群瞬歌

山上風下

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第二章 表裏一体

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「行ってきます!」
 朝ごはんをかきこみ、勢いよく家を出る。家から学校まで自転車で十五分程度しかかからないので、朝はゆっくり眠ることができる。ただし、部活の朝練があるときは五時半に起きなければならない。しかも、休日の部活の時だけ、トレーニングの一環として徒歩通学を監督から強制されているので、走って通学しなければならない。
「おはよう! 今日のクラス発表楽しみやな!」
 交差点で信号待ちしていると、川崎が元気よくあいさつしてきた。
「知ってるやつ数人おったら文句ないわ」
「もっと希望もてよな。朝から暗いやつやなぁ」
 なんて他愛のない話をしている間に、学校に到着した。
「おっ、もうクラス張り出されてる。はよいくで! 桜!」
「ちょっとドキドキして、自分で見られへんから、川崎さん、俺の代わりに見てください。
 そんで良いか悪いか教えてください」
「何やそれ、しかも、何で急に敬語やねん。まあしゃーないから見たるわ」
 川崎がクラス発表を見ている間、ドキドキしながら一人で待っていると。川崎が勢いよく戻ってきた。
「桜、良かったな。京と本田と同じクラスやったで」
「まじで? 本田はともかく京がおるのは助かったわ」
「ついでに、桜たちは三組で、私と蒼と守友が四組やったから、体育の時は同じやで」
 うちの高校は体育を二クラス合同で行う。団体競技も多くあるので、体育で一緒になるクラスのメンバーも、俺からすれば重要だ。
「何か上手くいきすぎて、怖いわ」
「素直に喜べや。ほら、クラスも分かったし、はよいくで」
 改めて自分のクラスを確認してみると、同じテニス部の友達や、去年同じクラスだったやつもちらほらいる。とりあえず、メンバーを見る限りでは何の不満もないクラスだ。
 教室の前で川崎と別れ、自分の席を探していると、先に席に座っていた京が話しかけてきた。
「桜! 同じクラスやな。バスケ部のやつも何人かおるし、大分当たりのクラスやと思うで」
「せやな。しかも四組に守友と蒼っちと川崎がおるらしいし、体育も楽しいはずや。女子は関係ないけど」
 やはり新しいクラスに知り合いがいるのは心強い。京がいなかったら誰と話せばいいかキョロキョロしていたところだ。
「朝から元気やな、宮、天津」
 少し遅れて、本田が教室に入ってきた。
「ついさっきまで、自分でクラス見るの怖がって、川崎の後ろに隠れてたくせに」
「見てたんかい。しゃーないやろ、自分で見てたら、心臓はちきれる予感あってんから」
「相変わらずの、ガラスメンタルやな。まあ一年間よろしくな、宮、天津」
「男子は良かったけど。女子はどうなん? あんま話したことないやつが多いから、分らんねんけど。本田ちゃんの様子を見るに悪くなさそうやな」
 京と守友は本田のことを【本田ちゃん】と呼んでいるが、俺には理解できない。でもサ◯ジがロ◯ンのことをちゃん付けで呼ぶような、良さを感じる。
「同じ女子バスケ部の子も多いし、私的には大当たりかな。宮と天津もおるしな」
「クラスであんま話しかけんなよ、お前目立つから話すと、男子・女子問わずにからかわれるねんから」
 冗談交じりに本田に注意する。
「もう高校二年生やねんから、女の子と上手く話せるようになれよな」
 本田が俺の話を冗談と理解しつつも、呆れながら返答する
《キーンコーンカーンコーン》
 授業が始まるチャイムが鳴った。俺たちはそそくさと、席に着く。


始業一日目の授業は、教師の自己紹介や教科書の確認等だけで終わるので、すぐに時間が過ぎた。
「桜、今日部活あるっけ?」
最後の授業が終わると同時に、京が俺の席にやってくる。
「今日は部活あるで。明日は休みやな」
