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第4章 宮廷にて知る
第6話 仮面舞踏会~3
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ジュリアは、ジョルジュと二人で庭を見下ろすことができる2階のテラスにあがり、シャンペンを楽しんでいた。
「少し刺激が強すぎた?」
「ええ、舞踏会だなんて始めてだったから」
外の風にあたり、ジュリアは少しほっとして息をついた。
初めての舞踏会、綺麗なドレスを纏い、ジョルジュと一緒にずっと踊っていた。周りで踊っている着飾った男に女達、そんな彼らも、人間達時折、自分たちは一体誰だろうという好奇心に満ちた眼差しを向けてきていたが、面と向って問いただすことはしなかった。
仮面舞踏会はそもそもそういう場所だ。
だから、二人ともそんなことには気にも留めずに、楽しむことに徹していた。
テラスにウェイターが銀のお盆に酒をなみなみと気前よく注ぎ、ジュリアは2杯目のお酒に手を伸ばして、黄金色の泡のたったシャンペンを、美味しそうに啜った。冷たい酒が喉を流れ落ちてゆく感覚に酔いしれそうだ。
ふと、ジョルジュに目を向ければ、彼もまた上機嫌でシャンペンを飲み干している所だった。
今日は、なんて素敵な日なんだろう。ジュリアは、また楽しい活力がわき上がってくるのを感じた。外の空気は、ことのほか気持ちがよかった。室名へと視線を向ければ、シャンデリアはキラキラとしているし、楽士たちはひっきりなしに、素敵な音楽を奏でている。
ふと気がつけば、カーテンの陰からひょいと顔を覗かせたものがいた。公爵邸の従者の一人だ。
「・・・ジュリア、一人でここで少し待てる?」
従者に気がついたジョルジュが優しげに聞くと、ジュリアは気持ちよく頷いた。この人は、時々、自分をまるで子供のように扱う。心の片隅でそれはあまり健全なことではないな、とちらと思った。
彼が従者と少しの間場所を離れたので、ジュリアは皿にブドウを少しのせ、グラス片手にバルコニーに出てみた。バルコニーに立てば庭が見渡せ、頼りない光を落としている三日月を見上げた。
新鮮な風が気持ちがいい。なんて素敵な夜だろう。そう思って、夜の風情を楽しんでいる時のことだ。
しずかな静寂さを踏みにじる無粋な音が耳に入った。剣を逢わせる刃の音をジュリアが聞き逃す訳はない。何事かと思って、夜の暗闇に目を凝らせた。
◇
~遡ること十数分前~
ルセーヌ公爵は一階のホールから二階のバルコニー周辺にあがった二人を注意深く観察していた。踊り疲れた者たちは、舞踏会場の周りに張り出されたバルコニーにあがり、踊る者たちの邪魔をしないマナーになっていた。
あの美しい娘は、黒髪の盗賊風の衣装を着た男と手をとり、見事なまでに優雅なダンスを踊ってみせていた。
(きれいな踊り方だな)
そのカップルに見とれていたのは、自分だけではなかったようだ。彼女が優雅にターンを決めれば、ほう、という感心の声があちこちから上がる。
「あの方はどなたかしら・・・」
紫色の趣味の悪いドレスを着た娘が呟けば、「今日は、仮面舞踏会だから身分はわかりませんわね」と、満足げに呟く娘がいる。
この会場で、彼らが何者かを知るものは誰一人としていないようだ。
ミステリアスな存在に周囲ものは興味をかき立てられているようだったが、当の二人は、お互い以外が目に入らないようないちゃつきっぷりにルセーヌはじりりと嫉妬の炎をかき立てられるのを感じた。
あの娘と絶対に言葉を交すのだ。と強く決意し、相手の黒髪の男が席を外すチャンスをうかがっていた。彼の努力を神は見捨てなかったと見える。ルセーヌが思った通り、黒髪の男は従者らしき男と話をするために、中座し、娘を一人残していった。
─ チャンスだ
素早く庭に出て、バルコニーに出てくる娘を待った。一階から声をかけ、話をするチャンスを狙うのだ。
そう思って慌てて庭に出た時だった。
「随分待ったぞ。ルセーヌ侯爵」
振り向けば、刃を構えた男が数人、待ち伏せをしていた。きっと、先ほど話していたならず者たちだろう。自分が黒幕だということを調べ上げたか。
ルセーヌは冷静に振り返り、その男達をじろりと眺めた。
「余興にしては、随分陳腐だな」
「残念ながら、これは余興ではないぞ。ルセーヌ。お前の裏切りのせいで、血祭りにあった友の敵を取らせてもらうぞ」
「そう思う通りにやられるものか」
「どうかな?」
ルセーヌは皮肉な笑いを漏らした。咄嗟に剣を繰り出してきた男の手を打ち据え、剣を奪った。
「さあ、かかってこい」
剣を構えて、飛びかかってきた男に剣を向け、ルセーヌは刀をあわせた。鈍い音が暗闇に響き渡ったが、その音は音楽にかき消されてしまい、護衛にまでは届かないだろう。
「文官のくせにやるな」
「お前達に負けるほど野暮ではないぞ」
それでも、やっぱり彼は文官だった。多勢に無勢、少しずつ形勢が悪くなってきた。一人の刃を払いのけた瞬間、別の男が背後に回り、ルセーヌに向って刃を高く振り上げたのが見えた。
(しまったっ。背後に回られた!)
