389 / 708
船の中はメシテロですか?
しおりを挟む
沖へ出ると寒くて甲板にはいられないからお部屋でぬくぬくと過ごす。まったりゆったりとしているとコウが御用聞きに来た。
コンコン 「失礼、何か足りないもの必要なものありますか?」
母様は部屋におらず暫くは戻って来なさそうなので僕の部屋に来たという。
「え……リリーは?」
リリーもつれ回されているのかと思ったらリリーは自分からエンジュの部屋に行くと言ってコウに頼んだらしい。
「こう言ったらナンですが……」
「うん、リリーは一番困らない子。頭もよくて察しも良いから手がかからない。だからこそよく見てあげなきゃならないんだけど、手をかけられるのも嫌いらしくって……。」
「いえこちらとしては姫様に振り回されなくて良かったと。」
……うん。本当にね。今の母様を止めるのはムリそうだよね。たぶん爺は僕や子供達に影響がなければ停めようともしないだろうし。
「それはそうとコウ、積み込んだノエル様の荷物の中にマオの着替えが数着入っておりました。」
いつの間にか荷ほどきをしていた爺がマオのお気に入りでヘビロテ気味に着てる服を数枚渡した。
「ありがとうございます。……あいつ、こっちに入れるの面倒で紛れ混ましたんでしょう。」
でしょうね。僕の部屋でお泊まりもしてたし着替えもいつの間にか何着かクローゼットにあったよね。
「ご迷惑を……かけ続けます。」
思わず笑ってしまったのは仕方ない。普通は「ご迷惑おかけしました」だけど、これで終わりじゃないのはわかりきった事なので「かけ続けます」と。変なツボに入ってしまい暫く顔が戻らなくなってしまった。
「マオの服を置いてからで結構ですので今日のメニューを確認したいのですが。」
「ああ、じゃ決めちゃいましょう。こんなのは荷物にもなりませんから。」
とマオの服を横に置くと背中の大きなポケットから紙を束ねたボートが出てきた。
……何その服面白い!
「今日のメニューは陸で作っていた山羊のシチューとオムライスですね。それから鳥の酒蒸しにラディッシュとレタスの生サラダ。」
……ナニそのメイン料理ばっかりのメニューは。正直美味しそうだけどちょっとづつしか食べられないのは悔しい。
「ノエル様、お好きな物が多いですね。因みに酒蒸しのソースは?」
「醤油と胡麻油に生姜と辛味を加えた物と、マヨネーズに辛味を加えた物の2種類です。」
……お腹が鳴りそうな会話。ヤバイね。でもそれって夜のメニュー?お昼は?もうすぐお昼ですよ?
「ああ、今日は忙しいのでお昼はアーノルド様がサンドイッチを手配して下さったのでそれですよ。この旗艦の分だけじゃなく各艦の分も用意して下さったから大変だったでしょうね。」
やった~!サンドイッチだ。ということは?僕の好物のジャムサンドと生クリームのフルーツサンドもあるだろう。……甘いのばっかりというなかれ。
……アーノルドは気を効かせたつもりなのだろう。フルーツサンドにイチゴジャムサンド、リンゴのジャムサンド、マーマレードサンド、照り焼きチキンサンド、玉子サンド、フィッシュサンド……もう!全部食べようと思ったら一切れづつしか食べられなかったじゃん!
