恋愛短編集(宵の月)

宵の月

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リンブラムの魔女 後編

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 「んっ…んん…はぁ……んふぅ…」
 「ああ…アンネリッテ…そんな風に啼かれては我慢できなくなってしまう。」
 「んふぅ……ですが…カインツ様が…んんっ…」
 
 胸に渦巻く幸福感のままに口づけは深まり、溢れるアンネリッテの声に歯止めが効かなくなる。
 口づけは首筋を辿り、甘い肌に舌を這わせる。豊かな膨らみを揉み上げ、手のひらで華奢な身体を撫でさすり、その蠱惑的な曲線を確かめる手が止まらない。

 「……はぁ…すまない、アンネリッテ…欲しくてたまらない…昨日のような無理はさせない。だから……」
 「……はぁ…カインツ様…私はあなたのもの。どうか、お望みのままに…」
 「アンネリッテ!アンネリッテ!」

 豊かな膨らみを手で掴むと、その形に沿って形を変える。柔らかく、吸い付くような肌の感触に、弄ぶことがやめられない。下からすくい上げるように揉みしだき、捏ねるように撫で回す。
 立ち上がりふるふると震える先端にたまらなくなって、カブリと噛み付くように吸い付いて、じゅっじゅっと音がするほど吸い上げる。

 「はぁん!カインツ様ぁ…」

 甘え悶える蕩けた声に鼓膜を刺激され、下腹部にますます熱がこもる。アンネリッテの肌は甘く、吸い込む香りはカインツを酩酊させる媚薬のようだ。
 急かされるように舐めころがし、歯を立てる。アンネリッテの嬌声をもっとと求めて、胸の頂きを指で舌で責め立てる。

 「…ふぁぁあん……あぁ……んぁ…」
 「アンネリッテ…」

 もっと啼かせたい。もっと溶かして、もっともっと。突き上がってくる衝動に、身を起こしアンネリッテの足を開かせた。割開いた秘裂は妖しく蠢いて、ぬらぬらと濡れ光っている。肌より甘い蜜を滴らせる卑猥な果実。衝動のままに口を思い切り開け、ジュルジュルと滴る蜜を舐めすする。

 「ひゃあああ……あああー!」

 背をのけぞらせたアンネリッテが反射的に足を閉じようとするも、カインツは押さえつけてそれを許さなかった。舌を差し入れて媚薬のように酔わせる魔性の蜜をすすりあげる。

 「ああ!ああ!だめです……ああぁ…おかしくなる…」
 「アンネリッテ…君の蜜はたまらない…」

 蕩けきった声に官能が刺激される。とめどなく蜜を零す秘裂に指を突き立て、そのまま膨らみきった花芯に吸い付く。

 「あああああぁぁぁーーー!!」

 一際甲高く啼いたアンネリッテの腿が硬直し、小刻みに痙攣する。深く極めたのだと分かり、カインツの内で煮えたぎっている征服欲が心地よく舌舐めずりした。
 もっともっと奪いたい。もっと。
 胸のうちに暴れまわる衝動はますます激しくなり、カインツは指も舌も止めることなくアンネリッテを責め立てる。

 「ああああ!イッて…イッてるのぉーーー!ああぁぁぁー…だめ…許してぇ…」

 花芯の被皮を剥いて、舌で押しつぶすように舐め回し、ちゅくちゅくと吸い上げ、歯を立てる。
 絶頂にぐずぐずに溶けた隘路は、波打つようにうねり物欲しげに蠕動を繰り返す。

 「ひっ!いやあああああああぁぁー!」

 執拗に責め嬲られ続けたアンネリッテが、全身をガクガクと激しく痙攣させ絶叫をあげてやがて弛緩した。ああ…ああ…と弱々しく喘ぎを漏らしながら、呆然と身体を投げだし、全身で呼吸をする。

