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第四章 白魔導師の日々
広がっていく痣(あざ)と、ギルとのこと
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手首に出来た痣が最近、特に酷くなってきているような気がする。
フロルは、腕輪を外して、手首の痣をそっと見つめる。お医者さんに行くか、グエイド様に相談するか。
早くなんとかしなくてはと思うものの、リアとのゴタゴタで、後回しになっている感じは否めない。その後、リルがすっかりリアのことを嫌ってしまい、リアが竜舎に現れると目を吊り上げ、威嚇をして、しまいには、竜者全体を凍らせてしまいそうになったことは、最近の記憶に新しい。
ドレイク様も、女神様がリルを横取りしようとしたことに、かなりご立腹だったため、女神と言えども、リルはその後、竜舎に一歩たりとも入ることは許されなかったそうだ。
今や、女神様は、ライルを始めとする魔導師全体から疎まれ、竜騎士からもいい目で見られていない。それを、王家がどう受け止めているのかは、フロルにはわからない。ただ、噂には、大神官だけが、目を輝かせて、女神の再来を祝っているのだそうだ。
そんなある日の夜、フロルは、宿舎の屋根の上に、ギルと一緒に腰掛けながら、空に広がる星を眺めていた。
ギルがフロルの腰に手を回して、二人で寄り添うように屋根の上に座る。ギルと一緒の所にいるのを見ると面倒なので、二人の逢瀬は人目を避けた所だ。
「・・・それで、まだ進展は?」
はやくリアの件が片付けばいいのにと思いながら、フロルが問いかれば、ギルは、悲しそうに首を横に振る。
「マキシミリアン殿下が、全く聞く耳を持ってなくてな」
ギルは、ふうとため息をついて、フロルに笑顔を見せる。
「辛抱強く願い出るより他にはないな」
「・・・そうですね。他にもどうしようもないですもんね」
フロルも星から目を離し、屋根の上から地面に生えている木々を眺める。
「けどな、フロル」
ギルが思い詰めたような顔をする。
「・・・どうしても無理だったら。もし、俺がどうしても聖剣の騎士を辞退できなかったら、その時は・・・」
そう語る彼の横顔は、とても真剣だ。
「・・・その時は?」
フロルがギルを見上げると、彼は断固とした声で言う。
「俺は、騎士団の地位も、何もかも捨てて、お前を連れて逃げる」
「それって、もしかして、いや、もしかしなくても駆け落ちですか?!」
驚いた声を出すフロルに、ギルはいかにもという様子で頷く。
「ああ、駆け落ち以外に何がある?」
きょとんとした顔のギルを見て、フロルは慌てる。
(そ、それって、一緒に逃げるってことは・・・その、つまり、逃げた後もずっと一緒にいる訳でっ)
それは、もはや同棲ということになるのではないか。交際をすっとばして、いや、今交際しているのだが。
そして、すぐに同棲とか、まだ心の準備が出来ていない。
・・・ギル様と同棲。
フロルは一瞬、躊躇する。
どうしよう。
ギル様と同棲とか、うれしすぎる!
そんなフロルを見て、ギルは嬉しそうに笑う。フロルの気持ちが顔の上に駄々洩れと言うくらい現れている。
「そうだ。俺は、お前と一緒じゃなきゃいやだ」
「ギル様ったら・・・」
一瞬、顔がふにゃとにやけてしまったフロルだが、ふと現実に戻り、ちょっとだけ厳しい顔をする。
「その・・・住む所とか、仕事とかは・・・」
ギル様と一緒にいられるのなら、仕事とか住居とか、そんなことはどうでもいいのだが、一応、心の準備のためにきいておかなくてはならない。弟の治療も逃げる前に、さっさと進めておかなくては。
もうフロルの心の中は、ギル様と逃げるの一色で染まっている。駆け落ち、よっしゃ。女の度胸で受けてたってやろうではないか!
フロルは、あくまでも、前向きなのである。
逃げる時は、リルもエスペランサも連れて逃げようと心に決める。そんなフロルを、ギルは心配しているのだと思ったのだろう。自分の恋人が不安に感じることがないように、優しく語りかける。
「フロル、お前が案じることはない。俺が生涯、面倒見てやる」
(なんですと? 今、ギル様、なんっつった?)