そう思った瞬間のことだ。
「ぐっ!」
刃を今にも振り下ろそうとしていた男の顔が苦痛に歪んだのが見えた。よく見れば、暴漢の腕にフォークが突き刺さっていた。
「・・・フォーク?!」
誰かがこの男に向ってフォークを投げつけたのだ。しかし、まあ、よくもこんなに上手く刺さるものだと、ルセーヌは感心したのだが。
─ 危なかった
ルセーヌは、相手の動揺につけ込み、暴漢にとどめを刺してから、そのフォークが投げられたとおぼしき場所を見上げた。 それとおぼしき人物を同定した時、ルセーヌは驚きのあまり一瞬立ちすくんでしまった。
「・・・君は?!」
フォークを投げたのは、なんと、さきほどの妖精の衣装を纏った美しい娘であった。すらりと伸ばした背からは凜とした佇まいが感じられる。女神然とした彼女の様子に、ルセーヌは思わず息を呑んで見つめた。
娘はバルコニーに背中をもたれかけ、2階から自分を背中越しに見ていたのだ。
「・・・」
フォークを投げてしまったせいか、娘は何事もなかったかのように平然とした様子で葡萄を指でつまみ、あーんと自分の口に放り込んでいた。ムシャムシャと葡萄を咀嚼しながら、自分のことなど完全に無視した様子で、シャンペンをごくりと飲み干した。
「・・・君が、あのフォークを投げたのか?」
「・・・・」
信じられないという思いを胸に抱きながら、侯爵はその娘に声をかけたが、彼女は相変わらずバルコニーに背中をもたれかけたまま、無言だった。その視線はふてぶてしく、まるで、何をもたもたとしているのだ、と批難しているかのようにみえた。
「何か言ってくれ」
普通の娘なら、暴漢に襲われる自分をみれば、恐怖で悲鳴をあげるとか、泣き叫ぶとかしてもよさそうなのに。
娘は無言のまま、剛胆な様子で見つめていたが、やがて、葡萄を咀嚼しシャンペンで流し込むと、指で口元を拭ってジロリと侯爵を見据えた。
「・・・あの程度で、それほど手間取るとはね」
鈴を転がすような音色なのに、手厳しい内容だった。
「は?」
聞き違いだろうか? 戸惑うルセーヌに、娘は口の端を微かにあげて、三日月のような笑みを浮かべた。その魅力的な笑顔にルセーヌは自分の頭の天辺に雷が落ちたような気がした。
ああ、神様、この娘は本当に人間の娘なのか? 悪魔の使いか、それともエルフの差し金か?
そんなルセーヌを尻目に、彼女の美しい口元にはえも言われないような皮肉な笑みが浮かんでいた。
「貴方のウズラの卵は何処に行ったのかしら?」
侮蔑を含んだ口調。その挑発的な視線に、ルセーヌ侯爵は呆然として立ちすくんでしまった。
彼女がウズラの卵と称しているのは、きっと男の証のことに違いない。
「あ・・・・」
呆気にとられた。困惑して言葉すらでない。女神のように凜として美しいのに、そんな侮蔑的で下品な言葉が綺麗な口元から発せられるのだ。侯爵である自分にまさかこんな口をきく娘がいようとは!
