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25.路地裏の店
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※町名を変更しました。(マグナメル→ラグナメル)
私とマグナスは、ラグナメルという町まで来ていた。
ここで開催されているという闇市が、今回の私達の目的地だ。
「……地図によると、こっちのようだ」
「……路地裏、ですか。あまり入りたい場所ではないわね?」
「安心してくれ、君のことは俺が守る」
「ありがとう」
路地裏の薄暗い雰囲気は、私に恐怖を与えてきた。
事件が起こりやすいこの場所に足を踏み入れるのは、中々に勇気がいる。
だが、私は立ち止まる訳にはいかない。必ず母達の死の真相を解き明かすのだ。
「この店か……準備はいいか?」
「ええ、行きましょう」
「……失礼する」
「おや……」
私とマグナスは、路地裏の怪しい店へと入っていった。
薬屋と看板には書いてあった。その店名に違わず、店の中には薬らしきものが並べてある。
ただ、私達が求めている薬はここにはないだろう。ここはまだ、人が普通に来られる場所だ。
「これはこれは、まさか貴族の方々がこのような場所に来られるとは……ご用件は、なんでしょうか?」
「知人からこの招待状を預かってきた」
「招待状、拝見させてもらってもよろしいでしょうか?」
「もちろんだ」
マグナスは、店主に例の招待状を渡した。
その中身をみた店主は、口の端を釣り上げる。その嫌らしい笑みに、私は少しだけ不快さを覚えてしまう。
「お二人とも、こちらにどうぞ」
「む……」
「進めばわかります。私からは、下へと進めばいいとだけお伝えしておきます」
「……わかった。いくぞ?」
「ええ……」
店主は、店の奥へと進むように言ってきた。
その指示に従って、私達は奥へ奥へと進んでいく。すると言っていた通り、下へと階段が見えてきた。
私とマグナスは顔を合わせた後頷いて、そのまま階段を下っていく。
「……この店の地下に、何かがあるということかしら?」
「そのようだな……しかし長い階段だ。一体どこまで下るのだ?」
階段は長かった。かなり下まで続いているようだ。
とにかく私達は、階段を下っていった。そしてその内、私達は底へとたどり着いた。
「こ、ここは……」
「闇市……」
目に入ってきたのは、活気にあふれる市場だった。
地下深くに存在しているとは思えないその場所では、様々な取引が行われている。だがその内容は、見てわかるだけでもおぞましいものだ。ここが普通の場所ではないことを表している。
「目的のものを探すとしよう」
「え、ええ……」
「俺の傍から離れるな。ここは危険場所だ」
「そうね。そうさせてもらうわ」
私は、マグナスの腕に抱き着いた。
正直言って、目の前で行われている取り引きに、気が滅入ってしまっている。だが立ち止まる訳にもいかないため、ここはマグナスに頼らせてもらうことにする。
そのまま私達は、ゆっくりと闇市の中を歩いていった。周囲の商人らしき者達は、そんな私達に当たり前のように声をかけてくる。
「そのお方、こちらの奴隷はどうです?」
「いや、こっちの虫を見てくださいよ。絶滅が危惧されている大変貴重な虫ですよ?」
市場としては、その光景は珍しいものではないだろう。
しかしその内容は、現実のものとは思えない。そんなことを思いながら、私は目的のものを探していた。
「マグナス、あれを……」
「む……」
そこで私は、とある店を発見した。
その店には、薬品らしきものが並んでいる。もしかしたらその中に、私達が求めている透明な毒なるものがあるかもしれない。
私とマグナスは、再び顔を見合わせて頷き合ってからその店へと向かっていく。ある種の決意を固めながら。
私とマグナスは、ラグナメルという町まで来ていた。
ここで開催されているという闇市が、今回の私達の目的地だ。
「……地図によると、こっちのようだ」
「……路地裏、ですか。あまり入りたい場所ではないわね?」
「安心してくれ、君のことは俺が守る」
「ありがとう」
路地裏の薄暗い雰囲気は、私に恐怖を与えてきた。
事件が起こりやすいこの場所に足を踏み入れるのは、中々に勇気がいる。
だが、私は立ち止まる訳にはいかない。必ず母達の死の真相を解き明かすのだ。
「この店か……準備はいいか?」
「ええ、行きましょう」
「……失礼する」
「おや……」
私とマグナスは、路地裏の怪しい店へと入っていった。
薬屋と看板には書いてあった。その店名に違わず、店の中には薬らしきものが並べてある。
ただ、私達が求めている薬はここにはないだろう。ここはまだ、人が普通に来られる場所だ。
「これはこれは、まさか貴族の方々がこのような場所に来られるとは……ご用件は、なんでしょうか?」
「知人からこの招待状を預かってきた」
「招待状、拝見させてもらってもよろしいでしょうか?」
「もちろんだ」
マグナスは、店主に例の招待状を渡した。
その中身をみた店主は、口の端を釣り上げる。その嫌らしい笑みに、私は少しだけ不快さを覚えてしまう。
「お二人とも、こちらにどうぞ」
「む……」
「進めばわかります。私からは、下へと進めばいいとだけお伝えしておきます」
「……わかった。いくぞ?」
「ええ……」
店主は、店の奥へと進むように言ってきた。
その指示に従って、私達は奥へ奥へと進んでいく。すると言っていた通り、下へと階段が見えてきた。
私とマグナスは顔を合わせた後頷いて、そのまま階段を下っていく。
「……この店の地下に、何かがあるということかしら?」
「そのようだな……しかし長い階段だ。一体どこまで下るのだ?」
階段は長かった。かなり下まで続いているようだ。
とにかく私達は、階段を下っていった。そしてその内、私達は底へとたどり着いた。
「こ、ここは……」
「闇市……」
目に入ってきたのは、活気にあふれる市場だった。
地下深くに存在しているとは思えないその場所では、様々な取引が行われている。だがその内容は、見てわかるだけでもおぞましいものだ。ここが普通の場所ではないことを表している。
「目的のものを探すとしよう」
「え、ええ……」
「俺の傍から離れるな。ここは危険場所だ」
「そうね。そうさせてもらうわ」
私は、マグナスの腕に抱き着いた。
正直言って、目の前で行われている取り引きに、気が滅入ってしまっている。だが立ち止まる訳にもいかないため、ここはマグナスに頼らせてもらうことにする。
そのまま私達は、ゆっくりと闇市の中を歩いていった。周囲の商人らしき者達は、そんな私達に当たり前のように声をかけてくる。
「そのお方、こちらの奴隷はどうです?」
「いや、こっちの虫を見てくださいよ。絶滅が危惧されている大変貴重な虫ですよ?」
市場としては、その光景は珍しいものではないだろう。
しかしその内容は、現実のものとは思えない。そんなことを思いながら、私は目的のものを探していた。
「マグナス、あれを……」
「む……」
そこで私は、とある店を発見した。
その店には、薬品らしきものが並んでいる。もしかしたらその中に、私達が求めている透明な毒なるものがあるかもしれない。
私とマグナスは、再び顔を見合わせて頷き合ってからその店へと向かっていく。ある種の決意を固めながら。
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