フロルが、全身を耳にして、ギルの言葉を聞き漏らすまいと毛を逆立てているのをギルは知ったのだろう。
彼はふっと笑って、フロルをぎゅっと抱きしめる。
「お前は・・・俺の大切な宝物だ。お前は誰にも渡さないし、俺はお前のものだ」
これは、もしかしたら、プロポーズだろうか?
違うと言われるのが怖い。あまりにも素敵な言葉過ぎて、彼の真意を確かめることが憚られた。
もう、それ以上、ギルに尋ねることが出来なくて、フロルはギルの胸にそっと頬を寄せる。そして、ギルの瞳にこもった熱に流されて、そのまま夜は更けていった。
◇
そんな日々が続く中、フロルはいつもと同じように仕事に精を出している。魔力も随分とコントロールが上手くなり、一生懸命に仕事をこなしていた。
「フロル・・・この痣は?」
その日、たまたま、その場にライルが居合わせていた。治療中のフロルの手首に重ねられた腕輪の端から、何かがはみ出ているのに気づき、ライルがフロルの手をそっと取った。
「あ~、いや、なんでしょうねえ。なんだか大きくなっているんですよね」
諦めたように言うフロルの表情はさえない。ギルのことで胸を痛めているのだろうと、珍しくライルは推測する。
「ちょっと、その腕輪を外してみて?」
ライルが言うと、フロルは大人しくそれに従い、手首のあざをライルに見せる。
「前はこんなのなかったと思うんだけど。いつから、こんなものが出てるんだい?」
「あ、っと、しばらく前からですね。でも痛くも痒くもないから別に気にはしてないんですけど」
その痣が、魔法陣に似ているなとライルは思う。ライルは顎に手をあてて、少し考えた後、静かに言葉を口にする。
「グエイドが出張から戻ってきたら、彼になんとかしてもらおう」
「大丈夫ですよ。ライル様、きっとこんなのすぐに消えちゃいますよ」
その痣にどこか見覚えがあるような気がするのは何故だろう。
とにかく、一度、グエイドに見せてからだ。彼に意見を聞いてみなくては。ライルはそう決心して、フロルの手を離した。
「ひどくなったら、必ず、私に言うんだよ。いいね?フロル」
「はい。ライル様ったら、心配性なんだから」
そう笑うフロルを見ながら、ライルの胸の中には、一抹の悪い予感のようなものが芽生えていた。グエイドは、少し長めの出張に出かけている。彼が帰り次第、さっそく、フロルのあざを見てもらわなければならない。
そして、ライルは、そこにフロルを残したまま、また次の会議へと足を向けた。
宮廷魔導士長は、色々と忙しいのだ。
◇
── そして、その夜、眠りについたフロルは、気付けば、全く見知らぬ場所にいた。
今まで、来たことが一度もない場所。そこは王城のように見える。真っ赤なバラが咲き乱れる庭園に面した回廊のベンチの上にフロルは座っていた。
目の前の薔薇は人の血のように、赤く染まっていた。
「あれ?ここどこだろう?」
フロルは、ベンチから立ち上がってあたりを見回す。空は黒い雲がかかり、日中のはずなのに、暗く陰鬱だ。左右を見ても、自分がいた王城とは全然違う場所のようだ。空気はなんだか生暖かく、まるで台風が来る前のように、体にまとわりつく。
黒っぽい灰色の石が積まれた王城は、屈強で、そして、暗い。その石の壁で囲まれた庭は、赤いバラだけが、やたらと存在感を示していた。
「おかしいな・・・こんな所に来たことなかったのに」
帰り道を探そうと、フロルが数歩歩き始めた時だった。ふいに、背後から声を掛けられ、フロルは振り向くと、そこには見たことのない男の人が経っていた。
「ふふ、帰り道を探しているのかい?フローリア」
「あ?あなたは・・・?」
そこに立っているのは、随分と背が高い男の人だった。浅黒い肌に、短く黒い髪。そして目は燃えるような赤い色をしている。
そもそも、この人はどうして自分のことをフロルと呼ばないのか。
フロルは、ふと立ち止まり、怪訝な顔で、その男を見上げた。
