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私の最愛(SIDEアーネスト) 5
昨夜、カレンの部屋の警護を担当していた衛兵の聞き取り調査を終えて、彼らがアーネストの部屋から出て行ったあと、宰相マガリッジ伯爵がまとめた調書を読みながらアーネストは眉を寄せた。
「宰相、気なることがある」
「なんでございましょう」
「昨夜、カレンの部屋の警護に当たった衛兵だ。深夜の時間帯から後退し四時間ほど警護に当たっていたこの衛兵二人がおかしい。私はカレンの警護の担当にはラングトン公爵家派閥に属するもの以外を充てている。だがこの二人は……」
「陛下が承認されたカレン王女殿下の警護担当のリストをお持ちします」
「ああ、頼む」
マガリッジ伯爵が慌ただしく出て行く。
調書は、一見するとおかしなところはなかった。
誰も、異変はないと回答していたからだ。
だが、部屋からカレンが消えたのに「異変はなかった」という回答そのものが異常なのだ。
カレンの部屋だが、窓ガラスには鍵がかかっていた。
ダイアナが使っている侍女の部屋とは、内扉で繋がっている。
ダイアナの部屋の内扉を省くのなら、侵入経路は窓と入り口の扉の二か所しかなく、窓に鍵がかかっていて割られた痕跡もないのならば、自然と入り口一本に絞られるのだ。
ダイアナによれば、カレンがいないと気づいたとき、入り口の鍵は開いていたという。
部屋の入り口の鍵は、カレンが内側と外側の両方から開閉できるようになっていて、鍵が開いていたというのならば、カレンはそこから連れ出されたと考えるのが正しい。
それなのに、扉の見張りについている衛兵が知らないはずがないのだ。
例えば、何者かに昏倒されたなどと言う証言が上がるのならばわかる。襲撃を受け、気絶させられたのならば、その隙にカレンが連れ出された可能性が高い。
しかし、全員が異常はなかったと答えたのだ。
窓も入り口も侵入経路として除外されるのならば、侵入者は一体どこから入って来たというのだろう。
そして、ここに来て、アーネストに覚えのないラングトン公爵家派閥の人間が深夜の警護についていたという点。
(……くそっ)
ぎりっとアーネストは奥歯を噛みしめる。
今すぐにラングトン公爵を呼び出して問いただしたい気分だが、まだ証拠がない。
(カレン、無事でいてくれ)
いなくなるなんて許さない。
たとえカレンの居場所が天国であろうとも――アーネストは必ず、彼女のこの腕の中に取り戻す。
何人たりとも、自分からカレンを奪うなんて、許されることではないのだ。
「宰相、気なることがある」
「なんでございましょう」
「昨夜、カレンの部屋の警護に当たった衛兵だ。深夜の時間帯から後退し四時間ほど警護に当たっていたこの衛兵二人がおかしい。私はカレンの警護の担当にはラングトン公爵家派閥に属するもの以外を充てている。だがこの二人は……」
「陛下が承認されたカレン王女殿下の警護担当のリストをお持ちします」
「ああ、頼む」
マガリッジ伯爵が慌ただしく出て行く。
調書は、一見するとおかしなところはなかった。
誰も、異変はないと回答していたからだ。
だが、部屋からカレンが消えたのに「異変はなかった」という回答そのものが異常なのだ。
カレンの部屋だが、窓ガラスには鍵がかかっていた。
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ダイアナの部屋の内扉を省くのなら、侵入経路は窓と入り口の扉の二か所しかなく、窓に鍵がかかっていて割られた痕跡もないのならば、自然と入り口一本に絞られるのだ。
ダイアナによれば、カレンがいないと気づいたとき、入り口の鍵は開いていたという。
部屋の入り口の鍵は、カレンが内側と外側の両方から開閉できるようになっていて、鍵が開いていたというのならば、カレンはそこから連れ出されたと考えるのが正しい。
それなのに、扉の見張りについている衛兵が知らないはずがないのだ。
例えば、何者かに昏倒されたなどと言う証言が上がるのならばわかる。襲撃を受け、気絶させられたのならば、その隙にカレンが連れ出された可能性が高い。
しかし、全員が異常はなかったと答えたのだ。
窓も入り口も侵入経路として除外されるのならば、侵入者は一体どこから入って来たというのだろう。
そして、ここに来て、アーネストに覚えのないラングトン公爵家派閥の人間が深夜の警護についていたという点。
(……くそっ)
ぎりっとアーネストは奥歯を噛みしめる。
今すぐにラングトン公爵を呼び出して問いただしたい気分だが、まだ証拠がない。
(カレン、無事でいてくれ)
いなくなるなんて許さない。
たとえカレンの居場所が天国であろうとも――アーネストは必ず、彼女のこの腕の中に取り戻す。
何人たりとも、自分からカレンを奪うなんて、許されることではないのだ。
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