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王妃の懺悔2
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王妃は優しい笑顔を向けたまま話す。
「あなたは、アレンのことを愛しているでしょう?バレバレなのよ。側にいられない理由を考えるより、側にいる利益を考えなさい。今回の計画は、宰相や反対勢力にあなたの存在を知らしめること。反対勢力のトップはあなたよ。意地っ張りなんだから」
からかうように言った後にレイシアの頭を撫でた。
「アレンがどうしてこんな事をしたのかと聞いたわね、アレンはあなたの頑なな気持ちを変えることはできないと焦ったのよ。アレンや国にとってどれだけ大切な存在かをあなたに知ってもらいたかったのよ。アレンの想いだけなら私も協力などしなかった。あなたもわたくしの大切な娘よ、あなたにも幸せになってもらいたい。ずっと苦しんできたでしょう?もう許してあげて‥あなた自身を。じゃないとみんなが本当に不幸になるわ。」
レイシアの目から涙が溢れる。
王妃はハンカチで泪を拭いてくれる。
母のように‥
「アレンと素直な心で話し合いなさい。私と王のようなになってはだめよ。一度すれ違うとずれは次第に大きくなり、もう交れなくなってしまう。」
王様のオーラは変わる。
もう交われないという言葉に反応しているようだ。
この一年王様なりに努力してきたのだろう。
それを王妃様はもう元には戻れないとはっきり言ったのだ。
そして王妃様はまた、王様の方をみて
「わたくしはアレンとレイシアを共に国を治めていけるよう王妃として最大限に動くつもりです。それがわたくしの王妃としての最後の仕事です。それが済んだら離縁してください。ここから出て行きます。」
王妃様はまっすぐに王様を見て言った。
もう心は決まっているのがわかった。
王様は、目を大きく開けたまま、言葉を発することができないようだった。
しばらく沈黙が続いた後、王様は声を絞り出した。
「ここを出てどうするつもりだ。」
「すぐにという訳ではないので決定はしていませんが、罪の償いができるところに行きたいと思います。なので実家には戻るつもりはありません。修道院か孤児院、病院などの施設で奉仕をしていきたいと思っています。」
「そんなことは‥そなたのせいではない。私が愚かだったのだ。王の役目だから仕方ないとそなたへの罪悪感に蓋をして見ないふりをした。そなたの事もマリアージュの事も気にかけることなく、そなたに全てを背負わせてしまった。愛しているんだ、ずっと。婚約者であった時から気持ちは変わらない。離れるなんていわないでくれ。」
眉間にシワをよせ、苦しそうに話した。
王様が立ち上がり王妃様の手首を掴み、抱き寄せた。
半強制的に。
テーブルが大きくゆれ、お茶の入ったカップが落ち割れる音が響いた。
王様は全く気にしない。
王妃様は離れようとしているが、王様がそれを許すこともなくギュウギュウと抱きしめている。
まぁ、王妃様の顔は引きつっているが、オーラは嫌がっていない。
王妃様も素直じゃない。
人のこと言えないですよねと言いたい。
感動的な場面だよね、一応。
一年進展しなかった二人に変化が訪れたのだから。
それが良い方向か、悪い方向かは置いておいて。
でも‥
二人の時にやってくれと思うのはわがままだろうか?
目のやり場に困る。
私は離れた方が良いのか、いた方が良いのかわからずソワソワしていた。
シリアス展開?愛のささやき?
話しかけたらダメなやつ‥
まだ言いたいことあったんだけど‥
明日にしようかな。
部屋をこっそりと出ることにした。
侍女にはしばらく近づかないように声をかけて‥
「あなたは、アレンのことを愛しているでしょう?バレバレなのよ。側にいられない理由を考えるより、側にいる利益を考えなさい。今回の計画は、宰相や反対勢力にあなたの存在を知らしめること。反対勢力のトップはあなたよ。意地っ張りなんだから」
からかうように言った後にレイシアの頭を撫でた。
「アレンがどうしてこんな事をしたのかと聞いたわね、アレンはあなたの頑なな気持ちを変えることはできないと焦ったのよ。アレンや国にとってどれだけ大切な存在かをあなたに知ってもらいたかったのよ。アレンの想いだけなら私も協力などしなかった。あなたもわたくしの大切な娘よ、あなたにも幸せになってもらいたい。ずっと苦しんできたでしょう?もう許してあげて‥あなた自身を。じゃないとみんなが本当に不幸になるわ。」
レイシアの目から涙が溢れる。
王妃はハンカチで泪を拭いてくれる。
母のように‥
「アレンと素直な心で話し合いなさい。私と王のようなになってはだめよ。一度すれ違うとずれは次第に大きくなり、もう交れなくなってしまう。」
王様のオーラは変わる。
もう交われないという言葉に反応しているようだ。
この一年王様なりに努力してきたのだろう。
それを王妃様はもう元には戻れないとはっきり言ったのだ。
そして王妃様はまた、王様の方をみて
「わたくしはアレンとレイシアを共に国を治めていけるよう王妃として最大限に動くつもりです。それがわたくしの王妃としての最後の仕事です。それが済んだら離縁してください。ここから出て行きます。」
王妃様はまっすぐに王様を見て言った。
もう心は決まっているのがわかった。
王様は、目を大きく開けたまま、言葉を発することができないようだった。
しばらく沈黙が続いた後、王様は声を絞り出した。
「ここを出てどうするつもりだ。」
「すぐにという訳ではないので決定はしていませんが、罪の償いができるところに行きたいと思います。なので実家には戻るつもりはありません。修道院か孤児院、病院などの施設で奉仕をしていきたいと思っています。」
「そんなことは‥そなたのせいではない。私が愚かだったのだ。王の役目だから仕方ないとそなたへの罪悪感に蓋をして見ないふりをした。そなたの事もマリアージュの事も気にかけることなく、そなたに全てを背負わせてしまった。愛しているんだ、ずっと。婚約者であった時から気持ちは変わらない。離れるなんていわないでくれ。」
眉間にシワをよせ、苦しそうに話した。
王様が立ち上がり王妃様の手首を掴み、抱き寄せた。
半強制的に。
テーブルが大きくゆれ、お茶の入ったカップが落ち割れる音が響いた。
王様は全く気にしない。
王妃様は離れようとしているが、王様がそれを許すこともなくギュウギュウと抱きしめている。
まぁ、王妃様の顔は引きつっているが、オーラは嫌がっていない。
王妃様も素直じゃない。
人のこと言えないですよねと言いたい。
感動的な場面だよね、一応。
一年進展しなかった二人に変化が訪れたのだから。
それが良い方向か、悪い方向かは置いておいて。
でも‥
二人の時にやってくれと思うのはわがままだろうか?
目のやり場に困る。
私は離れた方が良いのか、いた方が良いのかわからずソワソワしていた。
シリアス展開?愛のささやき?
話しかけたらダメなやつ‥
まだ言いたいことあったんだけど‥
明日にしようかな。
部屋をこっそりと出ることにした。
侍女にはしばらく近づかないように声をかけて‥
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