Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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暴走させない!

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 僕の行動は最近のうちでは一番の行動だったと思う。アンリという名を聞いたとたん母様はピクリと身動きしたけどその腕には生まれたての孫。まだ泣き方すら子猫みたいに力ない赤ちゃん。丁寧に大事に扱わないといけない……その結果、シモンの時のように「祝砲~」とか言い出さずにじっと耐えている。
 ……母様、話すのは別に構わないのに話すら止めてじっとしている。だからといって僕にアンリを返してくる訳でもない。というか、引き取ろうと腕を伸ばしたら嫌々した。……なんか…可愛い。

「アンリの御披露目はスサエナのみで行います。アンリはαなのでこのスサエナの後継者としては今のところ考えてはいないので、シモンの時のようにパレードとかは考えてはいません。」

 この辺りで母様がモゾモゾ体を動かし始めた。何か言いたいらしい。……言いたい事は解るけどね。

「でも何もしないという事ではありませんよ。シモンの御披露目の時に言っていた“ファッションショー”を企画しています。」

 ここで僕は母様からアンリを奪い返し、シモンを引き寄せた。

「オホホホホホホホ!素晴らしいわ!!ノエル!素晴らしいわ!遂に開催するのですね?!あああ~母様は何をすれば良いかしら?!スポンサー?バックアップ?……ああ!うるさい外野は気にしないで良いように始末するから安心なさい!」

 ……はい、奪い返して大正解。シモンも引き寄せて正解。シモン、目を丸くしちゃってびっくりしているもん。いやいや、そんな呑気な事を思ってる場合じゃない。今の母様の台詞のなかでなんか不穏な言葉が出てきたぞ?

「母様、うるさい外野についてはもう手を打ってるから。それでも口出ししてきたら母様に相談するからその時お願い!」

「あら、そうなの?……母様はノエルの為になら何でもしてあげるわよ?そうね…なら、会場を建ててあげましょうか!!」

「いいえ!……母様、お気持ちは嬉しいけど、イメージを統一させるので結構です。」

 ……嘘です。イメージ統一なんて考えていませんでした。でも母様にお任せするとシモンの御披露目の馬車のようにとんでもなく“ロマンチックかつゴージャス”になってしまうのは火を見るより明らか!咄嗟に出たイメージ統一という言葉だけど母様も「イメージ統一は大事よね。」と納得してるからなんとか回避できたようだ。でも、これで諦める母様じゃない。ここは一つ、僕からのおねだりで誘導するのが一番だ!

「母様もしご迷惑じゃなかったら……なんですけど。ちょっと大きいおねだりしても良い?」

 僕ら親子3人のおねだりになるようにあざとく2人の子供の配置を変える。ついでに小首を傾げてシモンの頭を撫でながら母様を見つめる形に持っていく。
 途端に任せなさいとおねだり内容を聞いてもないのに了承する母様にお願いしたのは王都にファッションショーで好成績を納めた人のドレスを売る為のお店の確保。優勝者1人ならアトリエとかでも良いけどお客様の好みに合わせられるように何人もデザイナーは居ても良いと思うんだ。
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