そして、その娘は今だかつてないくらい美しい娘だったのだ。
ルセーヌは言葉を失い、彼女をただただじっと見つめることしか出来なかった。頭の中が真っ白になり、口がショックのあまりカラカラに乾いてしまったように思えた。
挑発的な視線、容姿にそぐわない下品な言葉。そして、鋭いオーラに、侯爵は、心の底から惹きつけられる自分を、しぶしぶと認めざるを得なかった。
彼女が誰なのか、そんなことは、もうどうでもよかった。すっかり、彼女の虜になってしまっていたのだ。そう、一生に一度しかない本気の恋におちていたのだ。
「少し刺激が強すぎた?」
「ええ、舞踏会だなんて始めてだったから」
外の風にあたり、ジュリアは少しほっとして息をついた。
初めての舞踏会、綺麗なドレスを纏い、ジョルジュと一緒にずっと踊っていた。周りで踊っている着飾った男に女達、そんな彼らも、人間達時折、自分たちは一体誰だろうという好奇心に満ちた眼差しを向けてきていたが、面と向って問いただすことはしなかった。
仮面舞踏会はそもそもそういう場所だ。
だから、二人ともそんなことには気にも留めずに、楽しむことに徹していた。
テラスにウェイターが銀のお盆に酒をなみなみと気前よく注ぎ、ジュリアは2杯目のお酒に手を伸ばして、黄金色の泡のたったシャンペンを、美味しそうに啜った。冷たい酒が喉を流れ落ちてゆく感覚に酔いしれそうだ。
ふと、ジョルジュに目を向ければ、彼もまた上機嫌でシャンペンを飲み干している所だった。
今日は、なんて素敵な日なんだろう。ジュリアは、また楽しい活力がわき上がってくるのを感じた。外の空気は、ことのほか気持ちがよかった。室名へと視線を向ければ、シャンデリアはキラキラとしているし、楽士たちはひっきりなしに、素敵な音楽を奏でている。
ふと気がつけば、カーテンの陰からひょいと顔を覗かせたものがいた。公爵邸の従者の一人だ。
「・・・ジュリア、一人でここで少し待てる?」
従者に気がついたジョルジュが優しげに聞くと、ジュリアは気持ちよく頷いた。この人は、時々、自分をまるで子供のように扱う。心の片隅でそれはあまり健全なことではないな、とちらと思った。
彼が従者と少しの間場所を離れたので、ジュリアは皿にブドウを少しのせ、グラス片手にバルコニーに出てみた。バルコニーに立てば庭が見渡せ、頼りない光を落としている三日月を見上げた。
新鮮な風が気持ちがいい。なんて素敵な夜だろう。そう思って、夜の風情を楽しんでいる時のことだ。
しずかな静寂さを踏みにじる無粋な音が耳に入った。剣を逢わせる刃の音をジュリアが聞き逃す訳はない。何事かと思って、夜の暗闇に目を凝らせた。
◇
~遡ること十数分前~
ルセーヌ公爵は一階のホールから二階のバルコニー周辺にあがった二人を注意深く観察していた。踊り疲れた者たちは、舞踏会場の周りに張り出されたバルコニーにあがり、踊る者たちの邪魔をしないマナーになっていた。
あの美しい娘は、黒髪の盗賊風の衣装を着た男と手をとり、見事なまでに優雅なダンスを踊ってみせていた。
(きれいな踊り方だな)
そのカップルに見とれていたのは、自分だけではなかったようだ。彼女が優雅にターンを決めれば、ほう、という感心の声があちこちから上がる。
「あの方はどなたかしら・・・」
紫色の趣味の悪いドレスを着た娘が呟けば、「今日は、仮面舞踏会だから身分はわかりませんわね」と、満足げに呟く娘がいる。
この会場で、彼らが何者かを知るものは誰一人としていないようだ。
ミステリアスな存在に周囲ものは興味をかき立てられているようだったが、当の二人は、お互い以外が目に入らないようないちゃつきっぷりにルセーヌはじりりと嫉妬の炎をかき立てられるのを感じた。
あの娘と絶対に言葉を交すのだ。と強く決意し、相手の黒髪の男が席を外すチャンスをうかがっていた。彼の努力を神は見捨てなかったと見える。ルセーヌが思った通り、黒髪の男は従者らしき男と話をするために、中座し、娘を一人残していった。
─ チャンスだ
素早く庭に出て、バルコニーに出てくる娘を待った。一階から声をかけ、話をするチャンスを狙うのだ。
そう思って慌てて庭に出た時だった。
「随分待ったぞ。ルセーヌ侯爵」
振り向けば、刃を構えた男が数人、待ち伏せをしていた。きっと、先ほど話していたならず者たちだろう。自分が黒幕だということを調べ上げたか。
ルセーヌは冷静に振り返り、その男達をじろりと眺めた。
「余興にしては、随分陳腐だな」
「残念ながら、これは余興ではないぞ。ルセーヌ。お前の裏切りのせいで、血祭りにあった友の敵を取らせてもらうぞ」
「そう思う通りにやられるものか」
「どうかな?」
ルセーヌは皮肉な笑いを漏らした。咄嗟に剣を繰り出してきた男の手を打ち据え、剣を奪った。
「さあ、かかってこい」
剣を構えて、飛びかかってきた男に剣を向け、ルセーヌは刀をあわせた。鈍い音が暗闇に響き渡ったが、その音は音楽にかき消されてしまい、護衛にまでは届かないだろう。
「文官のくせにやるな」
「お前達に負けるほど野暮ではないぞ」
それでも、やっぱり彼は文官だった。多勢に無勢、少しずつ形勢が悪くなってきた。一人の刃を払いのけた瞬間、別の男が背後に回り、ルセーヌに向って刃を高く振り上げたのが見えた。
(しまったっ。背後に回られた!)