「俺も今日部活あるし、終わったら一緒に帰ろうや」
「ええで、また終わったら連絡するわ」
 京と一緒に帰る約束をして、部活に向かう。
「桜! 一緒に部活行こうぜ」
 部活に向かう途中で、守友が走ってきた。
「守友のクラスどうやったん?」
「男子は仲いいやつ多いし、女子には蒼ちゃんと川崎ちゃんいるし、当たりだわ。桜のクラスも京と本田ちゃんがいるし、当たりだったな」
「お互い帰りに事故らんように気をつけような。こんないいことばっか起こると、何が起こってもおかしくないで」
談笑しながら部活に向かっていると、何やらテニスコートの方が盛り上がっている。
近寄ってみると、男子テニス部の監督と女子テニス部の監督がコート権を巡って争っていた。うちの高校はちゃんとしたテニスコートが一つしかなく、テニスコートが使えないとグランドに白線を引いて練習することになる。
「今年の三年生は関西大会までいけそうやねん。やから一日でもいいから、多くテニスコート使わしてくれへんか?」
「女子テニス部だって同じです。男子テニス部だけを特別扱いするのはやめてください。それに引退試合は八月でしょ? まだまだ時間はあるじゃないですか」
「女子テニス部でいいとこまで勝ち上がれるのは、川崎ぐらいやろ。あいつは二年生や、もう一年あるやろ」
 お互い譲らずに言い争っていると、男子・女子のキャプテンが止めに入った。結局、テニスコートの使用権は、いつもと変わらず一日交代となった。監督は言い争いに負けたせいで、ヒートアップしてしまったようで、テニスコートが使えない日は全て基礎トレーニングを行うと言い出した。
 たしかに、グランドに白線を引いたテニスコートで練習しても、イレギュラーはするし、足が滑って危ないので、あまり意味はないように思える。だからといって、全て基礎トレーニングはやりすぎだ。しかし、うちの監督は言い出したら聞かないし、反抗すると怖いので従うしかない。


「今日の監督怖かったな。練習中何回逃げ出そうと思ったか」
「逃げ出したら、連帯責任になるからやめてや」
 部活が終わり、部活の愚痴を言い合いながら守友と共に、京が待つ校門に向かう。
「おー、遅かったな」
「監督がぶち切れて、基礎トレーニング倍増だったんだよ」
「ホンマに死ぬかと思ったわ」
「何か女子テニス部の監督と喧嘩しとったな。騒ぎなってたから見に行ったわ」
 京は疲れきった俺たちの表情を見て、ニヤニヤしている。
「身内の俺らは笑い事じゃなかったけどな」
 自転車を漕ぎ、談笑しながら、帰っていると、守友が突然叫びだす。
「あっ! バイト先に音楽プレーヤー置きっぱにしてたんだ。帰りに寄っていいか?」
「明日出勤やろ? 明日バイトのついでに取りに行ったらええやん」
 何で京は当たり前のように他人のシフトまで把握しているんだ。
「夜に音楽聞いて寝るのがルーティンなんだよ、頼む」
「まあそんな遠くないし、行くか。今日はちょうど本田ちゃんと川崎も出勤してるしな」
 『部活動を行っている高校生が平日に出勤出来るのか?』と思うかもしれないが、うちの高校では可能である。理由は、うちの高校の部活動は、週一回以上の休みを設けることが義務付けられているからである。昔、野球部かサッカー部で異常な練習量を強制することがあり、生徒が何人か部活動中に意識を失う大事件があったようだ。
その結果どの部活でも週一回以上休みにすることが義務付けられた。加えて、休日は七時から十二時の午前、十三時から十八時の午後、どちらかの時間帯を選択して、練習するといった決まりまである。
 うちの高校では、この休みと休日の十三時以降、十八時以降の時間を利用して、バイトを行う学生が多くいる。
 そんなことを考えていると、バイト先の料亭【山風】に到着した。
「俺ロッカーで探してくるから、休憩室で待っててくれ」
「「分かった」」
 休憩室の奥にロッカールームがあるので、守友が音楽プレーヤーを探している間、俺と京は休憩室で待つことにした。すると、俺らよりも少し大人びた男性がバイトを終え、階段を上がってきた。
