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第4話 すれ違う視線 — Misread Glances
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月曜の夕方、講義がはねる鐘の音が、キャンパスの並木の上でほどけた。
桐谷湊と朝倉陽真は、いつものように並んで歩く。手はつながない。けれど、歩幅は自然と揃う。
「じゃあ、俺はこのあと家庭教師」
「僕は早番。20時には上がれるはず」
「終わったらLINEする」
「うん。忙しかったら無理しないで」
そんな短い言葉の往復だけで、十分に満たされる。
校門を出る前、二人は足を止めて、ほんの短いキスを交わした。誰にも気づかれない距離と時間。昨日までなかった習慣が、たった数日で“いつものこと”になりつつあるのが、少しくすぐったい。
「行ってらっしゃい」
「行ってきます」
別れて数歩、振り返れば相手も同時に振り返っていて、目だけで笑い合う。幼なじみの長い時間と、恋人としての新しい空気が、同じ道の上で重なっていた。
◆
コンビニの扉についた鈴が、一定のリズムで鳴る。湊はエプロンのポケットに手を入れ、レジ横の温度表示をちらと確認した。
夕方の混雑を越えて、夜の繁華街へ流れていく客足。ハンドドリップのカップと、甘い匂いの焼き菓子、夜食の弁当。人の手が選ぶものに、その人の時間がにじむ。
レジに並んだ高校生カップルが、揃って新発売のドリンクを取って笑い合った。湊はバーコードを読み取りながら、胸の奥が少しだけ温かくなるのを感じた。
(20時に終わったら、駅で少しだけ会えるかな)
頭の隅でそんなことを考えている自分に気づいて、湊は苦笑した。数日前まで、そんな想像はしたことがなかったのに。
「いらっしゃいませ——ありがとうございました」
声を出し、手を動かし、時間はきれいに流れる。
交代のスタッフが来て、更衣室でエプロンを外す。ロッカーの扉を閉める音が、いつもより少し大きく響いた。
(終わった。……駅まで歩こう)
店を出ると、夜風が首筋を撫でた。街路樹に飾られた小さなライトが、風に合わせて微かに揺れる。
ここは夜でも人通りが途切れない、若者向けの通りだ。カラフルな看板、ガラス越しのケーキのショーケース、通りに漏れるギターのリフ。竹下通りのように賑やかだが、どこか洗練されている。
◆
その頃、陽真は玄関でスニーカーの紐を結び直していた。
「今日はここまで。二次関数、復習忘れないこと」
「はーい。先生、今日もありがとう」
「いいよ。焦らなくていいから、丁寧にね。彩香ちゃん」
テキストを鞄にしまいながら声をかけると、彩香はぱっと顔を上げた。
「ねえ先生、最近オープンしたケーキ屋さん、知ってます? 帰り道、ちょっと寄り道しませんか。頭使ったら甘いもの必要!」
陽真は壁の時計を見て、小さく息を吐いた。
「……ちょっとだけだよ。遅くなるとお母さん心配するから」
「やった! 先生、優しい~」
彩香は嬉しそうに玄関の灯りを背に、外へ出た。
◆
湊は、ショーウィンドウに並んだケーキの名前を追いながら、足を止めたり進めたりしていた。
店先のガラスに、自分の顔が淡く映る。そこに、もうひとつの映り込みが重なった。
——見慣れた横顔。陽真だった。
隣には、ショートカットの女の子。制服の上に薄いカーディガン。年の頃は高校生くらい。
胸の奥で、何かが音もなく落ちた。
立ち止まるでも走るでもなく、湊は足を一歩引いた。視界が、必要なものだけを切り取っていく。
女の子が、陽真の腕に手を伸ばす。
笑いながら、ぐい、と絡めるように。
陽真は、驚いた顔で彼女を見た。
(……誰?)