 「アンネリッテ、君の全ては私のものだ」

 アンネリッテの痴態に、カインツの内に猛っていた欲望が弾ける。そそり立った自身も、カインツの欲望を現すように血管を浮き上がらせ、凶器のように怒張している。
 卑猥に蠢くアンネリッテの秘裂が、いっそひどく憎いもののようにカインツには感じられた。
 あてがい、突き立てる。隘路を抉り押しながら一気に最奥を暴く。己をひどく掻き立て惑わせるアンネリッテの秘裂。貫いたのがカインツのモノでなくても、歓喜の蜜を溢れさせ、舐め回すように膣壁をうねらせ、媚びるように蠕動し、懇願するように締め付けるのだろう。
 一際熱い衝動がこみ上げ、カインツは腰を叩きつけ何度も何度も激しく己を穿つ。
 この身体を余すところなく犯し、奪い、征服したい。思考を、感覚を、尊厳すらもぐずぐずに溶かしてアンネリッテの全てを手に入れたい。
 アンネリッテの喉からはひっきりなしに絶叫に似た嬌声があがる。飢えた獣に引き裂かれる瀕死の獲物。

 「アンネリッテ!アンネリッテ!いい!いい!ああ、たまらない…」

 激しい律動に寝台は軋み、アンネリッテの華奢な肢体も跳ね上げられる。ぽたぽたとカインツの汗が流れ落ち、アンネリッテの汗と混じる。

 「あぁ…、あぁ…アンネリッテ。いい…いい…」

 熱に浮かされたように喘ぎながら、アンネリッテを穿つ腰は激しさを増す。

 「……出るっ!出るっ!アンネリッテ!出すぞ!中に出す!孕め!アンネリッテ!!」

 突き刺した怒張で最奥をぐりっと抉り、暴れ狂っていた欲望を解き放つ。ドクドクと大量に膣を汚すカインツをアンネリッテの奥が悦ぶように吸い付いた。

 「うあぁぁ……」

 カインツが快楽と愉悦の呻きをあげる。膣壁を隅々まで穢すように、自身のモノで白濁を擦り付ける。
 倒れ込むようにアンネリッテの身体を抱きしめ、荒い息が落ち着く頃、カインツはようやく我に返った。

 「すまない!アンネリッテ!無理はさせないと言ったのに…!!」

 抱きしめた身体はぐったりとされるがままとなっており、哀れに散らされた花のような有様だった。

 「本当にすまない!愛しく思うあまり、我を忘れてしまった!」
 「いえ……お慕いしているカインツ様が……私を求めてくださった……のです……アンネリッテは……嬉しいです……」
 「……っ!アンネリッテ!!」
 息も絶え絶えな様子なのに、健気に振る舞うアンネリッテに感極まり、カインツはアンネリッテをかき抱いた。
 離れ難く、蓋をするように繋がったままのソコがぐりっと刺激を伝えてくる。

 「……っ!!」

 声にならない悲鳴を上げたアンネリッテが、中を占拠しているモノが一気に体積をましたのを感じて青ざめる。

 「………カインツ様っ!!」
 「すまないアンネリッテ。あまりに健気で愛らしく…」

 照れたように微笑むカインツを呆然と見やる間も、カインツの凶器は出ていく様子がない。

 「……だめです…もう無理です……」

 震える声で絞り出すように懇願する。

 「分かっている。無理はさせない。」

 うっとりと甘く眼差しを細めたカインツの、精悍な美貌が迫り深い口づけが落される。
 リンブラムの魔女を手に入れた、善政を敷き、民に誇りと謳われる美貌の領主は、民の罵倒に反論できないほど猿であることを自ら証明してしまった。


※※※※※


 「本日はアンネリッテ様の部屋への訪問は禁止です。」
 「………はい。」
 「侍女長のマーサがブチ切れていましたよ。リンブラムの猿を近づけるなと。」
 「うっ!!」
 「跡継ぎを産んで頂く大切な体です。いい加減加減と言うものを覚えてください。リンブラム領主が盛りのついた猿など呆れてものも言えません!」
 「……すまない。」
 「謝罪はアンネリッテ様へ!と言っても本日は立入禁止ですけどね。さっさと猿から紳士に進化して、誠心誠意謝ってきてください。」
 「………はい。」

 豊かで広大なリンブラム領は、魔女の効力を地道に打ち消し、さらなる発展を遂げた。

 善政を敷き、リンブラムの誉れと称えられた領主が猿から紳士に進化できたかは、美貌を轟かせた美しきリンブラムの魔女、アンネリッテに聞かなければわからない。



※※※※※


 リクエストをいただいて、続編ありのものは別に独立させています。
 一話完結の短編が書き上がりましたら、順次付け足していこうと思います。

 ここまでお付き合いありがとうございました。また追加でお会いできたら嬉しいです!


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