「あれ、宮くんと天津くん。今日出勤だったけ?」
「「春日さん! お疲れ様です!」」
 俺と京は立ち上がって、挨拶をする。
「守友が忘れ物をしたみたいなので、部活終わりに取りに来ました」
 京が丁寧な言葉づかいで、事情を説明する。
「相変わらず仲いいな。お前ら。せっかく来たなら、店長と女将さんに挨拶していきな」
 俺たちが話しているのは、大学一年生のバイトの先輩【春日 東】。俺と守友の中学、高校の部活の先輩で、ここのバイト先もこの春日さんに紹介された。
 ちなみに、大の甘党である。昔、夢色◯ティシエールをみてから、スイーツに特別な感情を抱いているらしい。
「守友が戻ってきたら、桜と三人で挨拶だけしに行こうと思ってます」
「そうか。俺この後ちょっと予定あるから、帰るわ、またな」
 春日さんが、ロッカー室に入ると同時に、音楽プレーヤーを探し終えた守友が出てきた。
「あっ、春日さんお疲れ様です」
「おう、忘れ物見つかったか?」
「はい! ロッカーの奥の方に埋もれてました!」
「あっ、そういえば」
 春日さんが思い出したように言い出した。
「今日のバイト、俺以外女の子だけだったわ。押し付けるみたいで悪いけど、夜の帰り道危ないし、可能なら途中まで送ってくれるか?」
『夜道が危ないから、女性を送る』という発想が自然に出てくるなんて、流石大学生、高校生とは一味違う。
「分かりました。特にこの後予定もないですし、送っていきます」
 守友は嫌な顔一つせず、元気に返事をした。
「まだ八時半だけど、お客さん少ないし、もう予約も入ってないから、後は社員さんとパートさんで何とかなると思う。もうすぐ皆上がってくるよ」
 この料亭には俺たち高校生六人以外に大学生四人と社員さんが三人、そして昼・夜どちらかの時間で働くパートさんが各時間帯に数人、そして店長と女将さんが在籍している。調理場にも従業員はいるが、あまり交流はないので、大体の人数と名前しか把握できていない。
 閉店は二十二時で、ラストオーダーは二十一時半だ。片付けや明日の準備を入れると、全ての業務が終わるのは大体二十二時半ぐらい。ただし、俺たち高校生は法律上二十二時までしか働けないので、仕事が残っていても、先に上がることになる。
 今日のようにお客さんが少なく、予約もない日は、社員さんとパートさんだけを残してバイトを早上がりさせることがある。早上がりするのは正直嬉しいが、想定よりも給料が少なくなるので、給料日に悲しい気持ちになる。
 春日さんに別れを告げ、俺たち三人は店長と女将さんへ挨拶に向かう。
「「「お疲れ様です」」」
「おお、宮と松葉と天津か。今日出勤じゃないやろ? どうしたんや?」
「守友の忘れ物取りに来ました。そのまま帰るのもあれなので、挨拶だけしに来ました」
 大人と話すときの守友は普段では想像できないほど、丁寧、そしてしっかりとした態度で話す。こういうところは素直に凄いと認めて、真似していかなければならないな。
「おおそうか、今日暇やし、バイトは全員上がらせるから。女の子たちを送ってあげてな」
「分かってます。上の休憩室で待ってるとだけ伝えておいてください」
「おう、分かった。頼むで」
 店長と女将さんは今年還暦を迎える、結婚四十年目の熟年夫婦だ。店長が二十歳の時にこの料亭を継ぎ(当時はまだ旅館だったらしいが)、同時に結婚したらしい。
 ちなみに機械系にめっぽう弱く、去年二人揃ってようやくスマホに乗り換えたが、川崎と蒼っちに初期設定を全て任せていた。


 休憩室で談笑しながら待っていると、川崎と本田、そして標準語の女性が上がってきた。
「「「お疲れ様です」」」
「宮くん、天津くん、松葉くんお疲れ様。店長と東に言われて、送ってくれるらしいね。ごめんね迷惑かけて」
「いえ、僕ら暇なんで気にせんといてください」
