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14.決断の責任
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私の目の前には、ザルード殿下がいた。
彼は項垂れている。それは当然だろう。ザルード殿下は自らの判断で、一つの国を窮地に追い込んでいるのだから。
「ザルード殿下、あなたがしたことは愚かだったとしか言いようがない。まあそれは、お前自身が一番よくわかっていることだろうな」
「……アンバス、僕を見下すというのか?」
「まあ、見下さざるを得ないだろうさ。サルウィス王国は、お前のせいで終わりを迎えるんだからな」
ザルード殿下の言葉に、アンバス殿下は冷たい言葉を発した。
サルウィス王国の聖女の不在、それはなんとも大きな問題となった。王国の北にあるラスパーが、攻め込む準備を始めたのだ。
その争いを起こさないために、サルウィス王国の国王陛下はある判断を下した。それは実質的なアドラーク王国への従属である。
「サルウィス王国の国王陛下は、偉大な人だ。あの方は常にこの選択肢を意識していた。もちろんそれは、できることなら取りたい選択ではなかっただろう。お前が判断を誤らなければ、別の道もあっただろうに……」
「ぼ、僕はただ……サルウィス王国の誇りを守ろうとしただけだ」
「笑わせるなよ……さてと、当然のことながら、アドラーク王国としてもサルウィス王国の王族を無下に扱うつもりはない。しかし、お前に関しては別だな。今回の件の責任を取ってもらう必要がある。これに関しては、サルウィス国王陛下もそのつもりだ」
「ま、待ってくれ……」
ザルード殿下の表情は、絶望に歪んでいた。王家の一員として、今まで好き放題に生きてきた彼にとって、その宣告は余程響くものだったのだろう。
とはいえ、最早その結論が揺らぐようなことはない。ザルード殿下は、それだけのことをしてしまったのだから。
「残念ながら、お前に付き合っている時間はないんだ。今回の件によって、三国のバランスも変わる。その辺りに関して、カルザール王国とも協議をしなければならないんだ」
「ぼ、僕は王族なんだぞ? サルウィス王国の後継者だ……」
「王族であろうが、いや王族だからこそこのような過ちは許せないのさ。まあ、それを反省するんだな。安心しろ、お前にはこれから時間がある。僻地で色々と考えてみればいいさ」
アンバス殿下は、ザルード殿下から離れていく。私は遠目にまた項垂れるザルード殿下を見ながら、ゆっくりと後ろを向く。
するとそこには、苦い顔をしたウォルファン殿下と項垂れる元王子に冷たい視線を向けるイルファナ姫がいた。
優しいウォルファン殿下は多少なりとも同情を、イルファナ姫は愚かな王子に侮蔑の念を向けているということだろう。
私としては、どちらかというとイルファナ姫と同じ気持ちだ。ザルード殿下に対して、同情する気持ちはほとんどない。
しかしそれでも、元上司が落ちぶれる姿というものは、心地よいものという訳でもなかった。だから私は彼に背を向けて、その場から立ち去るのだった。
彼は項垂れている。それは当然だろう。ザルード殿下は自らの判断で、一つの国を窮地に追い込んでいるのだから。
「ザルード殿下、あなたがしたことは愚かだったとしか言いようがない。まあそれは、お前自身が一番よくわかっていることだろうな」
「……アンバス、僕を見下すというのか?」
「まあ、見下さざるを得ないだろうさ。サルウィス王国は、お前のせいで終わりを迎えるんだからな」
ザルード殿下の言葉に、アンバス殿下は冷たい言葉を発した。
サルウィス王国の聖女の不在、それはなんとも大きな問題となった。王国の北にあるラスパーが、攻め込む準備を始めたのだ。
その争いを起こさないために、サルウィス王国の国王陛下はある判断を下した。それは実質的なアドラーク王国への従属である。
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「ぼ、僕はただ……サルウィス王国の誇りを守ろうとしただけだ」
「笑わせるなよ……さてと、当然のことながら、アドラーク王国としてもサルウィス王国の王族を無下に扱うつもりはない。しかし、お前に関しては別だな。今回の件の責任を取ってもらう必要がある。これに関しては、サルウィス国王陛下もそのつもりだ」
「ま、待ってくれ……」
ザルード殿下の表情は、絶望に歪んでいた。王家の一員として、今まで好き放題に生きてきた彼にとって、その宣告は余程響くものだったのだろう。
とはいえ、最早その結論が揺らぐようなことはない。ザルード殿下は、それだけのことをしてしまったのだから。
「残念ながら、お前に付き合っている時間はないんだ。今回の件によって、三国のバランスも変わる。その辺りに関して、カルザール王国とも協議をしなければならないんだ」
「ぼ、僕は王族なんだぞ? サルウィス王国の後継者だ……」
「王族であろうが、いや王族だからこそこのような過ちは許せないのさ。まあ、それを反省するんだな。安心しろ、お前にはこれから時間がある。僻地で色々と考えてみればいいさ」
アンバス殿下は、ザルード殿下から離れていく。私は遠目にまた項垂れるザルード殿下を見ながら、ゆっくりと後ろを向く。
するとそこには、苦い顔をしたウォルファン殿下と項垂れる元王子に冷たい視線を向けるイルファナ姫がいた。
優しいウォルファン殿下は多少なりとも同情を、イルファナ姫は愚かな王子に侮蔑の念を向けているということだろう。
私としては、どちらかというとイルファナ姫と同じ気持ちだ。ザルード殿下に対して、同情する気持ちはほとんどない。
しかしそれでも、元上司が落ちぶれる姿というものは、心地よいものという訳でもなかった。だから私は彼に背を向けて、その場から立ち去るのだった。
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