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5.不可解な行動
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「……不可解だわ」
「不可解、ですか?」
侍女であるシェリリアは、私の言葉に目を丸めた。
それはなんとも唐突な独り言を発してしまったからだろう。それについては、少し恥ずかしい所だ。
ただその不可解さに関しては、一度話しておきたい所だ。彼女にも無関係な話という訳ではないし。
「ラウヴァン殿下が、ソネリアを王城に招いたことに関して、あなたはどう思っているのかしら?」
「ああ、そのことですか……それは確かに不可解といえるかもしれません」
私の質問に対して、シェリリアは納得したように頷いた。
やはり彼女も、この件については違和感を覚えているようだ。恐らくヤウダン公爵家に属する全ての者が、それを感じている所だろう。
「ソネリアの最近の動向について、私は詳しく知っている訳ではありません。しかしこちらに戻ってから彼女を見送るまでの間、妹を見ていて思いました。何かがおかしいと……」
「そうよね。何やら頑なな態度だったけれど……ラウヴァン殿下の方もそうだわ。私の侍女を取るなんてそもそも大胆なことであるし、まるであなたの婚約が破談になることをわかっていたみたいで……」
「……それについても気になっています。婚約者の一家の方々と対話しましたが、その反応は悪いものではありませんでした。彼らはヤウダン公爵家側に対して、敵意などは持っていなかったと思います」
シェリリアの認識については、お父様もセルダン子爵夫妻から伝えられたそうだ。
それは確証があるもののという訳ではない。ただセルダン子爵家も人を見る目は確かであるだろうし、考慮するべきことだと思う。
「……考えられるのは、浮気ということかしら?」
「浮気ですか……それはつまり、ラウヴァン殿下がソネリアと、ということですか?」
「ええ、彼が彼女を手に入れるために全ての行動を起こしていたら、納得できるわ」
「ソネリアもそれに乗った、ということになりますね……もしもそうならば、セルダン子爵家の失態です」
「とにかく事実を確かめたい所ね。でもどうすれば良いものかしら……うん?」
私が考えていると、部屋の戸を叩く音が聞こえてきた。
すぐにシェリリアが戸を開けて応対してくれる。振り返った彼女は、封筒のようなものを持っていた。どうやら手紙が届いたようだ。
「私に手紙? だからからかしら? まさかソネリア……?」
「いいえ、ユーリア様。リオレス殿下からのお手紙です」
「リオレス殿から……?」
シェリリアに手紙を渡されて、私は驚くことになった。
リオレス殿下から私に手紙が届く。それはなんとも、不可解なものだった。
私は手紙に目を通していく。一体リオレス殿下は、どうしたというのだろうか。
「不可解、ですか?」
侍女であるシェリリアは、私の言葉に目を丸めた。
それはなんとも唐突な独り言を発してしまったからだろう。それについては、少し恥ずかしい所だ。
ただその不可解さに関しては、一度話しておきたい所だ。彼女にも無関係な話という訳ではないし。
「ラウヴァン殿下が、ソネリアを王城に招いたことに関して、あなたはどう思っているのかしら?」
「ああ、そのことですか……それは確かに不可解といえるかもしれません」
私の質問に対して、シェリリアは納得したように頷いた。
やはり彼女も、この件については違和感を覚えているようだ。恐らくヤウダン公爵家に属する全ての者が、それを感じている所だろう。
「ソネリアの最近の動向について、私は詳しく知っている訳ではありません。しかしこちらに戻ってから彼女を見送るまでの間、妹を見ていて思いました。何かがおかしいと……」
「そうよね。何やら頑なな態度だったけれど……ラウヴァン殿下の方もそうだわ。私の侍女を取るなんてそもそも大胆なことであるし、まるであなたの婚約が破談になることをわかっていたみたいで……」
「……それについても気になっています。婚約者の一家の方々と対話しましたが、その反応は悪いものではありませんでした。彼らはヤウダン公爵家側に対して、敵意などは持っていなかったと思います」
シェリリアの認識については、お父様もセルダン子爵夫妻から伝えられたそうだ。
それは確証があるもののという訳ではない。ただセルダン子爵家も人を見る目は確かであるだろうし、考慮するべきことだと思う。
「……考えられるのは、浮気ということかしら?」
「浮気ですか……それはつまり、ラウヴァン殿下がソネリアと、ということですか?」
「ええ、彼が彼女を手に入れるために全ての行動を起こしていたら、納得できるわ」
「ソネリアもそれに乗った、ということになりますね……もしもそうならば、セルダン子爵家の失態です」
「とにかく事実を確かめたい所ね。でもどうすれば良いものかしら……うん?」
私が考えていると、部屋の戸を叩く音が聞こえてきた。
すぐにシェリリアが戸を開けて応対してくれる。振り返った彼女は、封筒のようなものを持っていた。どうやら手紙が届いたようだ。
「私に手紙? だからからかしら? まさかソネリア……?」
「いいえ、ユーリア様。リオレス殿下からのお手紙です」
「リオレス殿から……?」
シェリリアに手紙を渡されて、私は驚くことになった。
リオレス殿下から私に手紙が届く。それはなんとも、不可解なものだった。
私は手紙に目を通していく。一体リオレス殿下は、どうしたというのだろうか。
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