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第三章 逆行~中学 高校~
第一話 お受験希望
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学園初等部5年になったある朝。
姫菜子は、慎也との朝食の時間にこう言った。
「パパ。私、学園の中等部へは行かない事にしたわ。だから、中学受験をさせて欲しいの。」
「それは構わないけど…理由を聞いても良いかな?」
「旭陽達ともっと英語で話せる様になりたいの。それから……(殺されない為に)パパのお仕事を手伝える秘書になりたいの。パパの会社は、世界中に支社があるのでしょ?そこで働くなら、英語が話せないとだと思うから………。(英語が話せるのは強みになるものね。最悪ダメだったら、他の仕事に就いてもなんとかなるでしょうし)ダメかな?」
中身は22歳の姫菜子が、9歳の子供らしく見える様に慎也に甘えるのは なかなか痛いものではあったが、未来を変える為には必要不可欠な事と、姫菜子は腹を括っている。
(大人の女性のプライドは捨てるのよ、姫菜子。その為に、同級生の仕草とか言動とかをずっと観察してきたんだもの。)
じっと慎也の顔を見つめる姫菜子の視線に根負けした慎也は、
「そうか。分かったよ、姫菜。キミの意思は固いんだね。」
「うん。」
「よく分かった。そこまで言うのなら、これから受験まで猛勉強になるよ。家庭教師を付けてあげるから、死ぬ気で頑張りなさい。」
「はい、パパ!」
゚+o。◈。o+゚+o。◈。o+゚+o。◈。o+゚
姫菜子が慎也にインターナショナルスクールへの受験を希望したい旨を伝えてから丁度一週間後、香住家の玄関のチャイム鳴らす若い男がいた。
「どちら様でいらっしゃいますか?」
インターフォン越しに応対した執事の三枝が問うと、
「桐矢デイビッド侑真と申します。」
「デイビッド様でございますね。旦那様よりお聞きしております。ただ今解錠致しますので、少々お待ち下さいませ。」
カチャリとドアロックが解除される音がすると、玄関扉を三枝が押し開ける。
デイビッドは日本人の父とアメリカ人の母を持つ所謂ハーフだが、見た目はアメリカ人の血が色濃く出ていて、180cmはあろうかという長身で金髪にブルーの瞳をしている。
「I'm glad you see you,Mr. David.(貴方に会えて嬉しいです。デイビッド先生。)」
「Oh!Are you Hina?Nice to meet you.これからよろしくね。」
侑真は姫菜子と握手を交わすと、
「姫菜子は僕が通う大学の中等部を受ける予定なんだよね?」
「はい。あの……デイビッド先生は、先輩なんですね?」
「先輩。そうだね、先輩だ。姫菜子は、小学生なのに難しい言葉を使うんだね。」
と言って笑われてしまった。
姫菜子は慌てて、
「お友達に薦められて、ラノベを読んでるので…。」
と言い訳をした。
「そうなんだね。ラノベ…ライトノベルを読んでるんだ?じゃ、いつかその本で心に残った事を英語で話して貰うから、覚悟していてね。」
そう言ってデイビッドは、バチンッと効果音がなりそうな長いまつ毛を揺らしてウィンクをした。
(ちょっと苦しい言い訳だったけど、どうやら納得してくれたようね。危なかったわ。)
姫菜子は心の中で安堵の溜息をついたのだった。
姫菜子は、慎也との朝食の時間にこう言った。
「パパ。私、学園の中等部へは行かない事にしたわ。だから、中学受験をさせて欲しいの。」
「それは構わないけど…理由を聞いても良いかな?」
「旭陽達ともっと英語で話せる様になりたいの。それから……(殺されない為に)パパのお仕事を手伝える秘書になりたいの。パパの会社は、世界中に支社があるのでしょ?そこで働くなら、英語が話せないとだと思うから………。(英語が話せるのは強みになるものね。最悪ダメだったら、他の仕事に就いてもなんとかなるでしょうし)ダメかな?」
中身は22歳の姫菜子が、9歳の子供らしく見える様に慎也に甘えるのは なかなか痛いものではあったが、未来を変える為には必要不可欠な事と、姫菜子は腹を括っている。
(大人の女性のプライドは捨てるのよ、姫菜子。その為に、同級生の仕草とか言動とかをずっと観察してきたんだもの。)
じっと慎也の顔を見つめる姫菜子の視線に根負けした慎也は、
「そうか。分かったよ、姫菜。キミの意思は固いんだね。」
「うん。」
「よく分かった。そこまで言うのなら、これから受験まで猛勉強になるよ。家庭教師を付けてあげるから、死ぬ気で頑張りなさい。」
「はい、パパ!」
゚+o。◈。o+゚+o。◈。o+゚+o。◈。o+゚
姫菜子が慎也にインターナショナルスクールへの受験を希望したい旨を伝えてから丁度一週間後、香住家の玄関のチャイム鳴らす若い男がいた。
「どちら様でいらっしゃいますか?」
インターフォン越しに応対した執事の三枝が問うと、
「桐矢デイビッド侑真と申します。」
「デイビッド様でございますね。旦那様よりお聞きしております。ただ今解錠致しますので、少々お待ち下さいませ。」
カチャリとドアロックが解除される音がすると、玄関扉を三枝が押し開ける。
デイビッドは日本人の父とアメリカ人の母を持つ所謂ハーフだが、見た目はアメリカ人の血が色濃く出ていて、180cmはあろうかという長身で金髪にブルーの瞳をしている。
「I'm glad you see you,Mr. David.(貴方に会えて嬉しいです。デイビッド先生。)」
「Oh!Are you Hina?Nice to meet you.これからよろしくね。」
侑真は姫菜子と握手を交わすと、
「姫菜子は僕が通う大学の中等部を受ける予定なんだよね?」
「はい。あの……デイビッド先生は、先輩なんですね?」
「先輩。そうだね、先輩だ。姫菜子は、小学生なのに難しい言葉を使うんだね。」
と言って笑われてしまった。
姫菜子は慌てて、
「お友達に薦められて、ラノベを読んでるので…。」
と言い訳をした。
「そうなんだね。ラノベ…ライトノベルを読んでるんだ?じゃ、いつかその本で心に残った事を英語で話して貰うから、覚悟していてね。」
そう言ってデイビッドは、バチンッと効果音がなりそうな長いまつ毛を揺らしてウィンクをした。
(ちょっと苦しい言い訳だったけど、どうやら納得してくれたようね。危なかったわ。)
姫菜子は心の中で安堵の溜息をついたのだった。
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