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9.公爵家に招かれて
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アーラクト公爵家の屋敷の執務室、そこに私はいた。
目の前にいるのは、アーラクト公爵とその夫人――つまり私にとっては伯父と伯母にあたる人達だ。私の横には、アゼルト様とイフェリア様もいる。先んじて知り合ったということもあって、私をここまで連れて来てくれたのだ。
「ルナリア、君のことを歓迎しよう」
「あ、ありがとうございます」
「私のことは伯父様とでも伯父上とでも好きに呼んでくれたまえ」
アーラクト公爵は、満面の笑みを浮かべていた。それはなんとも気持ち良い笑顔であり、彼の人柄が読み取れる。
お医者様の先生も言っていたが、優しい人なのだろう。噂によると、領地の人々からも慕われているそうなので、その人格はお墨付きだ。
そんな人が父の兄という事実が、私にとっては信じられない。いや、そういう人が兄だったからこそ父はあそこまで落ちぶれたのだろうか。
「ルナリアさん、少しよろしいですか?」
「あ、はい。なんでしょうか?」
私がアーラクト公爵を見ていると、夫人が声を出した。
彼女の方も、評判は聞いている。大らかな公爵と比べると、厳しい人であるそうだ。
アゼルト様やイフェリア様、それから伯父様は歓迎してくれた訳だが、伯母様はそうではないのかもしれない。私は少し、身構えることになった。
「これからあなたは、このアーラクト公爵家の一員となる訳です。つまり貴族の仲間入りをします。色々と困ったことはあるでしょう。そういう時には私を頼ってください」
「あ、えっと……」
「私は決して優しくはありません。あなたを一人前の貴族にするために厳しく指導します。ですがあなたを必ず一人前にすると約束しましょう」
「あ、ありがとうございます」
伯母様は、何やら意気込んでいるようだった。私を育てるのに、使命感のようなものを覚えているのだろうか。
ともあれ、私のことを歓迎はしてくれているようだ。それは私にとっては、安心できることである。
「さてと、君にはもう一人紹介しなければならない者がいる……ヴェルラン、入ってくれ」
「……失礼します」
伯母様の話が終わった後、伯父様の呼びかけで部屋に私と同年代くらいの男の子が入ってきた。
その男の子は、少し仏頂面を浮かべている。その表情を見ていると、心配になってくる。彼こそ私を、歓迎していないかもしれない。
「次男のヴェルランだ。君とは同い年であるから、仲良くしてくれ」
「……ヴェルランだ」
「よろしくお願いします、ヴェルラン様」
「ああ……」
私の挨拶に、ヴェルラン様は短く答えた。
それは良い反応であるとは言い難い。やはり私のことを快く思っていないのだろうか。
目の前にいるのは、アーラクト公爵とその夫人――つまり私にとっては伯父と伯母にあたる人達だ。私の横には、アゼルト様とイフェリア様もいる。先んじて知り合ったということもあって、私をここまで連れて来てくれたのだ。
「ルナリア、君のことを歓迎しよう」
「あ、ありがとうございます」
「私のことは伯父様とでも伯父上とでも好きに呼んでくれたまえ」
アーラクト公爵は、満面の笑みを浮かべていた。それはなんとも気持ち良い笑顔であり、彼の人柄が読み取れる。
お医者様の先生も言っていたが、優しい人なのだろう。噂によると、領地の人々からも慕われているそうなので、その人格はお墨付きだ。
そんな人が父の兄という事実が、私にとっては信じられない。いや、そういう人が兄だったからこそ父はあそこまで落ちぶれたのだろうか。
「ルナリアさん、少しよろしいですか?」
「あ、はい。なんでしょうか?」
私がアーラクト公爵を見ていると、夫人が声を出した。
彼女の方も、評判は聞いている。大らかな公爵と比べると、厳しい人であるそうだ。
アゼルト様やイフェリア様、それから伯父様は歓迎してくれた訳だが、伯母様はそうではないのかもしれない。私は少し、身構えることになった。
「これからあなたは、このアーラクト公爵家の一員となる訳です。つまり貴族の仲間入りをします。色々と困ったことはあるでしょう。そういう時には私を頼ってください」
「あ、えっと……」
「私は決して優しくはありません。あなたを一人前の貴族にするために厳しく指導します。ですがあなたを必ず一人前にすると約束しましょう」
「あ、ありがとうございます」
伯母様は、何やら意気込んでいるようだった。私を育てるのに、使命感のようなものを覚えているのだろうか。
ともあれ、私のことを歓迎はしてくれているようだ。それは私にとっては、安心できることである。
「さてと、君にはもう一人紹介しなければならない者がいる……ヴェルラン、入ってくれ」
「……失礼します」
伯母様の話が終わった後、伯父様の呼びかけで部屋に私と同年代くらいの男の子が入ってきた。
その男の子は、少し仏頂面を浮かべている。その表情を見ていると、心配になってくる。彼こそ私を、歓迎していないかもしれない。
「次男のヴェルランだ。君とは同い年であるから、仲良くしてくれ」
「……ヴェルランだ」
「よろしくお願いします、ヴェルラン様」
「ああ……」
私の挨拶に、ヴェルラン様は短く答えた。
それは良い反応であるとは言い難い。やはり私のことを快く思っていないのだろうか。
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