 この女性は【宗谷 渚】、大学二年生の先輩だ。見た目は優しそうで、素敵な女性だが、元ヤンらしく、怒ると超怖い。川崎がヤンキーに憧れながらも、真面目なのはこの人の影響だ。
 ちなみに、ある女性アイドルの大ファンで、給料の大半をつぎ込んでいるらしい。ヤンキーから更生できたのも、そのアイドルのおかげらしい。
「別に大里は安全な街やし、送らんでええと思うねんけどなー」
「まあまあ川崎、そう言わんと送ってもらおうや。ただ私が思うのは、天津と松葉はともかく、宮が頼りになると思わんけどなぁ」
 本田はそう言いながら、にやついた顔で、俺の方を見てくる。
「こら、本田ちゃんせっかく送ってくれるって言ってるんだから、ちょっかい出さないの」
「宗谷さん、本田が俺をおちょくってくるのは、いつも通り何で気にせんといてください。俺らここで待ってるんで、着替えてきてください。着物やから時間かかるでしょ」
 料亭【山風】の制服は男性がYシャツにベスト、そして蝶ネクタイ、女性は着物になっている。
 男性組の着替えは五分もかからないが、女性陣の着替えは慣れていないと時間がかかる。
「俺ら男は着物じゃなくて良かったな。着物だったら何回遅刻してることだか」
「桜はともかく、俺と守友はいつも時間ギリギリやからな」
「お前ら家近いのに、何でいっつも遅いんか分らんわ」
 十分ほど話していると、女性陣がロッカー室から出てきた。
「お待たせー。じゃあ帰ろっか」
 全員家が自転車で通える距離なので、駐輪場に向かう。
「てか今日も早上がりだったんだな。最近多くない?」
「確かに多いな、俺と桜が先週入った時も早上がりやったわ」
 守友の疑問に、京が同意する。
「何か最近、客足悪いみたいだよ。昼のお客さんも少ないし」
 宗谷先輩たち大学生は昼のバイトにも入っているので、客足の変化に俺たちよりも早く感づいていたようだ。
「忙しすぎんのも嫌やけど、暇なのも嫌やな……。なあ、桜」
 川崎がため息をつきながら愚痴をこぼす。話している途中にわがままを言っていると気付いたのか、無理やり俺を巻き込んできた。反応しても、本田にわがまま言うなと怒られるだけなので、無視するのが一番だ。
「ここらへんの開発も進んできて、飲食店増えてきたしね。うちみたいなちょっと高めのお店もちらほら見かけるし」
 宗谷先輩が優しくフォローを入れる。
「売り上げとかは私らバイトが気にしてもしゃあないやろ。そういうのは、社員さんたちに任せようや」
 本田の言う通り、売り上げ云々の話は俺たちバイトが気にしても、仕方のないことだ。しかし、全員がこのバイト先を気に入っているだけあって、ここ最近の客足の少なさは気になる。
「私のほうから、また店長や女将さんに聞いとくからさ、あんま気にしないでおいて。高校生は部活やらで、忙しいんだから」
「お手数ですが、お願いします」
 守友が宗谷先輩に少し頭を下げる。
「うん、わかった。じゃあお喋りはこの辺にして帰ろっか」
「そうですね。じゃあ帰る方向的に、俺が先輩と本田ちゃんを送ってくから、守友と桜は川崎を送っていってや」
「おう、わかった。じゃあまた明日な」
 宗谷先輩と本田、京を見送って、俺たちも自転車を漕ぎ始める。
「なあ、ホンマに大丈夫なんかな【山風】。私ここ潰れんのホンマに嫌やわ」
 車に邪魔にならないように、一列に並んで自転車を漕いでいるので、川崎が大声で俺たちに話しかける。
「本田が言ってたやろ、仮に売り上げ下がってても、俺らバイトじゃどうにもならん。それに宗谷さんが、店長たちに話聞いてくれるって言ってたから、それを待つしか今はないで」
「そうそう、心配しすぎだって。それに【山風】は店長のひいお爺さんの代からある老舗だし、簡単には潰れないよ」
 不安そうに話す川崎を、俺と守友が慰める。
「確かにお前らの言う通り、今は宗谷さんからの話を待つしかないか」
 俺らが励ましたとはいえ、川崎はさっきの落ち込んでいる姿が噓のように、すぐに元気になった。本当にいい意味でも悪い意味でも単純だ。
