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天使の番人
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俺と小川は、部屋を出ると1番近い中央棟のエレベーターに乗り込み、一同が集まっている食堂へと向かった。
「本当に起きてしまったな」
俺たちの間に、それ以上の言葉は無かった。
「まず、どうするつもりだ?」
「まずは藤波綾香から話しを聴くことにしよう。彼女が最も現場の状況を把握しているはずだ」
エレベーターが一階に到着すると、食堂の前には2人の警官が立っていて、食堂に入ろうとした俺たちは制止されてしまった。
「関係者以外立ち入り禁止です」
「俺たちは関係者だよ」
小川が警察官の制止に答える、中から老齢の男と、若い女性が出てくる。
「何かご用ですか?」
老齢の男が俺たちに問いかける。小川が懐から警察手帳を取り出して、2人にかざして見せる。
「警視庁捜査一課の小川です」
「警視庁?本当ですか?」
老齢の男が訝しげに小川と俺のことを舐めるように見定める。
その間に若い女がどこかに電話をかけている。
電話切った女が老齢の男に耳打ちする。
「えっ、本当か?・・・いやあー、これは失礼しました。あの警視庁捜査一課の小川さんでしたか。お噂はかねがね。まさか、このような田舎でお会いできるなんて。私はこういう者です」
そう言うと、老齢の男と若い女は懐から警察手帳を取り出した。
男は加藤、女は小田切と名乗った。
「それにしても、どうしてまたこの屋敷に?」
「家の者に私の親族がいましてね、明後日のお披露目会に招待されて、たまたま滞在していたんですよ」
「そうでしたか、それは奇遇です」
「所で、1つお願いがあるのですが、事情聴取に我々2人も同席させてもらえないでしょうか?」
小川が単刀直入に加藤へ切り出した。加藤の顔が曇る。
「いや・・・いくらなんでもそれは、ちょっと、越権行為にあたるのでは?」
「だが、どうせこの家にいた関係者として、我々からも事情聴取しなければいけないことになるのでは?」
「それはそうですが、正式な依頼もなく」
加藤は口籠る。すると、小田切が加藤に耳打ちする。
「え?そうなの?」
加藤は俺たちの方へ向き直ると、引き攣った笑顔を見せた。
「たった今、署長に確認を取ったところなんですが、どうやら捜査協力の許可をいただいたようで、是非ともお二人にもご協力していただきたいと言うことで」
「良かったです。あとで署長さんにお礼を言っておいて下さい」
「えぇ、必ず伝えておきます。ところで、小川さんには何か今後の捜査で方針などあるのでしょうか?」
「そうですね、まずはベビーシッターの藤波女史から事情を伺いたいと思っています」
「わかりました。それじゃ小田切、藤波なんたらという女を客間に呼んできてくれ」
俺たちは客間に移動して、藤波綾香のやって来るのを待った。
「なぜ、藤波という女からなんですか?当主の烏丸昇仁から聴くのが筋のような気がしますがね」
「いえ、現場の状況を最も詳しく把握しているのは彼女なんです。なにしろ、ずっと龍昇ちゃんの側にいたのですからね。闇雲に聴取するより効率的だと思いますよ」
俺は、加藤の懸念に答えた。加藤は、そんなものかね、という感じの顔をしている。
客間のドアがノックされると、小田切が藤波綾香を連れてやって来た。
藤波綾香は、加藤と同じように、どうして自分が最初に呼ばれたのかわからない、といった表情をしながらゆっくりと部屋へ歩を進めた。
「さぁ、藤波さん。そう緊張せずとも大丈夫ですよ。どうぞそちらに腰掛けてください」
加藤はそう言うと、藤波綾香に自分の向かいのソファに座るように促した。
藤波綾香の顔からは、不安で仕方ないという表現がハッキリと見て取れる。緊張が我々に伝わってくるようだった。
加藤は形式的に藤波綾香に素性を尋ねる。それに対して藤波綾香は、小さなか細い声で淡々と答える。
「まず、アリバイを伺いたいのですが、9時から10時迄の間、あなたはずっと現場の部屋の前にいたのですか?」
「はい、部屋からは離れていません」
「数分でもですか?途中、トイレに行ったりとか、風呂に入っていたといったことも無いですか?」
「その時間はトイレに行っていません。それに、トイレやお風呂なら龍昇様の部屋のものを使うので、部屋から離れたということにはあたらないと思います」
藤波綾香は、当初の頃より若干力強い声で答えた。
「藤波さん、私が部屋の前から立ち去った後、誰か部屋に訪ねて来たりしませんでしたか?」