喉が乾く。
脳が一瞬でいくつもの仮説を立てては、次の瞬間に壊していく。
家庭教師の“子”だろうか。そんな想像はすぐに浮かんだ。けれど——並んで歩く距離、触れる手、弾む声。目の前の光景は、湊の想像を軽々と飛び越えた。
視線が合ったわけではない。店先の照明に、周囲の雑踏に、すべてが薄く曇って見える。
湊は、スマホを取り出して画面を点けた。メッセージの入力欄に、指先がわずかに触れる。「今どこ?」——そう打ちかけて、消す。打ち直して、また消す。
心臓のリズムが、通りの音に紛れてうるさい。
女の子がもう一度、陽真の腕にからむ。
(僕たちは…人前で手をつなぐこともしないのに…)
「……だめだよ、彩香ちゃん。誤解されることはしたくない」
そう言った陽真の声は、雑踏にすぐ飲み込まれた。
湊は、反射的に視線を切った。
何も見なかったように、何もなかったように、通りを背にして歩き出す。
ショーケースのケーキの名前は、もうどれも読めなかった。
◆
「彩香ちゃん」
陽真は、彼女の手をそっと外しながら、できるだけ柔らかい声を選んだ。
「俺、付き合ってる人がいるから——その人に見られて誤解されるようなことは、したくない」
彩香は、すぐには手を離さなかった。けれど、数秒後には小さく舌打ちのように息をもらして、指を解く。
「……先生のそういうとこ、真面目すぎ」
「真面目でいい」
「誰と付き合ってるの?」
問われて、陽真は視線を少し落とした。
「言わない。言っていいのは、向こうがいいって言ってから」
「ふーん」
彩香は前髪を指で払って、ショーケースを覗き込んだ。
「じゃあ、ケーキは“お友達として”。ね、先生」
「……うん」
その“うん”には、境界線の色が混じっていた。
◆
湊の足音は、繁華街の音に溶けていく。
光はいつも通りきらめいて、通りはいつも通り賑やかで、さっきまでその全部がやさしい背景のように感じられていたのに、今は輪郭が鋭い。
通り過ぎる人の笑い声が、遠くで割れる。自分の靴音だけが異様に近い。
(見間違い、……じゃないよね)
スマホが震えた。
〈今終わった。どう?そっちは〉
陽真からだ。
湊は立ち止まり、親指の先で文字を打つ。
〈上がった。人多いね〉
〈だよな。少し寄り道してから帰る〉
寄り道——の文字が、胸のどこかに刺さる。
湊は一度だけ深く息を吸い、吐いたあとで、簡単な文を返した。
〈おつかれさま〉
それ以上の言葉は、どれも重たすぎて、今は持てなかった。
寄り道——その二文字が、飲み込めないまま喉にひっかかる。
信号が青に変わる。人の波が押し出される。湊はその流れに身を任せ、歩幅を一定に保つことだけを考えた。
視界の端で、ショーケースに映ったふたりの横顔が、遠ざかる。見ないと決めることでしか、立ち止まらずにいられなかった。
◆
帰り道、湊は遠回りを選んだ。
小さな公園の脇を抜け、住宅街へ入る。夜風は涼しく、どこかの庭先で風鈴が鳴る。
家の門扉の前で立ち止まり、ポケットから鍵を出す。鍵穴に差し込むだけの動作が、今日は少しだけ難しい。
玄関で靴を脱ぎ、静かな廊下を抜けて、自分の部屋へ。
机の上には、今日のノートと問題集が開きっぱなしになっていた。
椅子に腰を下ろして、ペンを持つ。さっきの光景が、薄いフィルムになって視界の上に重なる。
(信じたい)
湊は、心の中でそう言った。
その一方で、胸の深いところに、わずかな痛みが残っているのも確かだった。
信じることと、痛まないことは、同じ意味じゃない。
それでも、信じるほうを選ぶのが、自分だと思う。
湊の部屋の窓は、カーテンの端だけを留めて開けてある。風が入り、紙の端をめくる。
スマホが、短く震えた。
〈今、家の前。ちょっと寄っていい?〉
〈ごめん、今日、疲れてるから…〉
〈大丈夫?〉
〈寝たらなおると思う。今日は早く寝る〉
〈うん、お大事に。また明日。おやすみ〉
〈おやすみ〉
