Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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う~………マンボウ!

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 お腹いっぱいになり子供達はお昼寝に行く。僕はといえば甲板へ。外海に出たというので行ってみると数人の船員さんが海を覗いていた。

「こんにちは~。何を見てるんですか?」

「ノエル様か。気をつけて見てみんしゃい。マンボウの日光浴じゃ~。」

 海を覗いていたうちの1人が振り返って教えてくれた。ちょっと年のいった前歯が1本無いおじいちゃん船員さんはすごく愛想がいい。

「爺!マンボウだって!」
 
 もう頭の中ではあのマンボウの曲が流れている。
タッタッタタラッタタタタタ、タッタッタタラッタタタタタ~。そしてお決まりの う~マンボウ!
一連の流れを脳内再生して除き混むと、思ってたのよりずっと大きいマンボウが水面に横に浮かんでた。

 プカ~プカ~と波間を漂うその大きさは正にベッドサイズ。いやいやシングル車内よ?縦と横の長さが同じくらいの大きさのキングサイズのベッド。そんなのがプカプカと浮かんでる。

 ……あ、ちょっと思い出した。スマフォアプリでマンボウの育成ゲームがあった。そのマンボウはちょっとしたことですぐに死んでしまうんだ。
『海水の温度差に耐えられなくて』とか、こうやって浮かんで『日光浴で太陽にあたり過ぎて』とか。でも一番おかしかったのは『鳥につつかれて』だった。ちょっとしたストレスでもマンボウは非常にデリケートなのでダメらしい。
 そして、そんな危険が今目の前に。さっきから鳥が上を旋回中です。

「あのマンボウ、大丈夫かな。」

「ん?どうした?」

 心配になった僕の呟きにさっきのおじいちゃん船員さんが聞いて来た。

「マンボウってねすごくデリケートな魚でちょっと傷がついただけでも弱ってしまうんだって。」

 僕の説明におじいちゃん船員さんは「そりゃ大変だ」と船内に消えたと思うと手にパンを持っていて、マンボウにエサやりをはじめた。
 マンボウはデリケートだけど結構なわがままでもあるので食べるのかと思ったけど、幸いこのマンボウはパンに興味を示し、起きて泳いでパンを食べて水中へと消えていった。

「あ~、よかったなぁ。ちゃんと戻っていったぞぉ。」

 聞いてみたらおじいちゃん船員さんは今はフールフーガにいるけど20年前にはもっと南に住んでいてそこではマンボウは神様のお使いと言われていたらしい。だからマンボウがこのまま起き上がれなくなったら見捨てた罰が起きると思っての行動だったとか。
 それにしても珍しいモノ見たな。子供達にも見せてあげたかった。

 マンボウがいなくなってからも暫く甲板にいたけど変わりがないので船内探索に切り替える。ちょうど真ん中辺りにいたので前方へいってから後方へぐるっと回ると後ろの方は物でごった換えしていた。樽やら大きな木箱やら。

「ああ、ノエルこっちは今危ないよ~。新入りが荷積み間違えたんで入れ換えてるんだ。」

 ごちゃごちゃしてる中からマオが僕を見つけた。
どうやら母様とリリーの荷物で届いてない物があって確認したらフールフーガで降ろす荷物に紛れ込ませちゃったらしくて捜索中なんだって。無いと困ると母様付の侍女が怒ったらしい。
 まぁこういうことがあると思うから自分達で荷物を運ぼうと思うんだけど、重さのバランスの関係上禁止だったから任せたけど、こうなると辛いね。
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