俺は、核心に触れる質問をしてみた。
「えっ?」
「私が帰ってから後、誰か部屋を訪ねて来た人はいませんでしたか?」
俺は藤波綾香が、俺の質問を聞き逃したのかと思い、重ねて質問してみた。
すると、藤波綾香の顔からは警戒感が消えて、ふっと穏やかな表情に変わったのが分かった。
「小林さんが帰ってからすぐ、環さん美智さんが連れ立ってやって来ました」
「そのこと、もう少し詳しく伺えますか?」
「はい。2人が訪ねて来たのは、小林さんが帰ってから5分と経ってない時だと思います。龍昇様の寝顔が見たいとのことでした。お二人は龍昇様に好意的で、私も安心してお部屋の中に通しました。お二人はベビーベッドでお休みになられている龍昇様の寝顔を見ながら、お喋りに花を咲かせていました。滞在時間は3分程度、5分もいなかったと思います」
「何か、2人について他に記憶していることはありませんか?」
「いつもより滞在時間が短いということくらいです。いつもは龍昇様を見ながら嬌声をあげているのですが、その時は早めに切り上げて帰って行きました」
「2人と一緒に貴方もいたのですか?」
「私はその時、洗濯物をしまっていました。なので、ずっと一緒にいたかと言われるとちょっと違うかもしれません」
「少し目を離したということですか?」
「そうですね。ずっと2人の様子を見ていたわけではありませんね」
藤波綾香は、記憶の糸を辿りながら、視線をあちらこちらに動かしながら答えた。
「他には誰か来ましたか?」
「9時半くらいに、今度は松崎加奈様がいらっしゃいました」
「加奈が?」
「えぇ、たまにいらっしゃることもあるのですが、また来たと思いました」
「加奈さんについては何か気づかれたことがありますか?加奈さんは、何ために来たのですか?」
「そうですね。いつもと変わらないと思います。いつもどおり、寝ている龍昇様に向かって、可愛く無いとか不細工だとか、いろいろ悪態をついて行くのです。あっ、そういえば、その時は何ともおもわなかったのですけど、足早に、少し慌てているような感じで部屋を出て行かれました」
「加奈さんが龍昇ちゃんに悪態をついている間、あなたはどうしてました?」
「私は、加奈様の後ろで少し離れて、何もしないように監視していました。手を出したりしないかどうか、心配でしたので、目を離すようなことはしませんでした」
「訪れた人は、以上ですか?」
「いえ、あと9時40分頃に、加奈様と入れ替わるようにして、愛莉様と海人様のご夫妻がお見えになりました」
「2人はよく来るのですか?」
「はい、お二人は毎日のようにいらっしゃいます。龍昇様の寝顔を見ては、可愛い、自分たちも早く子供が欲しい、と話すのです」
「2人の様子におかしなところはありませんでしたか?」
「そう言えば、いつもは終始楽しそうにしているのですけど、今回は始めのうちは楽しそうでしたが、帰る前はお互いに無言でした。いつもは私に笑顔で話しかけてきてくれて、しばらく談笑していかれるのですが、今日は何も話さずでした」
「他に訪問者はいませんか?」
「いえ、それ以降はどなたもいらっしゃいませんでした。そして、10時過ぎに昇仁様と麗様がいらっしゃいました。お二人は、毎日お休みになる前に龍昇様の寝顔を見に来るのが日課になっています。今日もそうでした」
「最初に異変に気づいたのは誰ですか?」
「麗様です。龍昇様が寝息も聞こえず、全く動かないと言って龍昇様を抱き上げると、龍昇様が力無くグッタリしているのが分かりました」
「その後は?」
「私がすぐに隣の部屋にいる永瀬先生を呼びに行き、永瀬先生が龍昇様の蘇生を試みました。そこからは小川様と小林様もご存知のとおりだと思います」
「ありがとうございます、とても参考になりました。加藤さんからは他に何かありますか?」
「いえ、特に他にこれといっては」
加藤は事情聴取が俺主導で終わったことに若干の不快感を抱いているようだった。
「あの、本当にこれ以上は何もないのでしょうか?」
藤波綾香が逆に尋ねてくる。
「えぇ、ありませんけど何か気づいたことでも?」
「いいえ、無いのでしたらいいのです。それでは私はこれで失礼いたします」
そう言い残して、藤波綾香は小田切に連れられて客間から出ていった。
「なんだ?最後の彼女の様子、変じゃなかったか?」
小川は不思議そうにしている。
「そうだな、だが今の彼女は聞いてもそれを話さないかもしれないな。もう少し材料を揃えてから、再度話しを聴くことにしよう」
藤波綾香の態度、何か怯えているような気がするのは俺だけだろうか?
