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「牧場を拡張しよう」編

四十一話めぇ~ 「初めて役に立ったね」

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 これから俺たちはCユニットとバッテリーを手に入れにいく。
 目指すは廃棄車広場か瓦礫センターだ。

 廃棄車広場は大雑把なシステムになっているようだが、最終的には金を払って部品を買わねばならない。
 なので、まずは無料で手に入りそうな瓦礫センターに向かおうと思う。

「よし、ここで一度ステータスの更新を行うぞ!」

 一応ステータス蘭は別個作ったわけだが経過がわからないからな。
 とりあえずやれるときはこうして更新していくぞ。

 で、まず俺からだ。


□名前 :シゲキ
□職業 :ヒツジ
□レベル:8
□HP :35
□MP :16

◇攻撃力:7+10
◇防御力:6+10+8
◇素早さ:12
◇命中 ;6
◇回避 :12

◇装備
■頭  :スパイラルウサドリルホーン【攻撃力+10・連射可能・残弾4】
■胴  :ヌーボーの防護服【防御力+10】
■右手 :鮫革の帯(両手セット)【防御力+8】
■左手 :鮫革の帯(両手セット)
■足  :薄汚れた蹄


 あれからレベル2上がってこんな感じだ。
 うん、見事なまでにあまり変わっていないな。

 これを見るとヒツジって成長率高くないっぽいよな。
 ただ、全体的にはちょこちょこ上がっているので総合力は上がっている。

 それと新しく追加したスキルはステータス蘭ページに追加されている。
 あれは本編で説明した通りなので省略だ。

 思えば俺のスキルってけっこう数多いんだよな。
 あれだけでスペース食うからな。


「次、ファンタ!」
「押忍!!」


□名前 :ファンタ
□職業 :ガルドッグ
□レベル:4
□HP :23
□MP :12

◇攻撃力:30+7
◇防御力:12+7
◇素早さ:23
◇命中 ;6
◇回避 :16
◇装備
■頭  :砂牙【攻撃力+7】
■胴  :砂突の薄皮【防御力+7・ダメージ反射】

☆スキル
「噛み裂き」:動脈を噛み切って大量出血させる
「破砕噛み」:機械系のパーツを破壊する


 ファンタはレベル4になった。
 ガルドッグの特徴はやっぱり攻撃力と回避かな。

 HPと防御は案外高くないので注意が必要だ。
 ドラクエとかでいえば武闘家系だろうか。
 何にせよ戦闘では頼りになるぜ。


「次、マダオ!!」
「おうよ!」


□名前 :madao
□職業 :焦げ剥けビビルン
□レベル:3
□HP :18
□MP :3

◇攻撃力:6
◇防御力:12+5
◇素早さ:0
◇命中 ;3
◇回避 :0
◇装備
■頭  :剥けた角
■胴  :大人の砂皮【防御力+5・ダメージ反射】

※備考 :現在の成長率 99%

☆スキル
「開放心」:けっしてパンツをはかない男気
「皮剥け同盟」:戦闘中に皮剥け仲間を呼ぶ


 マダオは…まあ所詮ビビルンなんだよな。
 正直に言えば、ほとんど成長しないんだ。
 せいぜい防御力の伸びが良いので防御に長けている程度かな。

 ファンタの装備もそうだが、サンドシャークの砂肝で作った装備には特殊効果がある。
 書いてあるようにダメージ反射だな。
 トゲトゲなので攻撃したほうも痛いって感じだ。

 といっても相手の直接攻撃(肉弾戦)でしか反射しないから気休め程度だけどな。
 それでも反射してくれるだけで価値はある。
 特にマダオは攻撃力が低いので防御の回数も多くなるからな。

 特筆すべきはやはりスキルの特殊性だろう。
 仲間を呼べるのは大きい。

 こんな感じだな。
 ティコは変わっていないのでそのままだ。


「オヤジ殿、行きますか?」
「少し様子見で行ってみるか。やばそうだったら戻ればいいし」

 ギルドでもらった地図にはこの周辺までの地形が載っている。
 ちょっと見に行くくらいならば大丈夫だろう。

 瓦礫センターはここから北東におよそ五キロか。
 ちょっと距離があるな。
 歩くのもけっこう時間がかかるんだよな。

「オトン、ワイを使えや」
「ん? 使うって?」
「ジープと同じや。引っ張ったるわ」

 おお、そうか!!
 ティコのサイズってもう普通のモンスターサイズじゃないんだよな。
 どっちかといえばクルマサイズなんだ。

 となればこいつは乗り物として使えるってことだ。
 後ろに適当に荷台を用意して引いてもらえば立派な馬車、いや、サメ車となる。
 こいつはありがたいぜ!

