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番外編 クルミ
トンガリコーン つむぎside
「母上が保管されていた僕の翼の爪はありますか?」
なんだろ急に、あるにきまってるじゃん!
陶器の小箱に入れて大切に大切に保管してますよ!!!
「あるよ?見たい?」
「いえ、お渡しいただけますか?」
「え~~~私の宝物なのに………………」
竜の子は幼少期はじわじわとしか体は成長せず、8歳から10歳ぐらいで第一次成長なのか急に大きくなる。
けれど人間の様に歯が抜けたりそういう事はなく、小さな歯は吸収されてしまうらしい。なんだよそれ。いらん能力つけるな!小さな歯、とっておきたかった……!
クロム君が7歳の頃、私の膝の上にコアラの様に抱きついていた時、翼を出したままでいることの多いクロム君の翼の端についてる小さな小さな角?がグラグラしてるのに気がついて、そっと触ったらポロリと取れてビックリした。
大人のは湾曲していて可愛くないけれど、子供のそれはトンガリコーンみたいで可愛い。
普通は寝てる間に取れて吸収されてしまう事が多いそうだ。
レスターと秋とクルミのも残したくて見張っていたけど、みんな収納時に吸収されてしまい、残せたのはクロム君の物だけだった。
綺麗な絵付けのされた陶器の小箱を渡すとにっこり笑う。
「加工して、クルミに渡してもいいですか?」
パッと顔を上げてクロム君の顔を見るといつもの微笑が無く真剣な顔。
「そういう……ことだよね?」
婚約指輪に加工するつもりなんだ!
クロム君は泣きそうな目で私をしばらく見つめ、絞り出すように話し出した。
「貴方がいたから、僕は大人になる事ができました。あの時母上に逢えなかったら、僕は今ここにはいないでしょう。レスター達と同じ……いや、それ以上の愛情を頂けた事は僕の唯一の誇りです。母上の大切な娘、僕の宝は必ず守ると誓約申し上げる」
「っ………………!!頑張って!!でも、もう先にいっとくね。おめでとう!!すごく嬉しい!!!!」
クロム君をぎゅうぎゅう抱きしめて背中を撫でる。大きくなったなぁ。背も、背中も。
いつもコアラの様に私に抱きついていたこの子はいつから膝に乗らなくなったのだっけ。
兄弟一甘えん坊の、私の息子。
————私の、本当の、息子。
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