【完結】滴るあなたで溺れたい

母親が新しい男を連れてきた日、私は家という居場所から追い出されたような気分だった。
今まで私にばっかり構ってくれた、一心に愛を注いでくれた母はそこに居ない。隣には上辺だけの笑顔を私に向ける知らない人が居て、他人が私の家で暮らしているみたい。
空木野(あきの)には何もない、いや、なくなった。
丁度あの子の机に置かれている、空っぽの花瓶と同じように……
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