「てか、体力的に大丈夫か?」
「全然問題ないで」

 そりゃまあジープだって普通に引っ張ったくらいだしな。
 それに加えてまだ子供なんだよな。
 大人になったら三十メートルにもなるくらいだし、もともとの馬力は相当なもんだ。
 じゃあ、遠慮なく使わせてもらうか。

「うーん、板でいいか」

 本当は馬車用の荷台かなにかあればよいのだが、今いきなり用意しろってのは無理だもんな。
 今のところ滑れば何でもよいので、そこらにあったベニヤ板を使うことにしよう。
 あとは一緒にあったロープを拝借してと。これでよし。

 それじゃ出発だ!!


 俺たちはティコに引かれながら荒野を爆走する。
 うおお、速い! なかなか速いぞ!!

 時速三十キロくらいは出ているんじゃないのか?
 引いているのがヒツジと犬と芋虫だけだから、ジープのときとは比較にならないほど速い。
 これならすぐに着く…


 ティコは爆走している

 ガコッ
 小岩にベニヤ板が乗り上げた

 シゲキは荒野に放り出された
 ごろごろごろごろーーー


「えーーーーー!?」


「ふんふん、ワイはイカしたサメ~♪ サメなのにイカス~」
「待って、待ってぇええええーーーー!」

 うおおおーーーーい!
 忘れ物!! 落し物!!
 俺を落としていってるからぁああああ!!
 待って、待ってぇえーーーーーーー!!


「悪い悪い、気がつかんで」
「寂しかった! 俺は心細かった!!」

 結局途中で落としたことに気がついて戻ってきてくれたが、荒野に残された俺は本当にやばかった。
 見知らぬ土地で迷子になる感覚だよ!
 大人でもベソかきそうになるよ!

 夜とかよくわからないときに道に迷うとマジ嫌だよな。
 しかも周囲が住宅街だと絶望を感じる。
 今はスマホとかあるからまず迷わないけど、昔は大変だったと改めて思うよ。

 俺も一度迷ってうろうろしたことがあるが、本当につらかった。
 とりあえず人についていけばいいかと思っていると、案外まったく関係ないところに行ったりするしさ。
 女の人の後をついていったら誤解されそうだし。

 わかるか!?
 俺はそれだけつらかったんだぞ!!

「しょうがねえよ、オジキぃ。ベニヤ板だもんな~」

 くそー、所詮ベニヤ板か。
 薄っぺらい板に乗って時速三十キロってけっこう危ないよな。

 ちょっと滑っただけで吹っ飛ぶしな。
 荷台については要検討だ。早急な対策が必要となる。

「でも、お前らは落ちなかっただろう」
「ファンタは爪、俺にも鉤(かぎ)があるんだよ」

 お前らだけずるいぞぉーーーーー!
 俺にも何か欲しかった!!

 そういえば芋虫も葉っぱにぶら下がっているよな。
 あれはすごいと思う。
 一応脚に細かい無数の鉤があるのと、場合によっては糸で足場を補強するらしい。
 
 一方、ヒツジにそんな機能はない。
 そこらへんは人間と変わらないよな。


 と、そんなこったしていると瓦礫の山が見えてきた。
 まあ、だいぶ前から見えていたけどな。
 最初は小山かと思ったが、近づいてみると全部瓦礫であることがわかった。

「これ全部、廃棄物か?」



 昔、夢の島ってのがあっただろう。
 いや、今でもあるかもしれんが当時そこは大きなゴミ処理場だった。
 一面ゴミだらけの映像は子供ながらに印象的だったな。

 この瓦礫センターは、その夢の島を何倍にもした感じだ。
 すべてがゴミで作られた世界が広がっている。
 よくよく見ると先が見えないほどゴミが続いているな。

 クマーの一件で環境破壊がうんたらって話もあったし、こりゃマジでこの世界もやばそうだ。

「うう、すごい臭いです」

 あまりの悪臭にファンタが苦しそうだ。
 さすが犬なだけあって嗅覚が優れているからな。
 これはかわいそうだ。

「オジキィ、あっちのほうに機械類がありそうだぜ」

 今俺たちがいるのは生ゴミとかもある地域のようだ。
 マダオが言うようにもう少し先には機械的なフォルムの瓦礫の山が広がっている。
 そこならば少しは臭いはましになるだろうし、目的のものもあるかもしれんな。

