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84.事件を起こした彼女は
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「……さてと、事件を起こしたマネリア嬢のことだが」
私達の会話が一区切りついた辺りで、ロヴェリオ殿下がゆっくりと口を開いた。
それによって、私達の視線が一気にそちらに向く。そんな中でも、ロヴェリオ殿下は特に怯まない。やはり人の視線には、慣れているということだろうか。
「とりあえず地下牢に入れているが、基本的には大人しくしているらしい。本人としては、やり切ったといった感じみたいだな」
「……やり切った、ですか?」
ロヴェリオ殿下の言葉に、私は思わず絶句してしまった。
マネリア嬢という令嬢は、本当に狂気に囚われているようだ。こんなことをしておいて、やり切ったなんて思えるのは正気の沙汰ではない。
「まあ、彼女の本当の目的だったエフェリアには傷一つなかった訳だけれど」
「オルディア、それは誇るようなことではないからね?」
「ああいや、別に誇っているつもりなんてないよ」
誇らしそうに自分の成果を語ったオルディアお兄様に、エフェリアお姉様が鋭く釘を刺した。
とはいえ、オルディアお兄様の言っていることは、わからないという訳でもない。マネリア嬢は、何の望みも叶えられていないということになる。それを彼女は、何れ聞かされることになると思うが、その時にどのような反応をするのだろうか。
「オルディア公爵令息は、薬物のようなものをかけられたと聞いていますが……その辺りについて、何か言っているのでしょうか?」
「いえ、犯行に関することは何も話していません。まあ、王城としてはそういった者を会場に持ち込まれたというのが失態ではある訳ですが……」
ロヴェリオ殿下は、ゆっくりとため息をついた。
今回の舞踏会は、一応彼が主催者である。そんな中でこの事件が起きたということは、きっとかなり胃が痛くなることなのだろう。
とはいえ、これを防ぐのは中々に難しいようにも思える。
そもそもオルディアお兄様が自ら向かっていた訳だし、刃物などならまだしも彼女が持っていた薬物を見つけ出して防止するというのは、容易ではない気がしてしまう。
ただ、ロヴェリオ殿下は改善しなければならない立場である。これからはリチャード殿下なども合わせて、色々と対策を講じていくのだろう。
「問題は、お兄様方だよね……今回の件でも、怒るだろうし」
「……まあ、今回のことは怒るようなことではあると思いますけど」
エフェリアお姉様の言葉に対して、私は思わず返答をしていた。
お兄様達程に過激になれる訳ではないが、それでも今回の件は問題だといえるだろう。マネリア嬢には、きちんとした罰を受けてもらわなければならない。
私達の会話が一区切りついた辺りで、ロヴェリオ殿下がゆっくりと口を開いた。
それによって、私達の視線が一気にそちらに向く。そんな中でも、ロヴェリオ殿下は特に怯まない。やはり人の視線には、慣れているということだろうか。
「とりあえず地下牢に入れているが、基本的には大人しくしているらしい。本人としては、やり切ったといった感じみたいだな」
「……やり切った、ですか?」
ロヴェリオ殿下の言葉に、私は思わず絶句してしまった。
マネリア嬢という令嬢は、本当に狂気に囚われているようだ。こんなことをしておいて、やり切ったなんて思えるのは正気の沙汰ではない。
「まあ、彼女の本当の目的だったエフェリアには傷一つなかった訳だけれど」
「オルディア、それは誇るようなことではないからね?」
「ああいや、別に誇っているつもりなんてないよ」
誇らしそうに自分の成果を語ったオルディアお兄様に、エフェリアお姉様が鋭く釘を刺した。
とはいえ、オルディアお兄様の言っていることは、わからないという訳でもない。マネリア嬢は、何の望みも叶えられていないということになる。それを彼女は、何れ聞かされることになると思うが、その時にどのような反応をするのだろうか。
「オルディア公爵令息は、薬物のようなものをかけられたと聞いていますが……その辺りについて、何か言っているのでしょうか?」
「いえ、犯行に関することは何も話していません。まあ、王城としてはそういった者を会場に持ち込まれたというのが失態ではある訳ですが……」
ロヴェリオ殿下は、ゆっくりとため息をついた。
今回の舞踏会は、一応彼が主催者である。そんな中でこの事件が起きたということは、きっとかなり胃が痛くなることなのだろう。
とはいえ、これを防ぐのは中々に難しいようにも思える。
そもそもオルディアお兄様が自ら向かっていた訳だし、刃物などならまだしも彼女が持っていた薬物を見つけ出して防止するというのは、容易ではない気がしてしまう。
ただ、ロヴェリオ殿下は改善しなければならない立場である。これからはリチャード殿下なども合わせて、色々と対策を講じていくのだろう。
「問題は、お兄様方だよね……今回の件でも、怒るだろうし」
「……まあ、今回のことは怒るようなことではあると思いますけど」
エフェリアお姉様の言葉に対して、私は思わず返答をしていた。
お兄様達程に過激になれる訳ではないが、それでも今回の件は問題だといえるだろう。マネリア嬢には、きちんとした罰を受けてもらわなければならない。
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