「本当に起きてしまったな」
俺たちの間に、それ以上の言葉は無かった。
「まず、どうするつもりだ?」
「まずは藤波綾香から話しを聴くことにしよう。彼女が最も現場の状況を把握しているはずだ」
エレベーターが一階に到着すると、食堂の前には2人の警官が立っていて、食堂に入ろうとした俺たちは制止されてしまった。
「関係者以外立ち入り禁止です」
「俺たちは関係者だよ」
小川が警察官の制止に答える、中から老齢の男と、若い女性が出てくる。
「何かご用ですか?」
老齢の男が俺たちに問いかける。小川が懐から警察手帳を取り出して、2人にかざして見せる。
「警視庁捜査一課の小川です」
「警視庁?本当ですか?」
老齢の男が訝しげに小川と俺のことを舐めるように見定める。
その間に若い女がどこかに電話をかけている。
電話切った女が老齢の男に耳打ちする。
「えっ、本当か?・・・いやあー、これは失礼しました。あの警視庁捜査一課の小川さんでしたか。お噂はかねがね。まさか、このような田舎でお会いできるなんて。私はこういう者です」
そう言うと、老齢の男と若い女は懐から警察手帳を取り出した。
男は加藤、女は小田切と名乗った。
「それにしても、どうしてまたこの屋敷に?」
「家の者に私の親族がいましてね、明後日のお披露目会に招待されて、たまたま滞在していたんですよ」
「そうでしたか、それは奇遇です」
「所で、1つお願いがあるのですが、事情聴取に我々2人も同席させてもらえないでしょうか?」
小川が単刀直入に加藤へ切り出した。加藤の顔が曇る。
「いや・・・いくらなんでもそれは、ちょっと、越権行為にあたるのでは?」
「だが、どうせこの家にいた関係者として、我々からも事情聴取しなければいけないことになるのでは?」
「それはそうですが、正式な依頼もなく」
加藤は口籠る。すると、小田切が加藤に耳打ちする。
「え?そうなの?」
加藤は俺たちの方へ向き直ると、引き攣った笑顔を見せた。
「たった今、署長に確認を取ったところなんですが、どうやら捜査協力の許可をいただいたようで、是非ともお二人にもご協力していただきたいと言うことで」
「良かったです。あとで署長さんにお礼を言っておいて下さい」
「えぇ、必ず伝えておきます。ところで、小川さんには何か今後の捜査で方針などあるのでしょうか?」
「そうですね、まずはベビーシッターの藤波女史から事情を伺いたいと思っています」
「わかりました。それじゃ小田切、藤波なんたらという女を客間に呼んできてくれ」
俺たちは客間に移動して、藤波綾香のやって来るのを待った。
「なぜ、藤波という女からなんですか?当主の烏丸昇仁から聴くのが筋のような気がしますがね」
「いえ、現場の状況を最も詳しく把握しているのは彼女なんです。なにしろ、ずっと龍昇ちゃんの側にいたのですからね。闇雲に聴取するより効率的だと思いますよ」
俺は、加藤の懸念に答えた。加藤は、そんなものかね、という感じの顔をしている。
客間のドアがノックされると、小田切が藤波綾香を連れてやって来た。
藤波綾香は、加藤と同じように、どうして自分が最初に呼ばれたのかわからない、といった表情をしながらゆっくりと部屋へ歩を進めた。
「さぁ、藤波さん。そう緊張せずとも大丈夫ですよ。どうぞそちらに腰掛けてください」
加藤はそう言うと、藤波綾香に自分の向かいのソファに座るように促した。
藤波綾香の顔からは、不安で仕方ないという表現がハッキリと見て取れる。緊張が我々に伝わってくるようだった。
加藤は形式的に藤波綾香に素性を尋ねる。それに対して藤波綾香は、小さなか細い声で淡々と答える。
「まず、アリバイを伺いたいのですが、9時から10時迄の間、あなたはずっと現場の部屋の前にいたのですか?」
「はい、部屋からは離れていません」
「数分でもですか?途中、トイレに行ったりとか、風呂に入っていたといったことも無いですか?」
「その時間はトイレに行っていません。それに、トイレやお風呂なら龍昇様の部屋のものを使うので、部屋から離れたということにはあたらないと思います」
藤波綾香は、当初の頃より若干力強い声で答えた。
「藤波さん、私が部屋の前から立ち去った後、誰か部屋に訪ねて来たりしませんでしたか?」
俺は、核心に触れる質問をしてみた。
「えっ?」
「私が帰ってから後、誰か部屋を訪ねて来た人はいませんでしたか?」
俺は藤波綾香が、俺の質問を聞き逃したのかと思い、重ねて質問してみた。