 よし、行くぞ。
 と俺が思ったときだった。


 バイオゴミバエAが現れた。
 バイオゴミバエBが現れた。
 バイオゴミバエCが現れた。
 バイオゴミバエDが現れた。


 突如大きな物体が空から飛来した。
 それはよく見ると…

「なんだ!? でかいぞ、このハエ!」

 ハエだ。漢字で書けば蝿だな。
 そう、あのゴミには付き物のハエだ。
 だが、デカイ! 身体がサッカーボールくらいあるぞ!

 普通のハエじゃないことは一目瞭然だ。
 ここには産業廃棄物も捨ててあるから、何かの成分で巨大化したのか?

「お前ら、戦闘準備だ! 叩きのめすぞ!」

 ここいらの敵の強さを知るいいチャンスだ。
 俺たちの力を見せてやんぜ!!


 ファンタの攻撃
 ズババ
 ダッシュからの噛み付き攻撃

 シュッ
 バイオゴミバエAは回避した


「オジキ殿、速いです!」
「さすがハエか!」

 ハエってのは目がすごく良い。
 360度見えるらしい。
 一番素早いファンタの攻撃でも、相手が見てから対応できるくらい素早いな。


 バイオゴミバエAの攻撃

 ブルルルーーーーン
 ローリングアタック

 ドカッ
 シゲキは1のダメージを受けた


「ちっ、当たるとけっこう衝撃があるな!」

 素早いがハエなので攻撃力は低いようだ。
 よくバイクに乗っていると虫が顔に当たることがあるよな。

 たまにセミとかカナブンとかと当たると、ゴツッとかいってけっこう痛い。
 正直にいえばあれくらいの痛さだ。
 これくらいならなんとか…


 バイオゴミバエBの攻撃
 バイオゴミバエCの攻撃
 バイオゴミバエDの攻撃

 ブブブブブブブブッ
 ドカッドカッドカッ

 シゲキは1のダメージ
 シゲキは1のダメージ
 シゲキは1のダメージ


 いてて!!
 集団でたかられるときつい!
 何よりハエに群がられるのは精神的に嫌すぎる!

「このっ!」


 シゲキの攻撃

 ドリル発射
 ドヒューーーー

 スカッ
 バイオゴミバエBは回避した


 ちくしょー、当たらん!
 こんなのまともに相手をしていられないぜ。

「マダオ、放火コンビは!?」
「駄目だねぇ。すぐには呼べないよ!」

 ジープとの戦いで死んだばかりだ。
 マダオが新しく友達にならないといけないから時間がかかるんだ。

「メル友からスタートするから、あと二ヶ月くらいはかかるぜぇ」
「長げえよ! そんなにかかるのかよ!」
「焦っちゃいけねえよ。こういうのは順序ってのがあるのさ」

 まさにメル友からのスタートだな。
 誘うまでにはまだまだ時間がかかる。
 しかも死をかけた最高のフィーバーなので、相手とかなり親密にならねばならないのだろう。

「他に友達はいないのか?」
「俺ってつい最近まで、まるで駄目なオッサンだったんだぜ。初めての友達が死んだらネタ切れさ」

 あれって初めての友達だったのーーーーー!?
 そのわりにはすごいファンキーだったよ!?

 すげえな、そのネットワーク。
 だが、もうそれも終わってしまった。
 次の友達ができるまでは、まだかなり時間が必要だという。

 やばい、マダオあまり使えないぜ!!

「ティコ、土玉は!」
「悪い、ちょっと無理や。土が汚すぎるわ」

 たしかに俺が見ただけでも最悪の土の色をしている。
 普通の茶色ならまだしも、なぜかヌルヌルした緑色の土とかもあって、これを口に含めってのは俺でも無理だ。

 くそっ、普通の攻撃じゃハエに当たらないぞ!
 せめて炎が使えればと思ったが…

 って、炎!?
 そういえば、あれがあったな!