フロルは、腕輪を外して、手首の痣をそっと見つめる。お医者さんに行くか、グエイド様に相談するか。
早くなんとかしなくてはと思うものの、リアとのゴタゴタで、後回しになっている感じは否めない。その後、リルがすっかりリアのことを嫌ってしまい、リアが竜舎に現れると目を吊り上げ、威嚇をして、しまいには、竜者全体を凍らせてしまいそうになったことは、最近の記憶に新しい。
ドレイク様も、女神様がリルを横取りしようとしたことに、かなりご立腹だったため、女神と言えども、リルはその後、竜舎に一歩たりとも入ることは許されなかったそうだ。
今や、女神様は、ライルを始めとする魔導師全体から疎まれ、竜騎士からもいい目で見られていない。それを、王家がどう受け止めているのかは、フロルにはわからない。ただ、噂には、大神官だけが、目を輝かせて、女神の再来を祝っているのだそうだ。
そんなある日の夜、フロルは、宿舎の屋根の上に、ギルと一緒に腰掛けながら、空に広がる星を眺めていた。
ギルがフロルの腰に手を回して、二人で寄り添うように屋根の上に座る。ギルと一緒の所にいるのを見ると面倒なので、二人の逢瀬は人目を避けた所だ。
「・・・それで、まだ進展は?」
はやくリアの件が片付けばいいのにと思いながら、フロルが問いかれば、ギルは、悲しそうに首を横に振る。
「マキシミリアン殿下が、全く聞く耳を持ってなくてな」
ギルは、ふうとため息をついて、フロルに笑顔を見せる。
「辛抱強く願い出るより他にはないな」
「・・・そうですね。他にもどうしようもないですもんね」
フロルも星から目を離し、屋根の上から地面に生えている木々を眺める。
「けどな、フロル」
ギルが思い詰めたような顔をする。
「・・・どうしても無理だったら。もし、俺がどうしても聖剣の騎士を辞退できなかったら、その時は・・・」
そう語る彼の横顔は、とても真剣だ。
「・・・その時は?」
フロルがギルを見上げると、彼は断固とした声で言う。
「俺は、騎士団の地位も、何もかも捨てて、お前を連れて逃げる」
「それって、もしかして、いや、もしかしなくても駆け落ちですか?!」
驚いた声を出すフロルに、ギルはいかにもという様子で頷く。
「ああ、駆け落ち以外に何がある?」
きょとんとした顔のギルを見て、フロルは慌てる。
(そ、それって、一緒に逃げるってことは・・・その、つまり、逃げた後もずっと一緒にいる訳でっ)
それは、もはや同棲ということになるのではないか。交際をすっとばして、いや、今交際しているのだが。
そして、すぐに同棲とか、まだ心の準備が出来ていない。
・・・ギル様と同棲。
フロルは一瞬、躊躇する。
どうしよう。
ギル様と同棲とか、うれしすぎる!
そんなフロルを見て、ギルは嬉しそうに笑う。フロルの気持ちが顔の上に駄々洩れと言うくらい現れている。
「そうだ。俺は、お前と一緒じゃなきゃいやだ」
「ギル様ったら・・・」
一瞬、顔がふにゃとにやけてしまったフロルだが、ふと現実に戻り、ちょっとだけ厳しい顔をする。
「その・・・住む所とか、仕事とかは・・・」
ギル様と一緒にいられるのなら、仕事とか住居とか、そんなことはどうでもいいのだが、一応、心の準備のためにきいておかなくてはならない。弟の治療も逃げる前に、さっさと進めておかなくては。
もうフロルの心の中は、ギル様と逃げるの一色で染まっている。駆け落ち、よっしゃ。女の度胸で受けてたってやろうではないか!
フロルは、あくまでも、前向きなのである。
逃げる時は、リルもエスペランサも連れて逃げようと心に決める。そんなフロルを、ギルは心配しているのだと思ったのだろう。自分の恋人が不安に感じることがないように、優しく語りかける。
「フロル、お前が案じることはない。俺が生涯、面倒見てやる」
(なんですと? 今、ギル様、なんっつった?)
