俺のせいだから気にするな。」
「…」
あんな写真を撮られたら誰だって誤解をすると沙織は思った。
兄とそういう関係なんて知られたくない――
だけど大好きな人が元気もなくしょんぼりしている姿を見たくないという気持ちもあった。
「私…美優ちゃんに本当のことを――」
「これは俺たちの問題だから、心配すんな。俺が美優を好きにさせることができなかった、それだけだ。」
「日向!さっきの演技は何!?どうしちゃったのよ最近!」
橘が怒りながら休憩している巧に近寄ってきた。
「…ごめん。」
「謝るなんて本当どうしたのよ!?演技に関しては何言われても信念もってるからって謝らなかったのに…」
「演技がわかんなくなってきた…」
「え…ちょっと今日はもう休みましょう。上手く話するから。あ、真田さんに相談してみたら?」
「母さんに?」
「大女優なんだし、相談にのってくれるわよ。」
「…わかった。」
「お母さんだもの。喜んできいてくれるわよ。」
巧は楓に電話をかけてみた。
「母さん?うん…ちょっと話したいことあるんだ。今日いい?うん…え?」
巧は沙織のほうをチラッとみる。
「沙織。」
「何?」
「今日このあと時間あるか?」
「あるけど…」
「母さんがお前から俺の施設時代の話聞きたいって…」
「…うん、行く。」
「ちょっと待った!」
橘が二人の会話に割って入ってきた。
「二人きりになるなって言ったでしょ!私も行く!」
結局、巧、沙織、橘の三人で実家に行くことになった。
「巧…!」
楓は引退したとはいえ、もともとが美しいからか現役と変わらず美しかった。
楓は巧をぎゅっと抱きしめた。
「おかえりなさい。」
「…ただいま。」
巧はまだ楓を母親として受け入れることができなく、ぎこちなかった。
「巧のマネージャーの橘さんですよね?お母様にも大変お世話になってります。」
「やめてください、頭上げてください。こちらこそいつもご子息にはお世話になっております。」
橘と楓はお互いに深々と頭を下げた。
「あなたが沙織さんね…」
「はい!今巧さんのスタイリストも担当しています!沙織です。」
「沙織さん…施設時代はお世話になりました。」
楓はまた深々と頭を下げた。
「いえ、そんな…私のほうがいつも巧さんを頼って…お世話になりました。」
沙織も深々と頭を下げた。
「やだ、玄関先で…さ、中に入ってください。食事の用意をしてもらったので…」
テーブルにはホテルのような食事がたくさん並べてあった。
“カチャ…”
みんなで食卓を囲み食事を始めた。
「沙織さん、ルイ…巧の話をぜひ聞かせて。どんな子だったのかしら?」
「えっと…すごく近づきにくいオーラがあったんですけど、話せばすごく優しくて…私が男の人怖かったんですけど、優しい巧だけ大丈夫だったんで、いつもそばにいてくれました。」
「そう…」
楓は嬉しそうに巧を見つめる。
「巧…?調子悪いの?食べてないじゃない…」
「…」
「何か食べたいものあるの?作ってもらいましょうか?」
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