「ティコ! アレをくれ!!」
「おうよ!」


 ティコはシゲキにマッド火炎放射器を渡した


 すっかり忘れていたが、マッド・スズキさんから火炎放射器をもらっていたんだ。
 ただ、なかなか使いどころがなくて困っていたんだよな。
 人間用だから手がないと押しにくいし。

 だが、こうなったら使うしかない!
 一人では使えないから…

「マダオ、土台になってくれ!」


 シゲキはマダオの上に火炎放射器をセットした


「俺が支えるからファンタが押すんだ!!」
「了解です!」
「くらえ、俺たちのコンビネーションプレイ!!」


 ファンタは火炎放射器を使った
 ブオオオオーーーー
 炎が周囲を焼き払う

 バイオゴミバエAは回避
 バイオゴミバエBは回避
 バイオゴミバエCは回避
 バイオゴミバエDは回避


「オジキぃ、回避されたぜ!」
「いいんだ!!」


 バイオゴミバエAは瓦礫にしがみついている
 バイオゴミバエBは瓦礫にしがみついている
 バイオゴミバエCは瓦礫にしがみついている
 バイオゴミバエDは瓦礫にしがみついている


 直接炎で焼けなくても動きを封じられればいいんだ。

 どうやらハエってのは冷気や熱風が来るとしがみつく習性があるらしい。
 実際に捕まえる際もドライヤーをかけながらやると簡単みたいだな。

 よし、ここがチャンスだ!!

「ティコ!!」
「任せとき!!」


 ティコの攻撃

 大きな口で瓦礫ごと噛みちぎった

 バイオゴミバエAは30のダメージ
 バイオゴミバエBは28のダメージ
 バイオゴミバエCは33のダメージ
 バイオゴミバエDは32のダメージ

 バイオゴミバエAは死んだ
 バイオゴミバエBは死んだ
 バイオゴミバエCは死んだ
 バイオゴミバエDは死んだ


「ぺっ、あんまり美味くないの」

 ティコが噛みちぎったハエを吐き出す。
 さすがに虫は食べないらしい。

 しかしすごいぜ!!
 でかいから一撃が広範囲で大きい!

 通常攻撃がほとんど範囲攻撃なんだよな。
 やっぱり大きな戦力になるぜ!

「オヤジ殿、この武器は使えそうですね」

 うむ。マッド・スズキさんには感謝だな。
 背中に背負えば使えそうだし、少し改良して使ってみるか。

「オジキぃ、俺に使わせてくれよ。足手まといは嫌だぜ」

 現状ではマダオに合う武器はない。
 それが攻撃力の低下を招いている。

 だが、さっきやったように土台としても使えたし、この広い背中ならば火炎放射器も置けるかもしれんな。
 マダオが戦力アップするのは良いことだし考えてみようか。


 それから俺たちは移動しながら粗大ゴミを漁り始めた。
 うーん、なんかよくわからない物が多い。
 半分ぐちゃぐちゃになった基盤やら、タイヤやら何かの鉄塊やら、ほんと手当たり次第にいろいろある。

「オトン、これ荷台に使えるんちゃうか?」
「おっ、なんだこれ?」

 ティコが見つけたのは、なぜか落ちているログハウスだ。
 こんなもんどうやって捨てたんだと問いたいが、あるのだから仕方がない。
 ただ、普通に建っているのではなく逆さまになって半壊している。

 ログハウスの壁と壁はまだくっついているので、少し手を加えれば即席の荷台が作れるかもしれん。
 釘とかもそこらへんに落ちてそうだしな。

「そうだ。金属探知機を使うか」

 そうそう、モヒ兄ちゃんから借りた金属探知機があったんだ。
 正直、腐敗した生ものも転がっているから、このままじゃ何が使えるもので使えないものかがわからん。

 そこで役立つのが金属探知機だ。
 これを使えば金物を見つけるのに役立つだろう。

 ピコーン、ピコーン

 おっ、さっそく探知機が反応したぞ!!


 シゲキは掘り起こしてみた
 銅線が出てきた


 リアルな物が出てきた!!
 けっこう普通にありそうなものが出てきたよ!!

