使用人の私を虐めていた子爵家の人々は、私が公爵家の隠し子だと知って怖がっているようです。

木山楽斗

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 私は、エルード様に呼び出されていた。なんでも、大切な話があるらしいのだ。
 ゲルビド子爵家との話し合いが終わったため、それ関係の話ではないだろう。
 それ関係ではないなら、私には見当もつかない。一体、どのような話なのだろうか。

「アルシア、俺は回りくどいことは嫌いだ。故に、率直に言わせてもらう」
「あ、はい……」
「俺は、お前のことを愛している。俺の婚約者になってもらえないか?」
「え?」

 エルード様の言葉に、私は真っ白になっていた。
 俺は、お前のことを愛している。急に言われたその言葉は、間違いなく告白の言葉だ。つまり、エルード様は私のことが好きだということである。

「ええっ!?」
「驚いているのか? まあ、無理もないか……」
「え、えっと……」

 私は、とても混乱していた。
 それを落ち着かせるために、とりあえず一度深呼吸する。
 エルード様が私のことが好きだったことは、驚くべきことだ。私は鈍感なので、そんなことはまったく気づいていなかった。
 しかし、驚いてばかりはいられない。この告白に対して、きちんと向き合う必要があるだろう。

 エルード様からの告白。少し落ち着いて考えると、それはとても嬉しいことだった。
 私は、彼のことを尊敬している。頼りになるし、かっこいいし、優しいし、彼のような貴族になりたいと思っている。
 そんな彼からの告白は、とても嬉しい。彼が私のことを好きだという事実は、私にとって喜べることなのだ。

「う、嬉しいです……その、エルード様が私のことを好きでいてくれるなんて」
「そうか……」
「でも、本当に私でいいんですか? 家の事情とか、そういうこともあるでしょうし……」
「それについては、既に話をつけている。父上も母上も、俺とお前が婚約することはいいことだと言ってくれた」
「そ、そうなのですね……」

 私の答えは決まっていた。
 ただ、貴族として本当にそれでいいのかは確認するべきだと思った。
 だが、それが問題ないなら、もう何も考える必要はない。彼の思いを、受け入れればいいだけである。

「わかりました……エルード様、私をあなたの婚約者にしてください」
「ああ、もちろんだ」

 私は、エルード様の告白を受け入れた。
 尊敬している彼と、ともに生きたい。そう思ったのだ。
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