「今週の日曜のシフト見たか? バイトメンバー、私ら高校生だけやったで。しかも六人全員で出勤や」
「おー久々やな。でも六人全員は人数多くないか?」
「パートさんが全員休みやねん」
 基本的に社員さん三人の内二人は出勤するので、バイトだけで店を回すことはない。しかし、社員さんよりも、大学生・パートさんの方が上手く店を回すことができるので、バイトが俺たち高校生だけの日は、いつもより気を引き締めて仕事に挑まないといけない。
「団体とか入ってたらやばいな。ついさっきまで店の売り上げを心配してたけど、日曜だけは暇であってほしい」
「俺らも一年経ってある程度、仕事出来るようになってきたし、頑張ろうや」
「桜の言う通りやって、いつも通り仕事すれば何も起こらんって」
 今度は俺と川崎が守友を慰める。
「川崎ちゃんはともかく、超心配性の桜にまで慰められるのは、やばいな。いつも通りやれば大丈夫か」
「一言余計やねん」
 守友の冗談にツッコミを入れると、川崎の家に到着した。
「じゃあまた明日な、桜、守友。送ってくれてありがとうな」
「おう、また明日」
 川崎が家に入っていくのを、確認して。俺と守友も家に帰る。
「明日朝練ってあったけ?」
「今週、部活ある日は毎日やるって、監督言うてたやんけ」
「うわー、まじか。なら早く帰って寝ようぜ」
「せやな、朝練を寝坊なんてしたら、洒落ならんで」
「じゃあ俺はこっちだから、また明日」
「おう、また明日」
 俺は家に着き、晩飯を食べて風呂に入るとすぐに寝てしまった。部活の疲れに加えて、新しいクラスに気疲れしていたみたいだ。新しいクラスに慣れるまでは、家に帰ってすぐ眠る生活が続きそうだ。



【日曜日】
 新しいクラスでの授業と部活で、日曜日までの時間はあっという間だった。木曜日だけは部活が休みだったが、バイトも入れていなかったので学校から帰ってすぐに寝てしまった。
 今は十六時四十五分、バイトが始まるのは十七時からなので、着替えを済ませた俺は休憩室で予約表を眺めていた。
「桜っち! 今日は一段と早いね」
 蒼っちが着替えを済ませて、ロッカー室から出てきた。
「今日のバイト俺ら高校生だけやからな。緊張して早く来てもーたわ」
「予約いつもより多いし、頑張らないとだね」
「何だ、月曜日あんなこと言ってた割に、お前も緊張してるじゃん」
 下駄箱から声がすると思ったら、守友がいつもより早く出勤してきた。普段なら五分前ギリギリに出勤して、急いで着替えているくせに。
「しゃーないやろ、高校生だけのメンバーな上に、俺が前に出勤したの一週間以上前やってんから」
 クラス替えもあってこの一週間は疲れると分かっていたので、今週のバイトは全部休みにしていた。一年続けているバイトとはいえ、一週間出勤していないと不安になる。
「今日の十六時半組は京と川崎ちゃんと本田ちゃんか?」
「そうだよ、双葉姉さんだけ、夜の準備のために、少し早めに出勤してるけど」
「配置表は見たか?」
「私と忍ちゃん、まゆゆが桝席担当で、双葉姉さんと桜っち、京ちんが部屋担当だよ」
 【山風】は桝席と部屋の二種類がある。桝席とは平たく言うと一般席で、簡単な仕切りがあるものの、部屋のような個室でない。桝席の中でも椅子席と掘りごたつ席を選ぶことが出来る。椅子席は六人、掘りごたつ席は四人まで座ることができる。
 対して部屋は、桝席と同じく椅子席と掘りごたつ席どちらもあるし、完全に個室になっている。部屋によっては最大十二人まで入ることができる。
 桝席の方が一席に座るお客さんの数は少ないが、席数自体が多い。逆に部屋は、一部屋に入るお客さんの数は多いが、部屋数は少ない。どちらの方がしんどいかと言われると、その日次第だろう。
「うわー。十八時から十人の予約入ってるやん。嫌やわぁ」
「桝席も結構入ってるぞ。頑張らないといけないな」