「オヤジ殿、こういうのは売れるのでは?」

 そういや銅線泥棒ってのがニュースでやっていたな。
 つまりは金になるってことか。
 となれば持っていって損はないな。

 それから針金やら錆びた釘みたいなものも見つけた。
 俺たち動物は人間のような手がないので大変だったが、なんとか荷台を組み立てて拾ったものを投げ入れていく。


○見つかったもの

・銅線12キログラム
・錆びた釘
・針金
・50円
・乾電池
・空き缶
・招き猫(金属製)
・錆びた剣
・朽ち果てたロッカー
・朽ちた35ミリ砲

 こんな感じだ。

 銅線は何かの工事で使った残りなのか、まとまった量が手に入った。
 あとはクソ重い何かの金属製の招き猫と錆びた剣。
 それとロッカーも埋まっていた。

 このあたりはもうカオスな状況だ。
 しかし光明もある。それが35ミリ砲だ。
 相当オンボロではあるものの、こうしたものまで埋まっているとは!!

 おいおい、もしかしたらここは宝の山かもしれんぞ。
 どんどん掘ろうぜ! なあ!!

「オヤジ殿、目的を見失ってます」
「はっ! 俺は何を!?」

 楽しくて完全に目的を見失っていた。
 いやはや、金属探知機って面白いのな!!
 反応があったら掘らずにはおられないっていうのかな。
 何が埋まっているかってワクワクするのよ。

 けっこうネットでも安く売っているから家に一台くらいあってもいいな。
 といっても家の中だと落ちた画鋲(がびょう)とかを探すのにしか使えないが…

 外に出れば何か発見もあるだろう。
 公園で使っていたら確実に子供が寄ってきそうだけどな。
 金属探知機おじさん、とか名付けられそうだ。

 錆びた剣とかも見つかる以上、何か掘り出し物があるかもしれん。
 だが、俺たちの目的はCユニットとバッテリー。
 それ以外はクルマに使えそうな部品とかだ。

 まずはクルマの修理に使えるもの。
 それが重要だ。

「つっても、クルマの部品なんてあるのか?」

 所詮、不法投棄で作られた山だ。
 所々に車の残骸のようなものはあるが、そのまま残っているってのはまだ見つかっていない。
 なにより広いんだよな。広すぎてもうよくわからない。

 やっぱり部品を探すならば廃棄車広場かな。
 そこに行けば車はたくさんあるのは確定している。
 無料でなんとかしようと思ったから苦労しているわけで、多少の出費を覚悟すればあっちのほうが確実っぽい。

「しょうがない。広場のほうに向かうかな」

 ピーーーービーーーー!

「オヤジ殿、また反応です! しかも強い!」
「おっ、何だ!」

 この反応は大きいぞ!!
 よし、最後に一回掘り起こして…


 ドバーン!!

 グラップラーブルドーザーが現れた


「…え?」

 俺が掘り起こそうとしたら何か出てきた。
 埋まっていたものが自らの力で出てきた。
 それが目の前の大きなブルドーザーだ。

「く、クルマだ! クルマだ! クルマが見つかったぞ!」
「オジキぃ、そんなこと言っている場合じゃなさそうだぜ!」

 音楽が変わってるぅううーーーー!!
 この音楽、ボス戦の音楽だ!!
 まさか賞金首にぶち当たっちまったか!?


 グラップラーブルドーザーの攻撃

 ドバババ
 周囲の瓦礫を破壊しながら突進してきた

 スパパーン
 シゲキは回避した


 あ、危ねぇえええ!!!
 慌てて逃げたから間に合ったけど、こいつはやばい!!
 軽い起伏くらいなら簡単に抉り取って迫ってくるぞ、このブルドーザー!

「誰か乗っているのか?」
「誰も乗っていないようです」
「ってことは、まさかあれも?」

 俺の予感が正しければ、あれもメガミユニットによって動いている可能性が高いな。
 しかし、明らかに敵意があるぞ。

 暴走しているって感じじゃない。
 意図的に俺たちを狙ってやがる。
 いや、生物を狙っているのか?

「オトン、どうする?」
「クルマなら部品があるはずだ。倒せば奪えるかもしれん」

 これだけ動けているのならば部品は正常だろう。
 もし停止させることができるのならば、俺たちの欲しいものが手に入る。
 ジープだって倒せたんだ。ブルドーザーだって!!

「ティコ、押さえつけられるか!」
「やってみるわ!」


 ティコの体当たり攻撃

 ドッガーン!!
 グラップラーブルドーザーは大きく揺れた

 だが、倒れない


 あいつ、ティコの体当たりを防ぎやがった!
 さすがクルマかよ!!