メッセージのやりとりが終わって、湊は大きく息を吐き出した。
本当は、ちゃんと話をするべきだったのかもしれない。
でも、今夜は言葉にしない勇気を選んだ。
*************
今回のお話は、YouTubeで配信中の楽曲「すれ違う視線 — Misread Glances」とリンクしています。良かったら、楽曲の方も聴いてみてくださいね♫
「すれ違う視線 — Misread Glances」はこちら⇒ https://youtu.be/VpSo66PcDYo
桐谷湊と朝倉陽真は、いつものように並んで歩く。手はつながない。けれど、歩幅は自然と揃う。
「じゃあ、俺はこのあと家庭教師」
「僕は早番。20時には上がれるはず」
「終わったらLINEする」
「うん。忙しかったら無理しないで」
そんな短い言葉の往復だけで、十分に満たされる。
校門を出る前、二人は足を止めて、ほんの短いキスを交わした。誰にも気づかれない距離と時間。昨日までなかった習慣が、たった数日で“いつものこと”になりつつあるのが、少しくすぐったい。
「行ってらっしゃい」
「行ってきます」
別れて数歩、振り返れば相手も同時に振り返っていて、目だけで笑い合う。幼なじみの長い時間と、恋人としての新しい空気が、同じ道の上で重なっていた。
◆
コンビニの扉についた鈴が、一定のリズムで鳴る。湊はエプロンのポケットに手を入れ、レジ横の温度表示をちらと確認した。
夕方の混雑を越えて、夜の繁華街へ流れていく客足。ハンドドリップのカップと、甘い匂いの焼き菓子、夜食の弁当。人の手が選ぶものに、その人の時間がにじむ。
レジに並んだ高校生カップルが、揃って新発売のドリンクを取って笑い合った。湊はバーコードを読み取りながら、胸の奥が少しだけ温かくなるのを感じた。
(20時に終わったら、駅で少しだけ会えるかな)
頭の隅でそんなことを考えている自分に気づいて、湊は苦笑した。数日前まで、そんな想像はしたことがなかったのに。
「いらっしゃいませ——ありがとうございました」
声を出し、手を動かし、時間はきれいに流れる。
交代のスタッフが来て、更衣室でエプロンを外す。ロッカーの扉を閉める音が、いつもより少し大きく響いた。
(終わった。……駅まで歩こう)
店を出ると、夜風が首筋を撫でた。街路樹に飾られた小さなライトが、風に合わせて微かに揺れる。
ここは夜でも人通りが途切れない、若者向けの通りだ。カラフルな看板、ガラス越しのケーキのショーケース、通りに漏れるギターのリフ。竹下通りのように賑やかだが、どこか洗練されている。
◆
その頃、陽真は玄関でスニーカーの紐を結び直していた。
「今日はここまで。二次関数、復習忘れないこと」
「はーい。先生、今日もありがとう」
「いいよ。焦らなくていいから、丁寧にね。彩香ちゃん」
テキストを鞄にしまいながら声をかけると、彩香はぱっと顔を上げた。
「ねえ先生、最近オープンしたケーキ屋さん、知ってます? 帰り道、ちょっと寄り道しませんか。頭使ったら甘いもの必要!」
陽真は壁の時計を見て、小さく息を吐いた。
「……ちょっとだけだよ。遅くなるとお母さん心配するから」
「やった! 先生、優しい~」
彩香は嬉しそうに玄関の灯りを背に、外へ出た。
◆
湊は、ショーウィンドウに並んだケーキの名前を追いながら、足を止めたり進めたりしていた。
店先のガラスに、自分の顔が淡く映る。そこに、もうひとつの映り込みが重なった。
——見慣れた横顔。陽真だった。
隣には、ショートカットの女の子。制服の上に薄いカーディガン。年の頃は高校生くらい。
胸の奥で、何かが音もなく落ちた。
立ち止まるでも走るでもなく、湊は足を一歩引いた。視界が、必要なものだけを切り取っていく。
女の子が、陽真の腕に手を伸ばす。
笑いながら、ぐい、と絡めるように。
陽真は、驚いた顔で彼女を見た。
(……誰?)
