Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

文字の大きさ
上 下
46 / 670

街の様子

しおりを挟む
 荷物を置いて夕食の為に食堂に降りた。食堂はかなり混んでいたけど宿屋の奥さんが空いてる席を教えてくれたので其処に座る。
 泊まり客の食事は決まっているらしく直ぐに持ってきてくれた。

 宿屋にはお爺ちゃんと孫の旅と伝えてあるらしいので食事を運んでくれた宿屋の奥さんに「お爺ちゃんとの旅を楽しんでね」と言われ、ちょっと笑える。
 食事を終えた時1人の男が近寄ってきた。

「お食事中失礼します。自分はザサという者で仕事を探しています。旅の護衛は必要ですか?」

どうやら門の所にいた1人らしい。爺はここが目的地の為、護衛は必要ないが話を聞きたいとザサと自分用のお酒、僕用にホットミルクを注文した。

 色々な所を護衛として回っているらしく珍しい話を沢山聞けた。僕は途中で部屋へ戻ってきたけど爺にはまだ残って聞いてもらってる事がある。
 だって……眠くなっちゃったんだもの。

 朝、やっと日が登ったくらいの頃なのにザワザワした人の気配で起きた。爺はもう起きて僕の着る洋服とか出発しやすいように荷物を整頓していた。
 いつもこんな早起きなのかな?

「おはようございますノエル様。もうお目覚めですか?慣れない環境でおやすみになりにくいですか?もう半刻くらいはおやすみになれますよ。」

「おはよう…もう起きるよ。なんか賑やかな感じでじっとしてるのが勿体ない」

急ぐ用事も理由も無い筈なのになぜか心が騒ぐっていうのかな?じっとしていたくないんだ。
 小さい子供みたいでおかしくてフフフと笑ってしまう。
 
 朝食の時間までまだ余裕があるので朝市を見てみることにした。今後は朝市なんて来れないかもしれないからね。
 泊まってる部屋の窓からも朝市の様子が窺える。僕が起きちゃう訳だよ。こういうの活気が満ちてるというのかな?

 爺は僕が迷子にならないように後ろからついて来ているけど自由に見させてくれた。
心配しなくても大丈夫だよ~これでも王都で1人で生きていこうと色々やったんだし。

 朝市の一番多い店は意外な事に直ぐに食べれるお粥やサンドイッチのような朝食屋台だった。
 利用しているのは見るからに肉体労働者だろう人が多く、サンドイッチの方はお弁当にするのか包むための物を渡していた。
……包む物は持参なんだね。エコロジー?

 野菜、果物、肉……肉??
そうだよね…そうなんだよね?お肉ってこうやって売るんだ……。
 吃驚した…お肉がぶら下がってるんだよ。
ブンブン虫が飛んでるんだよ?!
 前の世界の記憶があってお城で甘やかされて育った僕にこの衛星環境は、問題にしたいと思います。

 朝市に来ただけで僕の問題点がいくつもわかった。この段階でわかっただけ良いのか?もっと前にわかっていて当然だったのでは…そう悩みかけたけど、もうそれがムダ。悩むのならもっと別のことに頭を使おう。
 何がわかったのか?僕は甘い子供だって事です。











しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

異世界で捨て子を育てたら王女だった話

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:489pt お気に入り:9,985

溺愛男爵は僕を離してくれない!

BL / 連載中 24h.ポイント:775pt お気に入り:524

悪役令息の花図鑑

BL / 連載中 24h.ポイント:3,351pt お気に入り:1,206

竜の国のご都合主義?

BL / 連載中 24h.ポイント:533pt お気に入り:86

俺を裏切り大切な人を奪った勇者達に復讐するため、俺は魔王の力を取り戻す

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:5,248pt お気に入り:91

吸血鬼は討伐されずに拉致られた

BL / 完結 24h.ポイント:21pt お気に入り:6

規格外で転生した私の誤魔化しライフ 〜旅行マニアの異世界無双旅〜

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:668pt お気に入り:137

処理中です...