「ならば自分が!」


 ファンタの破砕噛み

 ドガッ
 グラップラーブルドーザーのパーツが破損した


 よし、これは効くぞ!!
 機械が相手ならば通用するのは大きいな!
 となれば、俺がやることは一つだ。

「俺が自家発電するまで時間を稼いでくれ!」
「了解!!」

 相手が機械ならば俺の自家発電が通じるはずだ。
 前は弱点部分に直接放ったから壊しすぎてしまったが、今回は場所を限定すれば壊さずに済むかもしれん。


 シゲキは痺れ罠を設置した

 バチバチバチ!!
 シゲキは自ら感電した

 充電開始!!


 いてぇええええ!!!
 やっぱり痛いんだよな、これは!!

 自分で設置した痺れ罠に自分がかかるってのは嫌なもんだが、今のところこれしか電気を補充する方法がない。
 バッテリーとか手に入れたら、こういうところも何とかしたいぜ。


 グラップラーブルドーザーの攻撃
 瓦礫を突き壊した

 ガラガラガラ
 ゴミが落ちてくる

 シゲキは7のダメージ
 ファンタは5のダメージ
 マダオは4のダメージ
 ティコは5のダメージ


 高い瓦礫を崩していろいろな物が落ちてくる!
 その中には鋭利なものや重いものもある。
 地味な攻撃だが落下物に当たると相当痛い。

 ちいいっ!! こいつ、場を知り尽くしてやがる!

「みんな、回復重視だ!! 死んだら終わりだぞ!」


 シゲキは回復ドリンコを飲んだ
 ファンタは回復ドリンコを飲んだ
 マダオは回復ドリンコを飲んだ

 体力が全快した!


 ジープ決戦の前にファンタたちにも水筒を買っておいたのだ。
 これでフタを開ける必要がなくドリンコが飲めるのだ。
 こうして耐久で粘っていけばチャンスは生まれる。

 そして、俺の充電が終わる。
 へっ、ブルドーザーだから動きは遅いんだ。
 ヒツジの素早さをなめるなよ!!

「行くぞぉおおお!!」


 シゲキの攻撃

 シゲキは電撃を放った
 ピカー!! ドガーン!!

 グラップラーブルドーザーに48のダメージ
 グラップラーブルドーザーのパーツが破損した


「よし! これでどうだ!!」

 機械相手だって怖くはないぞ!!
 俺の自家発電も十分に通用する!!

 このままならいける!
 俺たちは強い! 勝てる!!
 このままなら…


 ピーーー ピーーー
 ケイコク ケイコク

 第三級敵対者と判別
 第二形態への移行を許可します

 零型メガミユニットが起動
 ウィーーーン ガコンッ

 グラップラーブルドーザーは変形した


「うぇっ!?」

 嘘だろぉおおおおおおおおおおおお!!
 変形しやがったよ、こいつ!!

 普通のブルドーザーのいろいろなところが盛り上がって、一回り大きくなりやがった!
 だが、ただ大きくなっただけじゃない。
 あれは…あの武装は!!


 グラップラーブルドーザーの攻撃

 ジェノサイドモードが発動
 ドヒュードヒューン
 ミサイルを発射

 ドガドガドガドガッ

 シゲキは32のダメージ
 ファンタは35のダメージ
 マダオは28のダメージ
 ティコは38のダメージ

「きゃぅーーーーんっ」

 ファンタは死んだ

「オジキぃーーーーーー!」

 マダオは死んだ


 なんだこりゃあぁああああああああ!!
 攻撃のレベルが違いすぎるぞ!!

「オトン、ここは引かんと死ぬで!!」

 ティコの体力は高いから助かったが二発目はやばい。
 それに俺も次は間違いなく死ぬ。
 ここは逃げるしかないか!!

「ティコ、頼む。俺たちの死体を運んで上手く逃げてくれよ!」
「オトン、何する気や!?」

 これだけは使わないでおこうと思っていた。
 ちくしょう、使いたくなかったぜ!!
 だがもうこれしかない!!!


「餅ネタ!!」


 んがんんっ


 シゲキは死んだ



「!?!?!?!!?」

 キケン キケン
 未知なる行動を確認

 キケン キケン
 速やかに退避せよ

 グラップラーブルドーザーは逃げていった



 見たか、これが餅ネタの力だぜええええええええええ!!


 俺は生まれて初めて餅ネタに感謝したぜ!!!


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