喉が乾く。
脳が一瞬でいくつもの仮説を立てては、次の瞬間に壊していく。
家庭教師の“子”だろうか。そんな想像はすぐに浮かんだ。けれど——並んで歩く距離、触れる手、弾む声。目の前の光景は、湊の想像を軽々と飛び越えた。
視線が合ったわけではない。店先の照明に、周囲の雑踏に、すべてが薄く曇って見える。
湊は、スマホを取り出して画面を点けた。メッセージの入力欄に、指先がわずかに触れる。「今どこ?」——そう打ちかけて、消す。打ち直して、また消す。
心臓のリズムが、通りの音に紛れてうるさい。
女の子がもう一度、陽真の腕にからむ。
(僕たちは…人前で手をつなぐこともしないのに…)
「……だめだよ、彩香ちゃん。誤解されることはしたくない」
そう言った陽真の声は、雑踏にすぐ飲み込まれた。
湊は、反射的に視線を切った。
何も見なかったように、何もなかったように、通りを背にして歩き出す。
ショーケースのケーキの名前は、もうどれも読めなかった。
◆
「彩香ちゃん」
陽真は、彼女の手をそっと外しながら、できるだけ柔らかい声を選んだ。
「俺、付き合ってる人がいるから——その人に見られて誤解されるようなことは、したくない」
彩香は、すぐには手を離さなかった。けれど、数秒後には小さく舌打ちのように息をもらして、指を解く。
「……先生のそういうとこ、真面目すぎ」
「真面目でいい」
「誰と付き合ってるの?」
問われて、陽真は視線を少し落とした。
「言わない。言っていいのは、向こうがいいって言ってから」
「ふーん」
彩香は前髪を指で払って、ショーケースを覗き込んだ。
「じゃあ、ケーキは“お友達として”。ね、先生」
「……うん」
その“うん”には、境界線の色が混じっていた。
◆
湊の足音は、繁華街の音に溶けていく。
光はいつも通りきらめいて、通りはいつも通り賑やかで、さっきまでその全部がやさしい背景のように感じられていたのに、今は輪郭が鋭い。
通り過ぎる人の笑い声が、遠くで割れる。自分の靴音だけが異様に近い。
(見間違い、……じゃないよね)
スマホが震えた。
〈今終わった。どう?そっちは〉
陽真からだ。
湊は立ち止まり、親指の先で文字を打つ。
〈上がった。人多いね〉
〈だよな。少し寄り道してから帰る〉
寄り道——の文字が、胸のどこかに刺さる。
湊は一度だけ深く息を吸い、吐いたあとで、簡単な文を返した。
〈おつかれさま〉
それ以上の言葉は、どれも重たすぎて、今は持てなかった。
寄り道——その二文字が、飲み込めないまま喉にひっかかる。
信号が青に変わる。人の波が押し出される。湊はその流れに身を任せ、歩幅を一定に保つことだけを考えた。
視界の端で、ショーケースに映ったふたりの横顔が、遠ざかる。見ないと決めることでしか、立ち止まらずにいられなかった。
◆
帰り道、湊は遠回りを選んだ。
小さな公園の脇を抜け、住宅街へ入る。夜風は涼しく、どこかの庭先で風鈴が鳴る。
家の門扉の前で立ち止まり、ポケットから鍵を出す。鍵穴に差し込むだけの動作が、今日は少しだけ難しい。
玄関で靴を脱ぎ、静かな廊下を抜けて、自分の部屋へ。
机の上には、今日のノートと問題集が開きっぱなしになっていた。
椅子に腰を下ろして、ペンを持つ。さっきの光景が、薄いフィルムになって視界の上に重なる。
(信じたい)
湊は、心の中でそう言った。
その一方で、胸の深いところに、わずかな痛みが残っているのも確かだった。
信じることと、痛まないことは、同じ意味じゃない。
それでも、信じるほうを選ぶのが、自分だと思う。
湊の部屋の窓は、カーテンの端だけを留めて開けてある。風が入り、紙の端をめくる。
スマホが、短く震えた。
〈今、家の前。ちょっと寄っていい?〉
〈ごめん、今日、疲れてるから…〉
〈大丈夫?〉
〈寝たらなおると思う。今日は早く寝る〉
〈うん、お大事に。また明日。おやすみ〉
〈おやすみ〉
メッセージのやりとりが終わって、湊は大きく息を吐き出した。
本当は、ちゃんと話をするべきだったのかもしれない。
でも、今夜は言葉にしない勇気を選んだ。
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