【山風】は基本、会席料理になっている。ファミレスのように注文された料理をすぐに出すのではなく、自分たちでお客さんの食べている状況を把握して、コース通りに料理を持っていかなければならない。
 料理の提供が早すぎると、クレームに繋がるし、遅すぎると次の予約に間に合わなくなる。予約が多い今日のような日は、お客さんの様子をしっかり観察しなければならない。
「てか、話してたら、時間やばい。俺、すぐに着替えてくる!」
 守友が慌ててロッカー室に向かっていった。
「私たちは、もう降りよっか、準備大変だろうし」
「せやな、降りよ」
 休憩室は二階にあり、階段を降りると、調理場から接客に料理の受け渡し等が行われる、パントリーに繋がっている。パントリーは扉で客室から見えない作りになっており、ここでドリンクを作ったり、据え置きのタッチパネルで調理場に料理の指示を出している。
「「おはようございます」」
「おお、おはよう」
 パントリーで社員さんに挨拶を済ませ、店長たちのいるフロントに向かう。
基本、店長と女将さんと社員さん一人がフロントで会計、お客さんの送迎を行っている。
「「おはようございます」」
「おお、宮、山羽おはよう。今日は忙しいから頼むで」
「「はい、頑張ります」」
 挨拶を済ませ、パントリーに戻り、俺は部屋、蒼っちは桝席の準備に向かう。
「おはよう。準備終わっとる?」
 パントリーの端でおしぼりと伝票の用意をしていた京に話しかけた。
「おう、桜おはよう。十七時からの準備は終わっとるけど、十八時からの準備がまだやわ。今、本田ちゃんが西で準備してるから、手伝ってあげてくれるか。俺は、北にお客さん来たからオーダー行ってくるわ」
 【山風】には北・西・東・南の四部屋がある。安直な名前だが、覚えやすいので気に入っている。
「鍋料理取ってきてや」
「春やからむずいけど、頑張るわ」
 鍋料理は鍋を用意して、具材を出すだけなので他の料理に比べて楽だ。なので、注文されるとテンションがあがる。
 オーダーに行く京を見送り、本田がいる西席に向かう。
「本田、準備どんな感じや?」
 一人で用意している本田に話しかけた。
「おお、宮おはよう。お品書きは置いたから、あとは前菜を置くだけやな」
「じゃあ俺も並べるわ」
 おぼんの上に置かれた前菜を机に並べる。
「十人は流石に多いわ」
「料理決まってるだけましやと、私は思うで。たまに予約だけ入れて、料理決めてないお客さんおるしな」
 前菜を並び終わり、パントリーに戻ると、京が機嫌よくドリンクと鍋を用意していた。
「桜、本田ちゃん、準備終わったか?」
「おう、ばっちしや。京の行ったオーダーはどうやった?」
「こっちは宣言通り、鍋料理の注文取ってきたで」
 京はお喋りというわけでもないのに、お客さんへの対応が上手い。見た目が良いというのもあるだろうが、物怖じしないので、すぐにお客さんに気に入られる。今回のように、特定のコースを取ってきてほしいと頼むと、高確率で成功する。
「流石、京やな。今日は十人の予約もあるし、可能な限り鍋がええわ」
 鍋の注文に盛り上がっていると、パントリーの外から、お客さんの足音が聞こえた。
「東の客さんも来たみたいやな。私、オーダー行ってくる」
「おう、頼むわ」
 今のところスムーズに準備が進んでいるので、このまま何事もなく今日を終えたいところだ。


「今日は疲れたな」
 普段滅多に弱音を吐かない、本田がため息をつきながら、ポツリと呟いた。
「本田、十人予約のお客さんにめちゃくちゃ絡まれてたもんな」
「本田ちゃんが上手く対応してくれたから良かったけどな。よく我慢してくれたわ」
 部屋のお客さんが帰った後、三人で片づけをしながら愚痴を言い合う。結果としては、クレームもなく上手く回ったが、お客さんからのダル絡みが多く、三人ともすっかり疲れ果ててしまった。
「しかも社員さんやる気ないから、動きとろいしな」
「しゃーないって、毎日朝から晩まで働いて、疲れてはんねん」
 少しキレながら愚痴を言う本田を京が落ち着かせる。
