不幸を呼ぶ呪われた痣を持つ私ですが、皆気にせず溺愛してきます。

木山楽斗

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15.わかったこと(アゼルト視点)

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「それで、どうだったのだ?」
「……ルナリアと叔父上に血縁関係はありませんでした。彼女が母と思っている女性ともです」
「……そうか」

 俺の言葉に、父上はゆっくりと頷いた。
 ルナリアがアーラクト公爵家の血族ではない。それは最初から、予測できていたことである。故に父上も、それ程驚いていない。

「アゼルトお兄様、それではルナリアは一体……」
「叔父上達は、とある村――災害に見舞われた村に立ち寄った時に、偶然助かっていたルナリアを連れて行ったのだ」
「兄上、叔父上達はなんのためにそのようなことを?」
「利用できると、思ったのかもしれないな。それから十余年、ルナリアを手元に置いていたことは不可解ではあるが……」

 イフェリアとヴェルランからの質問に、俺はゆっくりと答えた。
 ルナリアが拾われた経緯に関しては、調査の結果だ。それは間違いはない。
 問題なのは、叔父上達がルナリアを手元に置いていたことである。拾った意図を考えると、売り払うなどしそうなものなのだが。

「……あの人達のことです。恐らく、ルナリアの存在によって安心しようとしていたのでしょう」
「安心? お母様、叔父様達が子供好きだと言いたいのですか?」
「いいえ、そうではありません。ルナリアは子供……言い方は悪いかもしれないが、か弱い存在です。そういった存在を傍に置いておくことで、自らの歪んだ自尊心をみなしていたのでしょう。ルナリアがいれば、自分達が一番下になることはないと考えて」
「ああ、恐らくそうだろうな」

 母上の言葉に、父上は頷いていた。
 俺達とは違い、二人は叔父上達と長い付き合いである。その二人がそう言っているのだから、そういうことなのだろう。
 しかしそれは、なんとも身勝手な話だった。期待していたという訳でもないが、二人にルナリアを思いやる気持ちなどは欠片もなかったらしい。

「そんな馬鹿な……」
「勝手過ぎるぜ。そんなの……」
「……父上、それで父上はルナリアをどうするつもりなのですか?」

 驚いて目を丸くしているイフェリアとヴェルランには悪いが、俺は話を進めることにした。
 それは俺にとって、最も気になっていることだ。返答次第で、俺は父上と争うことになる。

「それは言うまでもないことだ。ルナリアは私の姪だ。その事実は変わらない」
「それでは……」
「これまで通りだ。ルナリアに事実を伝えるつもりもない。それらの事実については、握りつぶすとしよう」
「その言葉が聞けて、安心できました」
「ふむ……」

 父上の言葉は、俺にとって安心できるものだった。
 そういうことなら、父上と争うこともない。このまま普段通りの生活を続けるとしよう。

「三人も異論はないな」
「もちろんです。ルナリアは私が、立派な貴族に育てあげてみせます」
「ええ、今更ルナリアを放り出すなんて、私も許容はできません」
「異論なんて、ある訳ないですよ」

 他の家族の答えも、同じだった。
 ルネリアは既に、アーラクト公爵家の一員だ。それが今更、揺らぐことはない。俺はその事実を改めて認識する。

「さてと、色々とわかったことでやっとこれからのことを決められるな。ルナリアとも改めて話さなければならない」
「……それなら、俺が探してきます」
「ヴェルラン……そうか。そういうことなら、よろしく頼む」

 ヴェルランの言葉に、父上はゆっくりと頷いた。
 ヴェルランには何か、考えがあるように思える。しかし父上が止めないというなら、俺も邪魔するつもりはない。好きにやらせてみるとしよう。
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