フロルが、全身を耳にして、ギルの言葉を聞き漏らすまいと毛を逆立てているのをギルは知ったのだろう。
彼はふっと笑って、フロルをぎゅっと抱きしめる。
「お前は・・・俺の大切な宝物だ。お前は誰にも渡さないし、俺はお前のものだ」
これは、もしかしたら、プロポーズだろうか?
違うと言われるのが怖い。あまりにも素敵な言葉過ぎて、彼の真意を確かめることが憚られた。
もう、それ以上、ギルに尋ねることが出来なくて、フロルはギルの胸にそっと頬を寄せる。そして、ギルの瞳にこもった熱に流されて、そのまま夜は更けていった。
◇
そんな日々が続く中、フロルはいつもと同じように仕事に精を出している。魔力も随分とコントロールが上手くなり、一生懸命に仕事をこなしていた。
「フロル・・・この痣は?」
その日、たまたま、その場にライルが居合わせていた。治療中のフロルの手首に重ねられた腕輪の端から、何かがはみ出ているのに気づき、ライルがフロルの手をそっと取った。
「あ~、いや、なんでしょうねえ。なんだか大きくなっているんですよね」
諦めたように言うフロルの表情はさえない。ギルのことで胸を痛めているのだろうと、珍しくライルは推測する。
「ちょっと、その腕輪を外してみて?」
ライルが言うと、フロルは大人しくそれに従い、手首のあざをライルに見せる。
「前はこんなのなかったと思うんだけど。いつから、こんなものが出てるんだい?」
「あ、っと、しばらく前からですね。でも痛くも痒くもないから別に気にはしてないんですけど」
その痣が、魔法陣に似ているなとライルは思う。ライルは顎に手をあてて、少し考えた後、静かに言葉を口にする。
「グエイドが出張から戻ってきたら、彼になんとかしてもらおう」
「大丈夫ですよ。ライル様、きっとこんなのすぐに消えちゃいますよ」
その痣にどこか見覚えがあるような気がするのは何故だろう。
とにかく、一度、グエイドに見せてからだ。彼に意見を聞いてみなくては。ライルはそう決心して、フロルの手を離した。
「ひどくなったら、必ず、私に言うんだよ。いいね?フロル」
「はい。ライル様ったら、心配性なんだから」
そう笑うフロルを見ながら、ライルの胸の中には、一抹の悪い予感のようなものが芽生えていた。グエイドは、少し長めの出張に出かけている。彼が帰り次第、さっそく、フロルのあざを見てもらわなければならない。
そして、ライルは、そこにフロルを残したまま、また次の会議へと足を向けた。
宮廷魔導士長は、色々と忙しいのだ。
◇
── そして、その夜、眠りについたフロルは、気付けば、全く見知らぬ場所にいた。
今まで、来たことが一度もない場所。そこは王城のように見える。真っ赤なバラが咲き乱れる庭園に面した回廊のベンチの上にフロルは座っていた。
目の前の薔薇は人の血のように、赤く染まっていた。
「あれ?ここどこだろう?」
フロルは、ベンチから立ち上がってあたりを見回す。空は黒い雲がかかり、日中のはずなのに、暗く陰鬱だ。左右を見ても、自分がいた王城とは全然違う場所のようだ。空気はなんだか生暖かく、まるで台風が来る前のように、体にまとわりつく。
黒っぽい灰色の石が積まれた王城は、屈強で、そして、暗い。その石の壁で囲まれた庭は、赤いバラだけが、やたらと存在感を示していた。
「おかしいな・・・こんな所に来たことなかったのに」
帰り道を探そうと、フロルが数歩歩き始めた時だった。ふいに、背後から声を掛けられ、フロルは振り向くと、そこには見たことのない男の人が経っていた。
「ふふ、帰り道を探しているのかい?フローリア」
「あ?あなたは・・・?」
そこに立っているのは、随分と背が高い男の人だった。浅黒い肌に、短く黒い髪。そして目は燃えるような赤い色をしている。
そもそも、この人はどうして自分のことをフロルと呼ばないのか。
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