 社員さんは三人いるが、三人中二人はあまりやる気がない。そしてもう一人はやる気はあるが、お客様対応に夢中でフロントから動かない。その結果【山風】はパート・バイトが主体で回っている。
「はよ片付け終わらせて、皆でご飯行こうや」
 京からご飯に誘うのは珍しい気がする。多分、イライラと疲れで暗くなっている空気を察知し、気を遣ったのだろう。
「せやな、俺めっちゃ腹減ったわ」
「私、昼ごはんラーメンやったから、それ以外で」
 片づけを終わらせ、パントリーに戻る。
「お疲れ様。もう十時やし、もう上がってな」
 社員さんに言われ、時計を見てみると、いつのまにか十時手前になっていた。
「分かりました。お疲れ様です」
 社員さんに挨拶し、店長たちにも退勤の挨拶をするためにフロントに向かおうとすると、守友たちも片づけを終わらせ、パントリーに戻ってきた。
「お疲れ、守友、蒼っち、川崎。桝席はどうやった?」
「めっちゃ忙しかったわ。クレームが入らんかったからよかったけど」
 いつも元気な川崎が、少し小さめの声で返事をする。
「部屋も忙しかったわ。このあとみんなで、ご飯いこうって本田ちゃんと桜と言うとってん。はよがって行こうや」
「私ラーメンがいい!」
「蒼っちはいっつもラーメンて言うよな。でも、今日は本田が昼にラーメン食ってるから、別のとこで」
「じゃあファミレス!」
「楽しみなのは分かるけど、先に店長たちへ退勤の挨拶を済まそうぜ」
 久々の全員での食事にハイテンションになっている蒼っちを、守友が落ち着かせた。
「おお、六人ともお疲れ。今日は大学生がおらん上に忙しかったけど、よう頑張ったな」
「不安でしたけど、何とかなりました」
 こうやって六人全員で店長と話すときは、いつも京が代表して答えている。
「ここで働き始めて一年経つねんから、自信持ちなさい」
「女将さんにそう言ってもらえると、心強いです」
 京は少しはにかみながら、少し照れている。
「そうや、あんたらこの後少し時間あるか? 私と店長から、ちょっと話したい事があんねん」
「六人全員にですか?」
「そうや、着替えたら、もっかいフロントに来てくれ、私と店長はずっとここにおるから」
「わ、わかりました」
 挨拶を終え、階段を上がり、男女別れてロッカー室に入る。
「なあ、話ってなんだろうな?」
「さあ、何も心当たり無いわ。京は何かあるか?」
「分からん……。もしかして前菜をつまみ食いしたのがばれたんかな」
「そんなことで、六人全員が呼ばれることはないだろ」
 今まで個人的に呼び出されて、説教されることはあっても、六人全員が一緒に呼ばれることはなかったので、謎の緊張感というか不安を感じていた。
 さっき俺は京に『何の心当たりもない』と答えたが、実は思い当たることが一つあった。しかし、口に出せば現実になってしまいそうで、口にはしなかった。
 着替えが終わり、休憩室で女性陣が出て来るのを待つ。十分ほど経ってロッカー室から出てきたが、俺たちと同様に緊張というか、不安を感じているのか、口数は少なかった。
「全員そろったし、フロントに向かうか」
 守友がそう言うと、俺たち六人は言葉を発することなく、フロントに向かった。
「早かったね。じゃあ、東の部屋に行こうか、店長は先に座ってるから」
 女将さんは俺たちを連れて、奥の方にある部屋、東席に向かった。
「そう緊張せずに、座ってくれや。今回は別に、説教するわけじゃないからな」
 店長は俺たちの少し緊張した空気を、感じ取ったようだ。
 店長に言われた通り、俺たちは三人ずつ向かい合って座り、店長と女将さんは、机の短い部分、いわゆるお誕生日席に座った。いつも仕事でこの部屋には出入りしているが、お客さんが座っている席に自分たちが座るというのは、少し不思議な気持ちになる。
「皆を呼んだのは、この【山風】が今年の七月までに潰れるかもしれへんって話をするためや」