コンコン 「失礼、何か足りないもの必要なものありますか?」
母様は部屋におらず暫くは戻って来なさそうなので僕の部屋に来たという。
「え……リリーは?」
リリーもつれ回されているのかと思ったらリリーは自分からエンジュの部屋に行くと言ってコウに頼んだらしい。
「こう言ったらナンですが……」
「うん、リリーは一番困らない子。頭もよくて察しも良いから手がかからない。だからこそよく見てあげなきゃならないんだけど、手をかけられるのも嫌いらしくって……。」
「いえこちらとしては姫様に振り回されなくて良かったと。」
……うん。本当にね。今の母様を止めるのはムリそうだよね。たぶん爺は僕や子供達に影響がなければ停めようともしないだろうし。
「それはそうとコウ、積み込んだノエル様の荷物の中にマオの着替えが数着入っておりました。」
いつの間にか荷ほどきをしていた爺がマオのお気に入りでヘビロテ気味に着てる服を数枚渡した。
「ありがとうございます。……あいつ、こっちに入れるの面倒で紛れ混ましたんでしょう。」
でしょうね。僕の部屋でお泊まりもしてたし着替えもいつの間にか何着かクローゼットにあったよね。
「ご迷惑を……かけ続けます。」
思わず笑ってしまったのは仕方ない。普通は「ご迷惑おかけしました」だけど、これで終わりじゃないのはわかりきった事なので「かけ続けます」と。変なツボに入ってしまい暫く顔が戻らなくなってしまった。
「マオの服を置いてからで結構ですので今日のメニューを確認したいのですが。」
「ああ、じゃ決めちゃいましょう。こんなのは荷物にもなりませんから。」
とマオの服を横に置くと背中の大きなポケットから紙を束ねたボートが出てきた。
……何その服面白い!
「今日のメニューは陸で作っていた山羊のシチューとオムライスですね。それから鳥の酒蒸しにラディッシュとレタスの生サラダ。」
……ナニそのメイン料理ばっかりのメニューは。正直美味しそうだけどちょっとづつしか食べられないのは悔しい。
「ノエル様、お好きな物が多いですね。因みに酒蒸しのソースは?」
「醤油と胡麻油に生姜と辛味を加えた物と、マヨネーズに辛味を加えた物の2種類です。」
……お腹が鳴りそうな会話。ヤバイね。でもそれって夜のメニュー?お昼は?もうすぐお昼ですよ?
「ああ、今日は忙しいのでお昼はアーノルド様がサンドイッチを手配して下さったのでそれですよ。この旗艦の分だけじゃなく各艦の分も用意して下さったから大変だったでしょうね。」
やった~!サンドイッチだ。ということは?僕の好物のジャムサンドと生クリームのフルーツサンドもあるだろう。……甘いのばっかりというなかれ。
……アーノルドは気を効かせたつもりなのだろう。フルーツサンドにイチゴジャムサンド、リンゴのジャムサンド、マーマレードサンド、照り焼きチキンサンド、玉子サンド、フィッシュサンド……もう!全部食べようと思ったら一切れづつしか食べられなかったじゃん!
61
あなたにおすすめの小説
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
番解除した僕等の末路【完結済・短編】
藍生らぱん
BL
都市伝説だと思っていた「運命の番」に出逢った。
番になって数日後、「番解除」された事を悟った。
「番解除」されたΩは、二度と他のαと番になることができない。
けれど余命宣告を受けていた僕にとっては都合が良かった。
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
愛を知らない少年たちの番物語。
あゆみん
BL
親から愛されることなく育った不憫な三兄弟が異世界で番に待ち焦がれた獣たちから愛を注がれ、一途な愛に戸惑いながらも幸せになる物語。
*触れ合いシーンは★マークをつけます。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
流れる星、どうかお願い
ハル
BL
羽水 結弦(うすい ゆずる)
オメガで高校中退の彼は国内の財閥の一つ、羽水本家の次男、羽水要と番になって約8年
高層マンションに住み、気兼ねなくスーパーで買い物をして好きな料理を食べられる。同じ性の人からすれば恵まれた生活をしている彼
そんな彼が夜、空を眺めて流れ星に祈る願いはただ一つ
”要が幸せになりますように”
オメガバースの世界を舞台にしたアルファ×オメガ
王道な関係の二人が織りなすラブストーリーをお楽しみに!
一応、更新していきますが、修正が入ることは多いので
ちょっと読みづらくなったら申し訳ないですが
お付き合いください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる