Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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現実

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 アーノルドと話し合った結果、両親への報告が一番最初にするべきである。という結論だったので
(実際は手紙出しちゃったけどね。)ローランドに教える事、領民への発表などは一旦保留。
 領主館に勤める者は戒厳令をだして口止めした。

「爺、父様に面会の申し込みをしておいて。今回は正式の方が良いと思うからよろしく。」

「かしこまりました。既に王様より1週間後に此方においでになると連絡がございましたが如何なさいますか?」

「……ノエル、さっきいつ手紙を出したって言った?昨日の朝と言わなかったか?」

 間違いなく昨日の朝です。僕は超速達を使ったから凄く速く着くと思うけど、まさか父様もそれで返してきたのかな?

「ノエル様が使われた超速達というのは隼に手紙を届けさせるものです。……隼だったりポニーだったりと動物に手紙を託すのはノエル様くらいですよ。」

 父様の使者は早馬で来たらしい。まぁ近いからね早馬飛ばせば半日も経たずに来れるか。
…いや、この場合距離とその時間より問題なのは王である父様の訪問がすぐに決まった事だろう。

「ノエル様、推察でございますが…王様は重要な事と判断なさったのだと……。」

 何時になく歯切れが悪いね爺。

 この時になってようやく僕はもしかして危うい状況になる可能性に気付いた。
 僕の立場は王位継承権は無いものの現王の第一子で、番は王都の次に大きい都市を持つ領地の領主。
義父は隣国の王族に嫁入りしたため身分は王族の次に位置する。

 ……あれ?もし、悪心を持つ誰かが僕を利用しようとしたら、とんでもない事になっちゃう!?
 今まではそんなのチラッとも考えなかったけど、僕に赤ちゃんが出来た事で変な注目されるのも嫌だし……。

 考えてる事が顔色に出たのか、アーノルドが心配そうに覗き込んできたけどその不安が見える顔のまま爺を見る。
 “僕の妊娠が原因で善からぬ事が起ききるの?”と表情で2人に問いかけた。

「ノエル、不安にさせた。大丈夫だよ…まだ悪阻もきてないから対策を建てる時間はある。王様の訪問も皇太子の事もあるし、そうでな無いくてもノエルが溺愛されてるのは貴族は全員知っている。
 突然の訪問くらいで直ぐにノエルの妊娠と感づく者はいない。」

 僕の体を抱えなおして尚且つ僕が安心しやすいように自分の上着を僕に被せてくれた。
 でも、僕の不安は拭えずグルグルしてたら爺がいつもの口調で何事でも無いと言うようにさらりと言った。

「…でしたらノエル様が先手を打てば宜しいのですよ?ノエル様はいつだってご自分の都合…いえ、宜しい様に物事を動かすのはお得意ではございませんか今回もそうすれば宜しいのです。人手はございますしこの領地はノエル様が領主になられてから劇的に良い方へ変わりました。領民とてこの暮らしを手放したくはございませんよ?」

 ……………そーだね。そうだよね………僕の都合が良いようにと言おうとしたのは聞かなかった事にしてあげよう。ついでに爺は本当は“都合の良いように物事を手の上で転がせば”と言いたかった事も気付かないフリしてあげよう。

 ………そうと決まれば、どーいう方向へ持って行こうかなぁ~。





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