 思っていた通りだった。月曜日に話していた通り、売り上げが下がっていることは分かっていた。しかし、閉店するほどにまで、下がっているなんて……。
「かもしれへんってことは、確定ではないんですよね?」
 本田が冷静に質問する。
「せやな。みんな知っての通り、この料亭【山風】は俺が店長になると同時に【FRESHグループ】の傘下に入った。そのお陰で、旅館から料亭への移行も上手くいったし、社員も派遣してもらえてるから、毎年人手不足には陥っていない。
やけど、最近の売り上げ低下を見て【FRESHグループ】の方が文句言うて来とってな。料亭つぶして、経営権を明け渡したうえで、もっかい旅館としてやり直せって言うて来てるんや」
 【FRESHグループ】とは国内最大手のレジャー施設運営会社である、ホテル・旅館といった宿泊施設だけでなく、飲食店や祭りの出店まで運営している。
 【FRESHグループ】が他のレジャー施設運営会社と違うところは、積極的にフランチャイズ契約を行っている点にある。【FRESHグループ】と契約したホテル・旅館・飲食店は【FRESHグループ】の名前・経営アドバイス・従業員を借りることができる。その代わり、加盟店料を支払う必要があり、売り上げが芳しくなければ、契約を打ち切られる。
 契約を打ち切られたくなければ、今回のように店の経営権を譲渡しなければならない
「まだそういう話があるってだけや。ホンマに経営権を明け渡すかは、六月までの売り上げを見てから、つまり七月に確定するわ。ただ、いきなり店が潰れたら皆困るやろうし、前もって話をしときたかったんや」
 いつも明るい女将さんが少し悲しそうに話す。
「一つ聞きたいんですけど、いいですが?」
 京が真剣な表情で話し出す。
「元々この【山風】は旅館だったわけなので、料亭から旅館に戻るのは何の問題もないというか、寧ろ良いように聞こます。
 でも、僕の聞いた話によると、【FRESHグループ】に経営権を明け渡せば、元々経営者だった人は、今後一生経営権を返してもらえず、店長とは名ばかりの【FRESHグループ】の働きアリになると聞きました。
 店長と女将さんはこのまま料亭を続けるのか、経営権を明け渡す代わりに【山風】をあるべき姿に戻すのか、どちらがいいんですか?」
 みんなが気になっていたことを、分かりやすく、丁寧に質問する。
「そりゃあ、【山風】は元々旅館やってんから、旅館に戻すことができるならそうすべきやと思う」
 店長の言葉を聞いて、みんなの表情が暗くなる。しかし、店長の言葉は続いた。
「でもな、俺がこの店を受け継いだと同時にこの店は俺のもんになった。そんで、同時に旅館ではなく料亭になった。だから俺にとってこの店のあるべき姿は旅館じゃなく、料亭やねん」
 こんな真剣に話す店長は久しぶりに見る。
「でもな、売り上げが悪くなって、店が潰れるぐらいなら、経営権を明け渡して形だけでも残そうと思ってる」
「さっきも言った通り、まだ経営権を明け渡すと決まったわけでもないからな。
 今日の話はこれでおしまい」
 空気が重くなり、女将さんが無理やり話を終わらせた。
「正式に決まったら、ちゃんと伝えるから。宗谷たち大学生にも昨日話をしてるけど、俺らの口から直接伝えたくて、口止めしてたんや。悪く思わんとってくれ」
(だから宗谷先輩は何も言うてくれんかったんか)
「今日はもう遅いから、早く帰りなさいね、お疲れ様」
 俺たちは無言で店長と女将さんに会釈して、駐輪場に向かう。
「この後の飯どうする?」
 京が暗い空気を押し切って話を切り出す。
「ご飯食べる気分ではないけど、皆の意見を聞いときたいから、ファミレスかどっか長居できるところに行きたいわ」
 本田がそう答えると、みんな無言で頷く。
「みんな、本田ちゃんと同じ意見やな。じゃあ、ガ◯ト行くか」
 俺たちは無言で自転車に乗り、ガス◯を目指した。
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