すると、藤波綾香の顔からは警戒感が消えて、ふっと穏やかな表情に変わったのが分かった。
「小林さんが帰ってからすぐ、環さん美智さんが連れ立ってやって来ました」
「そのこと、もう少し詳しく伺えますか?」
「はい。2人が訪ねて来たのは、小林さんが帰ってから5分と経ってない時だと思います。龍昇様の寝顔が見たいとのことでした。お二人は龍昇様に好意的で、私も安心してお部屋の中に通しました。お二人はベビーベッドでお休みになられている龍昇様の寝顔を見ながら、お喋りに花を咲かせていました。滞在時間は3分程度、5分もいなかったと思います」
「何か、2人について他に記憶していることはありませんか?」
「いつもより滞在時間が短いということくらいです。いつもは龍昇様を見ながら嬌声をあげているのですが、その時は早めに切り上げて帰って行きました」
「2人と一緒に貴方もいたのですか?」
「私はその時、洗濯物をしまっていました。なので、ずっと一緒にいたかと言われるとちょっと違うかもしれません」
「少し目を離したということですか?」
「そうですね。ずっと2人の様子を見ていたわけではありませんね」
藤波綾香は、記憶の糸を辿りながら、視線をあちらこちらに動かしながら答えた。
「他には誰か来ましたか?」
「9時半くらいに、今度は松崎加奈様がいらっしゃいました」
「加奈が?」
「えぇ、たまにいらっしゃることもあるのですが、また来たと思いました」
「加奈さんについては何か気づかれたことがありますか?加奈さんは、何ために来たのですか?」
「そうですね。いつもと変わらないと思います。いつもどおり、寝ている龍昇様に向かって、可愛く無いとか不細工だとか、いろいろ悪態をついて行くのです。あっ、そういえば、その時は何ともおもわなかったのですけど、足早に、少し慌てているような感じで部屋を出て行かれました」
「加奈さんが龍昇ちゃんに悪態をついている間、あなたはどうしてました?」
「私は、加奈様の後ろで少し離れて、何もしないように監視していました。手を出したりしないかどうか、心配でしたので、目を離すようなことはしませんでした」
「訪れた人は、以上ですか?」
「いえ、あと9時40分頃に、加奈様と入れ替わるようにして、愛莉様と海人様のご夫妻がお見えになりました」
「2人はよく来るのですか?」
「はい、お二人は毎日のようにいらっしゃいます。龍昇様の寝顔を見ては、可愛い、自分たちも早く子供が欲しい、と話すのです」
「2人の様子におかしなところはありませんでしたか?」
「そう言えば、いつもは終始楽しそうにしているのですけど、今回は始めのうちは楽しそうでしたが、帰る前はお互いに無言でした。いつもは私に笑顔で話しかけてきてくれて、しばらく談笑していかれるのですが、今日は何も話さずでした」
「他に訪問者はいませんか?」
「いえ、それ以降はどなたもいらっしゃいませんでした。そして、10時過ぎに昇仁様と麗様がいらっしゃいました。お二人は、毎日お休みになる前に龍昇様の寝顔を見に来るのが日課になっています。今日もそうでした」
「最初に異変に気づいたのは誰ですか?」
「麗様です。龍昇様が寝息も聞こえず、全く動かないと言って龍昇様を抱き上げると、龍昇様が力無くグッタリしているのが分かりました」
「その後は?」
「私がすぐに隣の部屋にいる永瀬先生を呼びに行き、永瀬先生が龍昇様の蘇生を試みました。そこからは小川様と小林様もご存知のとおりだと思います」
「ありがとうございます、とても参考になりました。加藤さんからは他に何かありますか?」
「いえ、特に他にこれといっては」
加藤は事情聴取が俺主導で終わったことに若干の不快感を抱いているようだった。
「あの、本当にこれ以上は何もないのでしょうか?」
藤波綾香が逆に尋ねてくる。
「えぇ、ありませんけど何か気づいたことでも?」
「いいえ、無いのでしたらいいのです。それでは私はこれで失礼いたします」
そう言い残して、藤波綾香は小田切に連れられて客間から出ていった。
「なんだ?最後の彼女の様子、変じゃなかったか?」
小川は不思議そうにしている。
「そうだな、だが今の彼女は聞いてもそれを話さないかもしれないな。もう少し材料を揃えてから、再度話しを聴くことにしよう」
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