Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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お返事

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 母様が僕のおねだりに満足して機嫌の良い夜、イエイガー老に送った使者が帰ってきた。イエイガー老からのお返事をいただいてきてくれたというので会ってみると、凄く疲弊してるように見えた。

「ご苦労様でした。とても疲れてるように見えるけれど途中何か有りましたか?」

 王都への道は完成されレンガ敷の道で通りやすいはずだし、途中に兵士の巡回休憩場を設けて兵士の見回りや旅人の休憩場としても解放していたはず。兵士の巡回があるので盗賊の心配もない安全な道のりのはずだ。……もしかして、獣が出たとか?それならば大変だ。最近では安全な道として成人間近の子供のなら1人でも王都に行けると言われてお使いで行く子も居ると聞いているから。

「獣でも出ましたか?もしくは道が壊れていたり?」

 僕の問に「いいえ、そのような事はございません。王都への道は安全に通行できております。」と返ってきた。そして話を聞くとイエイガー老が丁重にもてなしてくれた為、慣れない待遇に気疲れしてしまったという。
 ……そうか、イエイガー老は使者にも丁寧に接してくださる素晴らしい方だけど、使者としてはこうなるのか~。でも問題ないみたいだからまぁいいか。


 僕が言いたかった事を直に言う訳でなくイエイガー老に言ってもらった理由はいくつもある。最大の理由は“角がたちすぎる”というものだけどねぇ。だってそうでしょ?
「先に要らないと言ったのはそっちなんだから僕だって何があっても知らないよ!」
なんて流石に面と向かって言うのは不味いよね?だからイエイガー老ならと思ったんだけど、イエイガー老ったら面倒だってほぼそのまま伝えたらしい。でも、それでもめげずに“仲良くしましょう。だからうちの領地に向けてレンガの道と汽車をひきましょうね。”なんていう親書はまだ届く。まぁ、もう一方の僕の王位継承権が~という話はピタリと止んだのでそれは良かった。うん。良かった良かった。


「……ノエル様、爺の方には、かのお方よりノエル様の暴走を止めるようにとお手紙をいただいてるのですが?」

 え?爺ってば何を言ってるの?僕が暴走?そんなのするわけ無いじゃない。母様じゃあるまいし。
 第一、こんなか弱い僕が暴走したところでたかが知れてる。問題無いよ。

「…………この騒ぎは?」

「馬鹿な貴族が馬鹿な事を言い出した結果。」

 僕は“いい加減にしてよねッ”と言っただけ。僕悪くないもの。母様のようにいろんな人巻き込んで嵐のような事にしてないもの。

「ノエル様……充分……巻き込んでおります。」

 ……ああ、イエイガー老のこと?……それは~、まぁそんな事も……。
 なんてちょっと旗色悪いなぁと思い始めた時、「……それから」とイエイガー老からではないお手紙を預かっていると差し出されたのは1通の手紙。差出人は“代表 シロト男爵”とあった。全く覚えがないから爺を見る。爺も分からないようで封を開けて返してくれた。
 中身は、自分の子供がΩなので僕の領に越させたいというもの。

 おおぉ~。トータ君、お仕事ですよ~。
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