そう思った瞬間のことだ。
「ぐっ!」
刃を今にも振り下ろそうとしていた男の顔が苦痛に歪んだのが見えた。よく見れば、暴漢の腕にフォークが突き刺さっていた。
「・・・フォーク?!」
誰かがこの男に向ってフォークを投げつけたのだ。しかし、まあ、よくもこんなに上手く刺さるものだと、ルセーヌは感心したのだが。
─ 危なかった
ルセーヌは、相手の動揺につけ込み、暴漢にとどめを刺してから、そのフォークが投げられたとおぼしき場所を見上げた。 それとおぼしき人物を同定した時、ルセーヌは驚きのあまり一瞬立ちすくんでしまった。
「・・・君は?!」
フォークを投げたのは、なんと、さきほどの妖精の衣装を纏った美しい娘であった。すらりと伸ばした背からは凜とした佇まいが感じられる。女神然とした彼女の様子に、ルセーヌは思わず息を呑んで見つめた。
娘はバルコニーに背中をもたれかけ、2階から自分を背中越しに見ていたのだ。
「・・・」
フォークを投げてしまったせいか、娘は何事もなかったかのように平然とした様子で葡萄を指でつまみ、あーんと自分の口に放り込んでいた。ムシャムシャと葡萄を咀嚼しながら、自分のことなど完全に無視した様子で、シャンペンをごくりと飲み干した。
「・・・君が、あのフォークを投げたのか?」
「・・・・」
信じられないという思いを胸に抱きながら、侯爵はその娘に声をかけたが、彼女は相変わらずバルコニーに背中をもたれかけたまま、無言だった。その視線はふてぶてしく、まるで、何をもたもたとしているのだ、と批難しているかのようにみえた。
「何か言ってくれ」
普通の娘なら、暴漢に襲われる自分をみれば、恐怖で悲鳴をあげるとか、泣き叫ぶとかしてもよさそうなのに。
娘は無言のまま、剛胆な様子で見つめていたが、やがて、葡萄を咀嚼しシャンペンで流し込むと、指で口元を拭ってジロリと侯爵を見据えた。
「・・・あの程度で、それほど手間取るとはね」
鈴を転がすような音色なのに、手厳しい内容だった。
「は?」
聞き違いだろうか? 戸惑うルセーヌに、娘は口の端を微かにあげて、三日月のような笑みを浮かべた。その魅力的な笑顔にルセーヌは自分の頭の天辺に雷が落ちたような気がした。
ああ、神様、この娘は本当に人間の娘なのか? 悪魔の使いか、それともエルフの差し金か?
そんなルセーヌを尻目に、彼女の美しい口元にはえも言われないような皮肉な笑みが浮かんでいた。
「貴方のウズラの卵は何処に行ったのかしら?」
侮蔑を含んだ口調。その挑発的な視線に、ルセーヌ侯爵は呆然として立ちすくんでしまった。
彼女がウズラの卵と称しているのは、きっと男の証のことに違いない。
「あ・・・・」
呆気にとられた。困惑して言葉すらでない。女神のように凜として美しいのに、そんな侮蔑的で下品な言葉が綺麗な口元から発せられるのだ。侯爵である自分にまさかこんな口をきく娘がいようとは!
そして、その娘は今だかつてないくらい美しい娘だったのだ。
ルセーヌは言葉を失い、彼女をただただじっと見つめることしか出来なかった。頭の中が真っ白になり、口がショックのあまりカラカラに乾いてしまったように思えた。
挑発的な視線、容姿にそぐわない下品な言葉。そして、鋭いオーラに、侯爵は、心の底から惹きつけられる自分を、しぶしぶと認めざるを得なかった。
彼女が誰なのか、そんなことは、もうどうでもよかった。すっかり、彼女の虜になってしまっていたのだ。そう、一生に一度しかない本気の恋におちていたのだ。
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