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クリストファーの暴走

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レンドランドの部屋が近かったこともあり、レンドランドが一番に駆けつけていたが、状況が読めず事の成り行きを見ていた。

その後、報告を受け、女王と宰相、少し遅れて軍部大将が駆けつけてきて‥

主要メンバーが集まるまでの時間はこの広い王城を考えると最短だろう。

最優先で行動するほどの大事‥

そりゃすぐに報告もいきますよね。
招待されていない隣国の王太子に追放されたはずの王女ミルアージュが王城にいるとなれば‥

女王は、メイドのミアとミルアージュの面影が一致しないらしく、混乱している。
普通、そうですよね‥
クリスあなたすごいわよ。

「ミルアージュなの?どういうこと?とりあえず、衛兵捉えなさい!」

完全には一致しないが、とりあえず捕まえよと女王は指示を出した。
衛兵が女王の命を受け、捕縛の動きをみせるとクリストファーは、ミルアージュの前に立ち、攻撃の姿勢をとる。

まずい!
衛兵とクリストファーが戦うのはまずすぎる‥

「ちょっと、クリス!落ち着いて。」
ミルアージュはクリストファーを止めようと手を掴んだ。

「なぜ止める?」
眉間にしわを寄せ、ミルアージュを見た。

なぜもないでしょう!当たり前!
と言いたい。
言っても今のクリストファーには理解はされないと思うが‥

不法侵入の隣国の王太子が衛兵と城内でやりあうなんて‥
醜聞以外の何でもない。
下手したら、いや、下手しなくても国際問題だ。

「お待ちください、クリストファー様」
宰相と軍部大将が衛兵とクリストファーの間に立ち、場を止めた。

その二人を見てクリストファーはため息をついた。
「お前達には失望した。私の大切なミアを預けていたのに、どうしてこんなことになっている。」

クリストファーから二人に殺気がたち、それを感じた軍部大将が構えた。
いつでも受けて立つと言わんばかりに。

あー、もう!
女王の前で宰相、軍部大将を自分の臣下かのような発言!
まずすぎるでしょう!!

だんだんとやばい方向に事が向かっている。
みんな大人なんだから冷静に事を進めてほしい。
ミルアージュの心の叫びは誰にも伝わらない。

ミルアージュはもう隠し通すことを諦め、この場をおさめることにした。
もう覚悟しよう、真実が明らかになってしまうことを‥

フーとため息をつき、ミルアージュは顔を上げた。

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